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紙の本
未知を照らす光
2011/01/22 23:34
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:セカンド・プラン - この投稿者のレビュー一覧を見る
使うことが出来る言葉の範囲が、思考の限界である。というようなことをウィトゲンシュタインさんが言っているようだが、イメージの広がりは無限のような気もする。しばしば堂々巡りとなり、繰り返された概念が真実と錯覚してしまうこともあるが。
それはさておき、「問い」の限界が知っている限りの言葉の範囲内だとすると悲しいことだ。
「四大文明で哲学が生まれなかったのは、実はそこが大河のほとりだったからだ」と著者は指摘する。「治水灌漑には膨大な数の労働力が必要であり、その膨大な数の労働力を管理統率するためには強い権力が必要となる。」結果、「個は埋没し、人々は自らの問いや考えを自由に述べたり、討論する機会を失ってしまう」と。
加えて、自らの知識や興味が仕事と仲間内などに限定され、知っている語彙もそこに限られたからこそ思考の創造性が失われたのではないだろうか。
「理解できない部分にこそ、大切なものが隠れている」、「自分が理解できないことを相手がいっているということは、自分が今まで考えたこともなかったことをその人は考えているということだ」と本書にある。しかし人は理解できないものは排除しようとする。
○○の常識は世間の非常識というのは今も昔も当たっているのかもしれない。
どこかの国や会社の例をあげるまでもなく、これは身の回りで絶えず発生していることに改めて気づかされた。生きるためにはしょうがないと言い訳しながら「問い」をあきらめてしまう。
そんな時のために、著者はアドバイスしてくれている「頑張らなくてもいいから、粘りなさい」と。「人生で大事なのは、頑張りつづけることではない。どんな状況になっても決して投げ出さないことだ。自分から投げ出さない限り、負けることはない」と心強い。
「問い」を持つことは、行く道を光で照らすことと読み解ける本書に感謝するとともに、だからこそ語彙の限界が行く道を限られたものにしてしまうのは、なんとももったいないと感じる。
「世界はあるがままに見えるのではなく、見えるがままにある」という言葉に考えさせられた、見るためには光が必要だと。投げ出さずに問い続けることの大切さが身にしみた。
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