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写真は白黒のが好き。小説と写真と現実と空想と男と女とが入り乱れに乱れ、取り乱したまま終息に向かう。町だっぽさは弱いかも知れんが、これはこれでオツなものでした。
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『五年前、真っ黒な運河の畔で自動車に追いかけたおされ、いったん、ボンネットに跳ね上げられてから路上に叩きつけられて打撲傷、頸椎捻挫、上顎が砕けて通院した際に医者が処方した湿布薬の残りを取りにバスルームへ立った。』
『マジックで、ヤバイモノ、と書いてある30センチくらいの段ボールが横倒しになって、中から、注射器、分銅、ヌンチャクなどが、こぼれ出て、慌てて押し込めたりしている。』
『老眼鏡をずりさげ壜詰の海苔の佃煮のラベルの絵の人のような上目遣いで俺を見た。』
『これまで原稿用紙というものを見たことがないのであろうか、泰子の買ってきた、透かしのある薄い和紙に銀色の罫線が入った写経用紙を抱えて階下に降り、赤いソファーにもたれ掛かって膝の上に広げた。』
『久美子はいまなお心では森田を愛していたが、身体が森田を裏切るのであった。』
『ところがいつまで経っても信号が替わらない。いつまでもこうしているわけにもいかぬのだが、しかし、替わって欲しくない気持ちがおのおのの心の中にあって、故障した信号機の前でふたりは無言で立っている。』
『壁にはマリー・ローランサンのシルクスクリーンが飾ってあり、けっして乳や尻を丸出しにして鼻にマスタードの瓶を突っ込んでおどけている男女のスナップ写真などは貼っていないのである。』
『恐喝の話のできる静かで落ち着いた雰囲気の店を俺は探して歩いた。』
『様々のことがまあなんとなく漠然とうまくいきますように』
『低気圧が接近中とて、ときおり吹く塩分を含んだ強い風がねたついて、星月のねたねたした感じとあいまって気色が悪いこと夥しい。』
『岸子は、そうね、行ってみましょう、と、気のなさそうに答え、もっと小さな声で、どこに行ったって廃墟だけど、と云った。』
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町田康初めて読んだ。すげえ変な文の書き方するなって思ったけど、町田康の本って全部こんな感じなんだろうか。
なんかこの変な文の書き方と、書いている文から漂う雰囲気がなんとも言えない感じで病みつきそう。そしてなぜか読んでいたらチバユウスケの歌詞とかぶる感じがあった。
なんかこういう雰囲気に酔う男いるんだろうな~。わかるし。しばらく町田康を何冊かあさってみよう。