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引き続き、自分で選ばないシリーズだが、逆展開のストーリーが謎解きみたいなのと、なんだか自分も数寄者の侘びさびがわかった錯覚に陥るのが面白い。バブル期のゴッホじゃあるまいし、という感じでもあるが、権力と、権力とまるで程遠いかのようにすましてみえる茶道が絡み合っているわけで。
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利休が切腹する日から始まり、だんだん時代をさかのぼって話が進んでいくという構成。
章ごとに語り手が変わっていくのでそういうのもおもしろかったし、時間をさかのぼって書くという構成もおもしろいと思ったんだけど、そのせいで逆に単調で盛り上がりに欠けるように感じたのが残念。
それに、司馬遼太郎の本を読んだ後だと、人物描写がちょっと拙い感じがした。
利休といえば、「へうげもの」の中の利休のイメージが強かったのですが、山本兼一が描く利休は少し違った。人間らしいって言ったら変だけど、一人の人間としてのエゴとかそういうものが大切に描かれていたし、その方が一人の人間として共感はしやすいですが、僕としては中世のモダニストとして凛としてて欲しいかな。笑
「恋」のエピソードを織り交ぜて書かれていました。そんなイメージはまったくなかったし新たな一面って感じでした。
第140回(平成20年/2008年下半期)の直木賞受賞作です。
死を賜る 利休
おごりをきわめ 秀吉
知るも知らぬも 細川忠興
大徳寺破却 古渓宗陳
ひょうげもの也 古田織部
木守 徳川家康
狂言の袴 石田三成
鳥籠の水入れ ヴァリニャーノ
うたかた 利休
ことしかぎりの 宗恩
こうらいの関白 利休
野菊 秀吉
西ヲ東ト 山上宗二
三毒の焔 古渓宗陳
北野大茶会 利休
ふすべ茶の湯 秀吉
黄金の茶室 利休
白い手 あめや長次郎
待つ 千宗易
名物狩り 織田信長
もうひとりの女 たえ
紹鴎の招き 武野紹鴎
恋 千与四郎
夢のあとさき 宗恩
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利休切腹の直前から、時間をさかのぼりながら、人間関係を解きほぐしていきます。
利休、秀吉、家康、三成、信長、
斬新な歴史解釈があるわけではないですが、しみじみと読ませます。
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なにしろ前半は固くてなんか読み辛い文体だった。
それが後半から柔らかくなった。
緑釉の香合は、見たことがあるように
イメージできた。
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2009.07.18
利休の心にある侘び寂びに込められた濃密なもの、その艶やかさ。
秀吉あたりの戦国時代の人々の視点からも書かれているのも楽しく読めた。
秀吉がとても欲しがり、目にした人が気にかけていた物語のキーでもある緑釉の香合が、利休はついに壊せず宗恩が…というのも耐えに耐えた彼女の心情が伝わってくる。
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第140回直木賞受賞作
利休居士を描いた作品、最初から最後まで
読み手をあきさせない、素晴らしい作品だった
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図書館で半年待って読みました!歴史の教科書で見た絵のイメージ・侘び寂びのお茶の人。そのイメージを上手く壊してくれた1冊だと思います。小説なので、歴史書では無いあたり、史実として残る利休についてはどれ程沿って書いてあるのかは私には分かりませんが、それでも侘び寂びだけじゃなくその中に艶と、 美を追求して生きた熱い利休を見る事が出来ました。最後まで1人の女性を慕う、一途でずるい利休がとても男として魅力のある(女から見ると複雑ではありますが・笑)人物として描かれていました。周囲にいる人々も個性の強い人々ばかりなので、そっちを見ても面白かった作品です。
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変則的な物語の進み方でしたけど、混乱はしません。返ってわかりやすかったかも。
通常の時間の進み方をすれば、回想という形で語られることになるであろう部分が、現在形で読めるというのは良かった。
ただし、変則的な進み方であるが故に、物語にあれ以上深みを持たせることが出来なかった様な気はします。
利休が、何故、そうなったか?を解き明かしていくことがメインとなったが故に…利休が徐々に道を究め、深くなっていく様を描けなかった…としても、おそらくその辺は本書の意図ではないだろうからいいんでしょう。
(正方向で描ければ、出発点に高麗の人ありきでも、到着地点ではその人は昇華出来ていた可能性があるかも知れないのに、変則的描き方であるが故に、その影は払拭できない、というよりしちゃまずい・影が無くなっていたら物語の出発点が失われてしまう、その変わり利休の茶道には雑念が残るものとならざるを得ない…って事になるわけだろうから)
全体的にとんでもエロティック!(へんな日本語〜)
一読し終わってから、もう一度読み返したら、たぶん物凄いエロスを放ってくると思う。
そういえば、私の利休…宗易のイメージは、ルソンのツボを法外な値段で秀吉に売りつける悪徳商人的イメージなんだわ(笑)
なんてひどい。
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09/07/31
茶の湯。侘びだけでなく、色気や心に熱いものを秘めた千利休。切腹当日から章毎にさかのぼってエピソードを披露し、魚屋の息子与四郎が利休となっていったさまを逆回転で見せる。
茶道に関わる専門用語を惜しみなく使い、息が詰まる。悪い意味でなく。
さもありなん、という出来事が並び、面白い。
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茶の湯は芸術の世界でもあり、政治の世界でも、戦争でもある。
そんな奥の深い茶の湯を制したのは、かの有名な千利休。
もちろんそんな人だから普通の人間のはずはないであろうとは解かってはいても、読めば読むほど、物語の登場人物達と同じく彼の才能にひれ伏したくなり同時に嫉妬もし、不思議に思って彼の精神世界が築かれた要因を探究してみたいという気持にもなった。
物語りの進む形式がとても面白く、序章から呼んでも、終章から読んでも話が通る。
間違いなく名作だと思った。
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直木賞受賞作
さまざまな視点から利休が描かれています。
そして、なぜ切腹に追い込まれたか?
納得はしがたいですが、なんとなく伝わって
きますね。
時代が遡っていくのが少し読みにくかったのが
少し難点です。
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ラジオで紹介されていたもので、おもしろそう!と思って、図書館で予約して借りてきたのでした。
千利休の人生を、切腹の日からだんだんとさかのぼって描いた小説です。さかのぼって描かれているというのが新鮮でした。読み進むと、これがあったからああなったのか!というふうにナゾが解ける感じで、推理小説にも似たおもしろさがありました。言葉も美しく、知らない言葉を辞書でひきながら読むとまたよかったです。(辞書がなくても、だいたいの意味は漢字や前後の関係からわかります)茶の湯を表現する言葉も美しくて、茶道に興味がわきました。茶道のことがわかって読むと、きっとまた違うおもしろさがあるんだろうなぁと思いました。
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自分の美学だけを信じて恐ろしいまでに信念を曲げず茶の湯の道を孤高に歩きつづけてついには天下人秀吉と対峙し死を選ぶ、そしてその原点には鮮烈な恋があった。
見事な読み応えたっぷりな小説でした。
この小説で直木賞を受賞しなかったらあかんやろーっと思ってたら予想通り受賞しました。
山本さんおめでとーございます。
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▼半分まで読了。止まらない面白さ。▼もともと私は、日本の歴史のうち、利休が大大大好きだから、楽しいのかもしれない。日本の芸術家で一番すごいのは利休だと思う。時代劇でも利休役ばっかり気にして見てしまう。▼利休の切腹の瞬間から、時間がどんどん過去に遡り、語り部が他人に映る。そこから、利休の人となりや、利休の求めた美意識を多角的に見てみようっていう……一種の検証小説なんだけど、外国からの視点という、新たな切り口が見えたのがとても個性的だと思った。
▼読み終わった。同じ感想。別にびっくりするところはない。だからこそオヤジ向きかも。面白かったなあ。(09/8/24 読了)
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直木賞受賞作ということで購入。
べつに不満な部分はないが、満足な部分もない。
主張もあまりにもわかりやすすぎて、深みが少し足りないと感じた。