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日中戦争 戦争を望んだ中国、望まなかった日本 みんなのレビュー
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紙の本
日中戦争、新たな視点から
2008/11/04 16:40
15人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:としりん - この投稿者のレビュー一覧を見る
航空自衛隊の田母神俊雄空幕長が、「我が国が侵略国家だったなどというのは正に濡れ衣である」とする論文を発表し、大騒ぎになっている。
空自のトップという立場でのものだけに、各方面への影響が極めて大きく、不適切な行動だったと言われるのもやむをえない。
だが、ホームページに発表されている論文の内容については、やや独断的な部分もあるものの、全体的には特別に突飛な主張とは思えない。
例えば、日中戦争(満洲事変を含む)が日本軍による中国侵略などという単純なものでないことは、すでに多くの識者により論じられているところである。因みに満洲事変について、リットン調査団の報告書にもそのように書かれている。
そうした議論に、本書はまた新たな視点を提供するものである。
本書は、主に中国民衆に焦点を当て、中国民衆にとっての日中戦争という側面を浮かび上がらせているのである。
特に、中国民衆(都市部)が日本との戦争を熱烈に支持し、蒋介石は民衆に突き動かされるように日本との戦争に進んでいった点や、日本軍が占領地の都市住民への食糧を調達するために、農村から強引に農作物を奪わねばならなかった点など、興味深いのではないか。
さらに、中国の徴兵についてである。軍隊へ人員を供給するために農村などから拉致して軍へ送り込むなど、同胞に対する非人道的な中国のやり方には驚かされる。さらにさらに、徴兵の途中で多くの若者たちが命を落としていった、その数、推定でなんと数百万人・・・。
まだまだ驚愕の事実は尽きない。
また、当時の国民政府、臨時政府、維新政府など、分裂状態だった中国の政権や、和平交渉の詳細を丁寧に説明し、軍事と資源について中国とドイツの蜜月状態を明らかにするなど、日中戦争と日中を巡る国際情勢の基本的事項にも詳しく触れた書でもある。
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