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ぴにおん! 1 みんなのレビュー
- 樋口 司 (著)
- 税込価格:638円(5pt)
- 出版社:メディアファクトリー
- 発行年月:2008.11
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紙の本
夢に託されたもの
2008/11/25 16:25
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:DSK - この投稿者のレビュー一覧を見る
破天荒なジェットコースター展開の中にハートフルなテーマを盛り込んだ良作。主人公【与四郎】の軽妙なモノローグで進行するスタイルには『分裂』してから久しく『驚愕』に至らないスニーカーさんちのベストセラーの影響を感じる。ヒロインの1人【二葉】との後半でのやりとりには、あのポニーテールを想起させるシーンもある。さらに設定は富士見さんちのロングセラーに似ている。通常これらの要素はパロディかオマージュでも無い限り忌み嫌われるものである。他の要素による上乗せが無ければ。その点では成功しているのではなかろうか。本作のキホンは夢、しかもダブルミーニングである。就寝中に見る夢に主人公が思い描く願望としての夢が重なる。そしてその夢が果たされない現実への悩みが綴られる。しかしヒロイン達も似た状況で、その悩みというか小さな願望を吐露するシーンがある。ただ、現状を嘆くのみでは逃避と同じであり、打破するために必要なことは、実はさほど大層なことでは無いんだよ、ちょっとした勇気と正直な気持ちなんだよ、と語りかけてくるようである。与四郎のモノローグに嘘が多いのは、その逆説的な印象を強調するためであろう。そして、いざ行動を起こしてみれば、どうしてこんな簡単なことが今まで出来なかったのかという、喉元過ぎれば熱さ忘れる的要素も示されている。では、そのための行動とは何か。それが本作のタイトルに秘められた本当のテーマなのであろう。つまり、黙ってちゃ何も出来ないし何も進まないよ、何も変わらないよ、ということではなかろうか。他と異なる特性や趣味を持ちながら、それを周りから理解されない状況を嘆く人に共感を呼ぶ作品でもあろう。
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