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ストラディバリウスなど楽器の写真をずっと撮影してきている写真家が著者。クレモナは湿度の高い日があるとか、楽器の材料になるような森はないとか、面白い話がたくさん。カラーページの代表的な楽器は垂涎の的。写真を撮る時に、事前の準備に十分時間をかけることが書かれていて、興味深い。
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著者は世界で最もストラドに出会っている人。
自身もバイオリン製作者であり、
ストラディバリウスに魅せられた著者と、たくさんの楽器との出会い、歴史、などが紹介されている。
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カラーページのヴァイオリン、ヴィオラ写真が素晴らしい。
中身も丹念な取材とストラディヴァリウスへの愛にあふれてて、読み応えあり。ストラディヴァリウス所持者の紹介リストなんてのも巻末にあって興味深かった。
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ストラディバリの生い立ちやバイオリンの名器がどのように作られるかといった記述は面白いが、他のバイオリンとどう違うのかとか、その見た目の「美しさ」についてはピンと来ないところがある。
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愛娘のためにバイオリンを一から作ってしまった叔父に
影響され、ストラディヴァリのことが知りたくて図書館で
思わず借りた本です。
ちなみに、これを読むまでストラディヴァリウスの名前も
よく知らず、ストラビバリだと思ってた大バカ者の私。
美空ひばりみたい・・・。
一応全部読んだのですが、知識として吸収された気配は
残念ながらありません(笑)
いろんな名前が出てきて、頭の中で整理しきれずにぐるぐると
踊っています。
これを読んで思ったのは、それぞれ手にされた人の思い、修復や
手入れ、演奏などの調節を経て、300年以上経た今も名器と
して残っているのだなということ。人類の大いなる遺産ですね。
ストラディヴァリウスのヴァイオリンの製作には秘密が多く、
今も様々な謎があり、真似をして作られたりもしたそうですが
なかなかあの名器たちのような形状や音楽にはならない。
300年の「時の経過」がそこには加わっているからで、今すぐに
同じように時を早送りするような細工を施したとしても、
やはり同じようにはならないらしいです。
ロマンがありますね。
これからヴァイオリンのCDを聴くときには、どなたがどんな
ヴァイオリンで演奏されたものかに注目して聴きたいと思いました。
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[ 内容 ]
誰よりも艶やかに歌う三〇〇歳のプリマドンナ。
「時間」を超えるその価値とは何か?
カラー写真多数。
いまも解明できないその音色の秘密、ニスの謎、億を超える価格…。
多くの人を魅了し、人生を狂わせもした至高の楽器。
パガニーニなど著名な音楽家やヨーロッパ王室との関係など、所有者と名器がたどった数奇な運命とは。
そしてアントニオ・ストラディヴァリは何を成し遂げたのか。
第一人者による決定版。
[ 目次 ]
第1章 ストラディヴァリとは何者か(聖地クレモナ ストラディヴァリの生涯 ヴァイオリン三大名器とは ストラディヴァリウスの特徴)
第2章 謎と伝説(名器の価値はどこにあるか 木材の謎 音の謎 ニスの謎)
第3章 激動のヨーロッパ史と失われた楽器(スパニッシュ・セット タスカン・セット)
第4章 楽器は誰のものか?(ヴァイオリンに魅せられた三人 ストラディヴァリウスを所有するとは)
第5章 演奏家が愛した名器(海外の演奏家 日本の演奏家)
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
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☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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誰もが知っている「ストラディバリウス」という楽器に対する著者の愛が詰まっている。
著者が半生以上をかけて写真を撮り続けてきたストラディバリウスについて書かれている。
作者のストラディバリの話、当時の時代背景、いくつかのヴァイオリンの話。
美術品として、楽器として、長い年月を愛され続けてきたすばらしい楽器を知ることが出来る。
惜しむらくは音が聞けないことだが、それを本に要求するのは無理がある。
また、聞けても何かを感じ取れる感覚を持っている気がしないという問題もある。
それでも生きている間に一度、聞いてみたいと思うだけの内容はあった。
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写真もあって華やかな本なのだが、他のバイオリンと形がどう違うのかもっと詳しく知りたかった。表面的な内容を広くカバーしている、初心者向けの本。
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ストラディバリウスとストラディバリの違いって?という素朴な疑問から本書を手にした。結論から言えば発音の違い(イタリア語とそれ以外?)だが、通常楽器はストラディバリウスで作成者をストラディバリと表記することが多い。
それにしても300年経って本領を発揮する素晴らしい楽器製作をしながら、オープンに後継者を育てなかったというのが残念というか。
使ってこそ楽器であるが、芸術作品として使われずに保管されてしまうという運命にあるまことに難しい楽器でもある。
できればストラディバリウスとグァルネリを聞き比べたくなってしまいました。
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名器をひたすら追って愛でる、ある意味幸せな人生。
目利きには科学的素養が足りず、科学者に音楽の素養が足りず。
お互いがうまいこと組んで研究してほしいものだが。
マイスターが精魂込めて作り上げ、世代を超えて受け継がれる。ファティマか。
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アマティ、グァルネリ、ストラディヴァリを生んだクレモナの町について知ることができた。世界中でストラディヴァリウスの写真を撮っている横山さんが語る楽器の印象は、説得力あり。
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コンパクトなストラディヴァリウス入門書(弾けるようになるわけではないが)。
ヴァイオリン愛好家でなくともストラディヴァリウスの名前は知っているだろうというくらい有名な製作者とその楽器。弦楽器の撮影をライフワークに定め、そればかりか弦楽器製作にまで手を出したという写真家によるストラディヴァリウスの本である。本書の帯には「かくも人を狂わせる至高の楽器」とあるが、そんなに狂った話は出てこない。アントニオ・ストラディヴァリの生涯と活動した土地クレモナの話題、ストラディヴァリウスの真価を認めた製作者やコレクター、楽器商の話など、ある意味でまとまりはないが、さまざまな話題をバランスよく取り入れているともいえる。読み物として楽しいのだが、冒頭30ページ以上にわたって、クレモナの風景や楽器の写真などが掲載されているのも目に嬉しい。
著者の横山氏は1980年代に名器の写真集を何冊か出している(1冊数万円!)が、それを新書版の写真集に編み直してくれればいいのに。
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ヴァイオリンという楽器の特殊性を改めて考えさせられる。楽器として実用性が求められる一方で、美術品としての価値を求める人たちもいる。
個人的には、娘がヴァイオリンを専門に学んでいることから、今まで、弾き方、奏法や曲の解釈ついてはいつも考えてきた。楽器について余り考えてこなかったのは、腕を楽器のせいにしてはいけないという自戒と、学生の身でストラドについて語っても、という気持ちから。以前教わっていた先生は「楽器はついてくるものだから」とおっしゃっていらした。きっとその通りなのだろう。楽器との出会いもご縁のもの、それは人に出会うことと一緒かもしれない。
演奏のことについて言えば、改めて木の箱が鳴るという素朴なことに思い至る。つい、弓を使っていかに弦を鳴らすかばかりを考えていたけれど、その振動がこんな小さな箱に伝わってそれを鳴らしているということに驚く。
そして、娘に楽器を譲ってくださったコレクターの方のお話が蘇る。何故こんなに技術が進んだ現代でストラディバリウスを超える楽器を作れないんですか、との質問に、現代人は当時のような研ぎ澄まされた感覚をもう持ち合わせていないから、とおっしゃっていた。確かに雑音に晒された現代と17世紀のイタリアでは、耳が捉える音が全く違うはず。それも一つの答えなのだろう。