紙の本
誰がこんな生き地獄をつくったのか!?
2010/02/07 16:09
5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あまでうす - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本には、企業・大学・学生が演じる茶番劇という副題がついています。
企業は優秀な学生を青田買いするために「就職協定」を幾度となく有名無実化してきました。大学側では「教育」が本分であるとうそぶき、就職など知ったことかという態度を取っていましたが、少子化が進んでどんどん学生の数が減り、経営基盤が足元から崩れ去っていく現実を目の当たりにして、どうしても就職率を上げざるを得なくなってきました。
そこに割って入るのがお馴染みのリクナビやマイナビを運用する就職情報会社です。企業からは「就職人気企業ランキング」などをちらつかせて説明会経費や媒体費用をむしりとり、大学に対しては就活指導ノウハウを様々な形で押し売りし、「就活と採活」の両側面において完全なマッチポンプで莫大な利益を上げています。
いい迷惑なのは学生たちです。勉学に専念できるのは3年生の1学期までのわずかな期間だけ。夏休み前にはインタンシップという訳のわからない就業体験に突入し、続いて大企業の説明会が大会場で開催され、大手テレビ局や電通博報堂などへのエントリーが開始されます。ともかく3年生の大みそかまでには内々定を獲得しようということで、学業などそっちのけで就活の東奔西走が繰り広げられているのです。
どこの大学でも企業訪問やら面接試験などに出陣する学生が相次ぎますから、ゼミや授業や実験などはみなうわの空。4年生になっても就職が決まらないと大事な卒業制作にも大きなダメージが出てきます。100年に一度という大不況で2010年度の内定率はこれまた史上最低を記録していることを知ってか、最近では2年生!が就職課に相談にくるという異常事態が発生しています。ゆがみにゆがんだ就活ゆえに、かなりのパーセンテージを占めるアホバカ学生のアホバカ度も、ますます亢進せざるを得ません。
アホバカ小鳩のおかげで国会がもはやまともな政策論議の場でなくなってしまったように、キャンパス内も、もはや真面目な勉強どころの騒ぎではないのです。
就職情報会社や就職本に脅かされた学生は、絶対おとされないエントリーシートの書き方や失敗しない面接の受け方を知ろうと私たちのところへやってきます。マニュアル通りの履歴書を持ち、マニュアル通りの質疑応答に熟達し、マニュアル通りのリクルートスーツを着たマニュアル人間のおぞましさ。そして彼らをそのような姿形に追い込んだ元凶であるにもかかわらず、彼らの来襲におびえる企業の異様さ。これを悲惨な蟻地獄といわずになんと呼べばいいのでしょう。
この悲喜劇を存続させている当事者は、企業・大学・就職情報会社・世間そして学生です。しかし学生自身にはこの苦境を逃れるすべはありません。私はやはり企業側が1996年に廃止した就職協定を復活し、それを政府が厳格に監視する形で、「会社訪問は4年生の8月20日、内定は11月1日」とおごそかに決めることが、現在の「就活のバカヤロー」状態を脱する唯一の道ではないかと思うのですが……。
♪就活のバカヤローが生み出している恐るべき国家的損失! 茫洋
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20081116購入。20081116読破。今日の就職活動のイタイ実態を豊富な具体例と関係者の発言によって明らかにしている。就職活動を行う学生必読の本。
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就活について学生、大学、企業それぞれの視点から描かれています。
この著者が言いたいことは、就活は茶番ってことかな。
就活真っ只中の学生は一度参考程度に読んでみては如何でしょうか。
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なかなかこの手の本にしては面白くためになったので1日で全部読んでしまった。学生、企業、就職サイト、親etcの観点からの就職活動を述べており自分ひとりだけでは気づかないことが多かったので良かった。また、各ページの下に就職関連本の情報、大学のキャリセン情報、企業のプチ情報、就職に関する数値が載っており就職偏差値が上がった(笑)
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就活生として読んでいいものか悩みつつもどうしても気になってしまい読んでみました。内容はかなり具体的でとても参考になりますし、現在の就活の戦犯が一体誰なのかよく分かりましたw私自身就活というものにかなり疑問を持っていたのでとても楽しく読めましたーお奨めです。
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将来どうしよー就活どうしよー・・・
って思っていたら発見してしまった。
資格とか、どうやって自分を就活の面接でPRしようとか
そんな風に大学生活を過ごそうと思っていました。
が、完全に馬鹿だったと思いました。
確かに無意味ではないけれども、それに突き進む必要はない。
何よりも、ちゃんと考えてる人・行動できる人であることが
第一で、いわゆる『就活』に引きづられる生活じゃだめだなと。
あと、ある意味、面接されてる人間として
こういう所見てくれない会社は嫌だなーって逆面接ができるようになるかも。
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就活は「気持ち悪い」。就活は「バカヤロー」だ(著者)。就職活動の実態について学生、企業、大学の視点からレポート。
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就活は、学生、大学、企業、就職情報会社が欲丸出しの茶番劇・・・。それぞれの思惑とイタイ現状を解説。みんなが欲を出すと、事態が自然と悪い方に向かうものだなぁ。
大学で就活アドバイザーなるもの(これもイタイ?)をやるので、読んでみた。共感するところは非常に多い。ただ「理工系学生の無意識下の就活」は正直微妙。少なくとも僕の研究室や周りの研究室で、そんな気配は感じない。
きちんと取り組めば、学生にとってそれなりに成長もできる良い機会だと個人的には思う。やってるときは辛かったけど。個人的に就活を振り返ると、「みん就を見る時間があるなら、本読んだり、筆記対策でもしておけば良かった」かな。あそこに有意義な情報はほとんどなかった。
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就職活動について、「企業側」「学校側」「学生側」の3つの視点からいかに現在の就職活動が茶番じみているかという内容。
個人的に、昨年就職活動を通じて、就活について疑問に思うことがあったので読んでみた。
著者は、実際にインタビューを通じてそれぞれの生の声を聞いてきているので興味深かった。
内定をもらうため不自然な自己紹介をする学生、就職実績を残すために必死な学校、就職希望ランクをあげるため就職情報会社に踊らされる企業。
それぞれの茶番劇が面白く書かれている。
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就職活動(通称「就活」)をテーマに、企業の人事や大学の教職員、就活中の大学生らに徹底取材したあと、腹の底から出てきたのがこのひと言だ。「私は納豆のようにねばり強い人間です」と、決まり文句を連呼する"納豆学生"、「企業は教育の邪魔をするな」と叫ぶわりに、就職実績をやたらと気にする"崖っぷち大学"、営業のことを「コンサルティング営業」と言い換えてまで人材を獲得しようとする"ブラック企業"―「企業と社会の未来をつくる行為」「学生個々人が未来に向けて大きな一歩を踏み出す行為」であったはずの就職活動は、いまや騙し合い、憎しみ合いの様相を呈し、嫌悪感と倦怠感が渦巻く茶番劇に成り下がった。さて、いったい誰が悪いのか。
就活のバカヤロー
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就活の一環で面接の練習とかやると、いったいこれはなんの茶番なんだろうかって思っていたところにこの本が出版!読むしかなかろう!だからといって特別就活に役立つことが書いているわけではない。でも、気負っていたものが軽くなる。特に第一章を読むと。ちょっとした事実をいくら過剰に書いたってすぐバレてしまうわけで、しかもそのようなことを書いてくる学生は蟻のようにいるわけで、そしていくら嘘を塗り固めても「本物」に勝てるわけがないわけで。簡単に取れるような資格なんて取っても意味ないし、そういうのに振り回されている時点でダメなんだなー・・って。読んでいて楽しめた!!石渡嶺司氏の『最高学府はバカだらけ』の帯も面白かったけれど、今回の帯も面白い。これを読んでいなかったら、まさにこの帯のような自己PRをしてしまいそうだった。
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へたな就活のマニュアル本よりも断然おすすめです!
就活の本質を説明している.
できれば去年読みたかった.でも就活が終わった今だから読んで理解したことがいくつかあったかな.
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マニュアル本を読むより、こういった現状をあらゆる角度から取材した本を読んだほうが、自分の方向性が見えてくる。
就活に対する複雑な思いが、少しだが晴れた。心が動いた。
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就活学生のアホらしさを書いてる第一章はすき。
ふっと気持ちが軽くなる気がしました。
気負いすぎちゃいかんなぁ、
会社のために自分を偽ろうとするのって
なんか違うよなぁ。
でも、この本全体を見てみると、
??
ってなる気もする。
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ものすごく大人の視点から就活を冷静に見つめた本。
採用側と大学側のイタチごっこということには若干どうかとも思うが。