紙の本
学びの入り口
2022/12/16 23:10
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ガリ勉太郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者は予備校講師であり、この本は大学受験を控えた高校生に向けて書かれている。内容は現代思想の基本な流れであり、いわゆる受験の頻出テーマである。この本には多くの読者案内があり、この本は新たな学びへの入り口となるだろう。高校生でも読める文章であるが、学び直しをしている大人でも学ぶことがある良書である。ぜひ手に取っていただきたい。
紙の本
受験生以外にもお薦めです
2009/08/25 22:52
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:GTO - この投稿者のレビュー一覧を見る
さすが名物講師だけあって、いい所をついているし、説明も分かりやすい。著者が言うように大学入試における英語長文・現代文(特に評論)・小論文は三位一体である。この本で取り上げられている下記のバックグラウンドを知っているかどうかで、読みの深さが変わるし、それなしでは正解に近付くことは難しい。目次からその6つの観点を列挙すると、
1.還元主義を超えて
2.言語とコミュニケーション
3.脱工業化社会の到来
4.ポストコロニアルな世界史
5.アメリカ化する世界
6.現代民主主義の逆説
である。やや、理系分野の話題に欠けるが、どれもエキサイティングな分野である。高校生の時に読めなかった大学生も是非読むべき現代思想の入門書と言っていい。そして、大学生ならば、各章で紹介されている参考文献まで読み進んでほしい。
補足:第2章の最初に取り上げている「I won't say everything;」の例はいただけない。著者は小西ファンなのかもしれないが、文脈からどう考えても小西の訳にはなりそうもない。著者の説明したいことの例としては、適切ではない。
紙の本
現代の見方がわかる
2016/04/18 08:14
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kazu - この投稿者のレビュー一覧を見る
横山先生の「ロジカルリーディング」に感銘を受けて、この本も読みました。
面白かったです。
現代文、小論文、英語長文で語られている問題の奥にある思想を、大まかに理解することができました。著者の語る、教養とはなにか、学際研究とは何か、というのは、なるほど、と思える点が多く、すごく考えさせられました。
ただ、この本は、著者もあとがきでおっしゃっているように、著者の意見が色濃く反映されているので、大学生になったらここで紹介されている本を自分で読んでみて、自分なりにいろいろ考えてみたいです。
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受験評論における六つの頻出テーマについてのバックグラウンド解説。
英語と現代文と小論文とは三位一体であるという前提に立ち、三つに共通する読解の知的バックボーンを構築することを目指す。
http://d.hatena.ne.jp/toku-noh_sen-kichi/20081230/p2
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とてもためになる内容で、新書初心者の私でもよく分かりました。
大学受験も2年後に控えているのでこれは役に立つ本だと思いました。
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好奇心を刺激される一冊。
大学受験は過去の話となった今でも、読み返す。後期試験の小論文対策にさらっと……さらっと? 正直、噛み応えあった。読むのに時間がかかったわ。社会人している間にさらっとなんて読めない体になってしまったよ。面白かったけど。
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還元主義=科学的=合理的=分析的=線形(linear)
知ろうとする対象をひとつの「機械」と見立て、それをできる限り小さな構成要素にまで分解する。そして、ふたたび寄せ集める。By カプラ
起源:17世紀ヨーロッパのデカルトやニュートンp17
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[ 内容 ]
英語・現代文・小論文は三位一体である。
本書は、受験評論に共通するテーマである「現代」を、六つの角度から考察することで、読解の知的バックグラウンド構築をめざす。
[ 目次 ]
第1章 還元主義を超えて
第2章 言語とコミュニケーション
第3章 脱工業社会の到来
第4章 ポストコロニアルな世界史
第5章 アメリカ化する世界
第6章 現代民主主義の逆説
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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大学受験に必要な論理的枠組みをわかりやすく書いている。
脱工業社会やアメリカ化する世界、現代民主主義の逆説など、一般社会人も教養として身につけても損はない内容でした。
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「大学受験」とあるが中身は本格的な思想の(ほんの表面的な部分に過ぎない気もするが)お話である。筆者が予備校講師だからなのか、小難しい科学哲学などの話も割とすんなり理解できた。この本を読んでどうのこうのというよりは、この本を起点として様々な本を読んでいく、というのが正しいあり方かもしれない。一つ難点をいうなら、いくら「教養」とはいえ、ちょっと話を広げすぎだ。もうちょっと話を絞って欲しかった。全体的にはいい本ですよ。
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タイトルは大学受験向けになってるけど、現代社会が抱えている問題(功利主義のツケ)について、わかりやすく解説してくれている本。
池上彰系の1から100まで説明することを目的としている本ではなく、これを足がかりに、知へのフロンティアへと旅立つことを目的としている本。
この本を読み終わってから、新書のコーナーにいくと、読みたい本が一気にふえているはず。
・・・・そしてなぜか、読み終わったときに、ないてしまった。
自分の目の前には、私に読んでもらうために、知ってもうらために、たくさんの学問や知識が横たわってる気がして、それに気がつけた気がして、ないてしまった。
個人的な感傷はさておき、読みやすいいい本でした。
大学入試で小論文対策をしたい人や、現代思想を勉強したいけど、とっかかりがなくて困ってる人にはぜひおすすめです。
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予備校の衛星講義で英語の長文読解を担当されている横山雅彦先生からのメッセージ。
「英語と現代文と小論文は三位一体である」という前提に立ち、それらすべてに共通する読解の知的バックグラウンドを構築すべく、本書では様々な角度から「現代」をダイナミックに俯瞰できなければという気付きを与えてくれ方向も示してくれる。
学生のみならず、社会人から子育て中の主婦まで、目からウロコ間違いなし!
先生からのお勧め本(巻末4ページ)は出来るだけ読もうと思う。
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どういうジャンルに分類すればよいのか迷う本。
ただ単に大学受験の対策として役に立つ本ではなく、学問へのアプローチを自分自身で考えるきっかけになる本。そういう方向から大学進学へのモチベーションが高まるということが、一番の成果なのではないか。
大人にもなかなか読みごたえのある本である。
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「学ぶ」ことへの意欲がぐんと上がる一冊。
本当の学問とは何か。特定の専門分野に特化しているだけでいいのか。
本当のリベラル・アーツ(教養)について知ることができる。
関連して挙げられている本も是非読みたい。
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予備校の英語の先生が書いた、「政治・経済・社会・文化を横断的・相関的に捉え、六つの角度から『現代』という世界をダイナミックに俯瞰し」(p.13)た、「大学生になるための高校生の教養講座」であり、入試長文問題の背景となる様々な知識や考え方を解説したもの。本文で述べられている通り、現代文や小論文の対策としても役に立つ知識が書かれている。
おれ自身も高校の時の予備校の英語の授業で、「形而上・形而下」とか背景知識の話が面白いと感じたし、こういう、評論を読む上での前提となる知識を勉強するのは有意義だと思う。著者は、様々な著作から得られた知見をもとに、分かりやすく帰納と演繹、言語論、社会論などについて紹介している。
が、ただ、なんか内容が意外と薄い感じがして、物足りない印象を持ってしまった。たとえば西洋科学一辺倒には限界があるので、「では、僕たちは、どんな態度を取ればいいのか。僕は、それは『不可知にとどまること』だろうと思います。『わからないこと』は『わからない』と、そのままそこに踏みとどまってみるのです」(p.37)、そして「近代科学が抱える問題を批判的に再検討するという立場」(p.38)をとればいい、と言うけど、なんじゃそりゃ、という感じだった。前に、ある本で「相対主義という思考停止状態」みたいな話を読んだが、まさにこれこそ思考停止しているんじゃないか、と思ってしまった。ポパーという人の「科学者の仕事は、『反証』(falsification)を見つけることである」というのは面白い考えだと思ったが、結局著者の出す結論は「人間の理性の能力の限界を知って、謙虚であれ」(p.40)って、本当にそういうことなんだろうかと思ってしまった。反証を見つけるのには理性は関わらないのか、とか、理性に限界があることを知る理性にも限界はあるのか、とか思ってしまう。
さらに、p.48の「『英語にも非明示的な表現はある』という反論を受けてしまいました(笑)」(p.48)とあるが、いや笑いごとじゃないだろ、とか思ってしまった。会話文問題で適切な応答を選べ、とかいう問題でよく出てるケースなんじゃないかとも思った。「日本語は非線形の『ハラ芸』だ」(p.47)というのも、そんな単純なことではないと思う。ダブルバインドの話も、語用論的な話かと思ったら、どうもそうではなかったし、民主主義というシステムを批判するくだりで、オウム真理教と「一一○番する現代のお坊さんも同じ」(p.139)とか、それも言いたいことは分かるけど、誤解を招きかねない書き方をするのはどうなんだろう、と思った。骨のある内容を期待したが、結局著者の個人的な興味に合わせて中途半端に論を振り回されただけ、という印象が残った。(15/01/12)