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一時期、一部の間で流行っていたらしい「ハダカデバネズミ」を、遅まきながら読んでみた。
アフリカ北東部のソマリアあたりに生息し、毛がないのは寄生虫対策との説が有力らしく、歯は口唇を突き破って生えているといった、いわゆる生態などが説明されている。
また、その生活は集団で過ごし、アリやハチのような真社会性(繁殖は女王デバの役割で働きデバなどそれぞれに役割が決まっている)を持っているとのこと。
子どもが生まれたら体温をキープするためにひたすらふとんの役目をするふとん係もいるそうだ。
研究対象としてデバを選んだ理由として、その脳と行動を調べることにより社会が特化していく際の生物学的な変化を調べることを期待した、とのことだが、成果はあったのだろうか。
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2008年刊。著者のうち吉田は日本学術振興会特別研究員。岡ノ谷は理化学研究所チームリーダー。◆実に読みやすく、この種の書で久々にワクワクしながら読破。蟻や蜂と同じく、子孫を特定の繁殖個体(女王)のみに依存する真社会性「哺乳類」であるハダカデバネズミ(ヒトはコロニー内の特定個体に繁殖依存しない)。80〜300匹のコロニーを地中に形成し、地中生活に適応(低O₂・高CO₂の濃度で生存可。地下空洞内で反響しやすい音階に敏感等)。社会性の確認は最近(1981年頃)で研究は端緒。が、実に人間くさい生き様が描写。
例えば、雌における、熾烈な女王就任を巡る争い、下位の兵隊メスの乗っ取りを防ぐ地位保全の努力、その結果、高ストレス等で女王は短命である。一方、女王に傅く数匹の王様(繁殖雄)。交尾の度に痩衰え、短命(免疫抑制作用のあるテストステロンのため)に加え、反逆を決意した順位二位以下の雌に暗殺される場合もある(何とも可哀想である)。だけでなく、王様になれない兵隊雄は、新たなコロニーを作るため、放浪の旅に出るというのも社会性を逸脱する個体の存在という意味で興味深い。
「新世界より」(貴志祐介著)に登場する「バケネズミ」の元ネタ(のはず)としても、興味を引く要素かもしれないし、研究者たちの「ハダカデバネズミ」愛が感じられるのもgood。
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ハダカデバネズミなかなか興味深いいきもの。真社会性動物らしい。アリや蜂のように近親者でコロニーを作り子供を作るのは女王一匹と数匹の王様だけ、残りは働きデバ。ということはこういった形態には合理性があるということか。昆虫と哺乳類と違っても似た形態をとる。研究者達の苦労話も生々しくて面白く読めた
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グロカワイイ?
毛がほとんど生えていないしわくちゃの皮膚、
目が退化してあるのかないのかわからない、
デカイ鼻の下には突き出したげっ歯類の歯、
脚が短く胴長。
その名は、ハダカデバネズミ。
哺乳類なのに変温動物、昆虫に特有の女王を頂点とする真社会性を有する。
しかも寿命は破格の三十年以上。
なんなんだ、こいつら。
そんなハダカデバネズミたちの生態について。
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ハダカデバネズミの生態について著者が「デバ」と出会った頃からの研究内容が、思い出を交えて書かれている。名前も実物のフォルムも強烈だが、読んでいるうちに愛らしくなってくる。最近動物園で人気らしい。今度行ってみよ。
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著者の岡ノ谷さんが、カナダで鳥類の研究をしてゐると、いろいろあって帰国せざるを得ない状況が出る。
しかもハダカデバネズミとやらいふ社会性のネズミを押し付けられる。しかも発見し、それが社会性と言ふ奇怪な習性を持つのを発見したJ・ジャーヴィス御大の飼ひ鼠と言ふありがたすぎるものの!!
いろいろあって帰国した岡ノ谷先生は、大学といふa勉強とb動物の飼育に不適合な環境で、ジュウシマツと共にデバを飼ひつつ言語の研究をする。
なんか知らんけど、このデバさんは、ジェスチャーだけでなく、その言語のやうなものを操る能力も持つ。
最後に、「歌う!ハダカデバネズミ!」は、謎の感動が。
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2018.2.17市立図書館
長女と相次いで読み終えた。「ハダカデバネズミ」という身も蓋もない名前の珍妙な生き物の生態もおもしろかったし、それを飼育し生態を研究する苦労話がまたおもしろかった。明るくユーモラスな語り口もあって、動物の飼育実験についてはいろいろたいへんなことも多そうだけれど、オカポン先生の研究室はたのしそうだな、と思った。べつやくれいさんのイラストもまた楽しく。
刊行からそろそろ十年で、その後どんな成果が上がっているのか、調べてみたくなった。
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裸・出歯・鼠である。真社会性動物としてアフリカの地中に生息している。
子どもを産むのは女王一人、それにオスの王さま、兵隊階級、働き階級に分かれる。植物を食べる。
17種類の鳴き声を使い分けて、コミュニケイトしているらしい。
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小川洋子さんの本紹介より手に取った本。ハダカデバネズミという特異な生き物の生態も興味深いが、「17の鳴き声を使い分ける」というところから人間の言語の謎に絡めて研究をしようという研究者さんたちの発想が面白い。
それにしても「真社会性動物」の面白いこと。しかも遺伝で全てが決まるのではなく、周囲の状況から女王にのし上がったり、兵隊になったり王様になったりするという。流石に昆虫よりも複雑な仕組みで動く社会のようだ。
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「ハダカ」で「デバ」な「ネズミ」とはまたすごい名前です。
そしてその名前に負けないくらいインパクトある生態の動物です。いや何ともすごい。
繁殖するのは唯一の女王のみで、その他のもの達は群れの繁栄のためのみに生きるというのが真社会性で、昆虫では多いんですが哺乳類ではこのハダカデバネズミとその近縁のダマラランドデバネズミの2種なんだとか。なんといずれもデバネズミ。
はじめに実物(写真)を見ると、えっ、、、と思いますが、本を読み進めるうちにだんだん可愛く見えてくるから不思議なものです。
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シンプルに面白かった。動物園で何度かみたことのある動物ではあったが、どのように生活しているのかほぼ知らなかったため、「そうだったのか」の連続であった。「よくわからないけれどなんだか見ていて面白い動物」から「見た目だけではなく全てが面白い」という見方に変わった。見た目が変でよくわからない生き物でも、その生き物なりに一生懸命生きていて、かつその生活様式的には理に適っているということを、ハダカデバネズミを通してまな無ことができたのがなんだか不思議である。
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ハダカデバネズミのことを知るのに十分な本だった。上野動物園で初めてハダカデバネズミに遭遇した。ミチミチに狭いトンネルに詰まった裸のネズミたちに不気味さを覚えつつ、大変惹かれた。アリのような社会性の構築、役割分担、見た目の奇妙さ、鳴き声(歌声?)。どれをとっても珍獣にふさわしい動物だと思う。本書で魅力的な項は「飼ってみる」だ。一筋縄ではいかない珍獣を飼う(そして何度か失敗する)様子は、実に興味深く面白かった。
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ハダカデバネズミのことが、ユーモラスに、愛を持ってかかれている。研究の苦労についても知ることができる貴重な一冊。
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ハダカデバネズミ面白かった。本当に小鳥の囀りとかに近い鳴き声だった。後、ハツカネズミも歌うことを知った。
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小川洋子さんの〝からだの美〟を読み
ハダカデバネズミのエピソードに惹かれたので
こちらの作品を手に取った。
じわじわくる魅力に抗うのが大変だった。
ハダカデバネズミ……キモさはあるけど…
ちょっと可愛い……かも??