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”深沢さんのプロジェクト計画術を知りたかったので購入。
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T:勤務先への往復電車 → ○
P:WBS、ワークパッケージ、アクティビティ、ネットワーク図の具体的な流れを腹に落とす
O:JinKai各種プロジェクトの計画検証が必要
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多段契約になっている現状のIT業界の実態を赤裸々に語りつつ、そのなかでも幸せに生きるための「本気の計画術」を指南した一冊。
・本書は、下請け・孫請け企業が直面するこうした状況(引用注:「これではうまくはずがない」とわかっているやり方にやむなく従わざるを得なくなり、失敗プロジェクトに巻き込まれてしまう)の下で、なんとかしてプロジェクトを成功に導くための方法についても、下請け・孫請けとしての筆者の経験をもとに紹介しています(p.4)
・上位マネジャーには現場経験を!
陸上自衛隊はなんだかんだ言ってもけっこううまくいっていると感じますが(少なくともIT業界と比べれば)、幹部候補生には配下の階級の誰よりも厳しい訓練があります。その厳しさは、一般人には想像以上だと思います。当然ながら、上級将校はそれを全員経験済みです。(p.41)
・事実について理解をしたうえで期間短縮の工夫をし、ステークホルダーの理解や協力も得て、可能な限り短期間にします。(中略)短期間にするのは、プログラマーに少しでも技術的試行錯誤や品質向上のための時間的、精神的余裕を持ってもらって納得のいく開発を進めてもらうためであって、顧客や上司から問題視されないためという意味ではありません。(p.46-47)
・プロジェクト・ネットワーク図による計画作成方法(アナログ式)
模造紙と付箋紙ならば、壁一面を使って、皆で「ああでもない、こうでもない」と、お互いの理解を一つ一つ固めながら進めることができます。(p.66)
・WBS作成ルール
階層構造を作り上げるにあたって、ルールといえるのは次の二つだけです。
・下の階層のものがすべて揃ったら、上のものが完成したことになる
・いちばん末端(いちばん下の階層)の要素は、「完成が検証できる成果物」となっていなければならない
(p.69)
・図9:WBSの構造
WBS⇒Work Package⇒Activities⇒Project Network Diagram
・コミュニケーションを検討する(最重要)
プロジェクトの状況や顧客側承認者を含むステークホルダーの一人一人をよく考えて、その打ち合わせで必要となるコミュニケーションを検討することです。
つまり、「ここまでの情報をどのように伝えるべきか、相手を見て考える」ということを中心に検討を行うということです。(p.103-104)
・アクティビティリストの作成
アウトラインプロセッサなどのソフトウェアでWBSを作成している場合は、そのままワークパッケージの配下に記述していけばよい(p.115) <図13>
★一人一人がまったくといっていいほど異なっている人々をマネジメントするにあたっては、「結果から徹底的に属人性を排除できるだけの、行動についての徹底的な属人性追及」が必要になるはずです。(p.132)
★クリティカルパスを徹底的に増やす!?
「資源配分も含めて最高に効率の良いプロジェクト・ネットワーク図を作る」すなわち、「行うべきことをすべて行うとして、可能な限り平行して行えることは並行して行い(=うまく資源を配分し)、最短の期間設定を実現する」ということは、具体的には「なるべくすべてのパスを最短にする≒すべてのパスが同じ期間となる≒すべてがクリティカルパスとなる」ということになります。(p.136)
・「計画や計画活動に対する理解不足」がひきおこしていたもの
プロジェクトの全員が、もともとできもしないことをやれと言われて、それを素直に引き受けて失敗し、怒られていたということになります。
それはなぜかというと、ソフトウェア開発という、作るもの自体が見えにくいものであることによって、できない根拠が示せなかったからです。
→日本人は、「見える」ようになると、おそらく世界最強です。(p.151)”