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「こないだ、雑誌の占いコーナーに、あなたの人生は諦める人生か諦めない人生かどちらか選択しなさいって書いてあって、思わず声に出して答えちゃった。『わたしは諦めない』って」
行動派の弟妹を持つ長男または長女向けかも。
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最初に読んだのは1年くらい前。文庫で出たので購入。
デパートの寝具売り場に勤める「小さな男」と
ラジオのパーソナリティーの「静かな声」。
何の関係もない二人が、かちっと小さなスイッチが入るようにつながる瞬間。
一度目は退屈に感じたところも、
二度目は味わい深くて、読み終わるのがもったいなかった。
午睡屋みたいな古本屋があればいいな。
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中盤、少ししつこい感じがしてあまり面白くなかったけど、後半になってよくなった。
静かな声(ラジオの女性)の方が変化があって面白くなったからだ。
淡々とした文章が心地よかった。
日曜の夜に読み終えて、主人公のラジオを聞いてる気分で読めた。
登場人物たちの生き様に安心、共感できた。
淡々とただ淡々と。
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最近 社会派ばっかり読んでいたからか読み始めはちょっとだる〜い感じでなかなか読み進められなかったけど(理屈っぽいというか・・・)途中からは、どうやってつながるのかワクワクした欲を言えば もすこし早めにつながってほしかったないろんなダイアリーをつけたくなったけどきっと三日坊主で終わるに決まってるからつけないけど
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静かな声好き。小さな男はあまり。
吉田さんは私の好きなゆったり小説と嫌いなたらたら小説があるけどこれは、その中間くらいかな。
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いやぁ、何だかやっとゴールに辿り着いた感じ。私にしては珍しくなかなか読み進められなかった。
図書館で三回も借り直し…
百貨店に勤める小さい男とラジオのパーソナリティーをしている静かな声の女性の話が交互に展開される。
私はどちらの話にも出てくるミヤトウさんが好きになった。
赤か金の手帳を買おうかなぁ。
あと、静かな声と弟のやり取りも好き。
お互いにお互いの仕事を「点燈夫」に例えるところ。
読み終わる瞬間、なんか勿体無くなって、でも読み終わったら心がちょっと温かくなった。
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年を重ねていく事に、知識はどんどん増えていき、
この世の中にある謎がひとつ、またひとつと消えていく…。
知り得る事は愉快だけれど、
もっと謎が欲しい、もっとワクワク考えていたい!知識欲旺盛な人々は、
足元が空っぽになると、つい(旅をしなくては!)と言う衝動に駆られがちである。
だが、
同様に知りたがり、考えたがりの小さな男の信条は旅立つ事には無かった様だ。
むしろ、
「旅は嫌いだ。
私は買い物が好きなのだ♥
街にしがみついた小さな店で
こまごましたものを手にとって眺めるのが私の旅である。」
キッパリとそう言い切って、
シャツの事…
葡萄の事…
ノートについて、の話などをちまちまと語り続けるのだ。
不思議なもので、そのちまちまを聞いているうちに、
フッと心に浮かんだ言葉が
『神は細部に宿る』であった。
出向いた先にある、何かを求める事もロマンに満ち溢れていて、素敵であるが、
そこにあるモノを自分が<面白い>に変える力。
も、同じ位素敵だな~と、思った。
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変な本だなあ。じれったい話だなあ、と思って読んでいるうちに、いつの間にか引き込まれてしまい、物語の一見ゆっくりしているようで実は早いスピード感に圧倒されてしまった。いや、圧倒されたというほどの迫力はないのだけど、気が付いたら余韻が残ってた、みたいな。
タイトル通り、「小さな男」と「静かな声」の人間の話。どうでもよさそうなエピソードが「小さく」「静かに」積み重なりながら、そこに彼らを取り巻く環境のエッセンス-ラジオ、自転車、メモ帳、居酒屋、DVD…ありふれたアイテムが加わり、世界が広がっていく展開が面白い。まるで積み上げられた像のように、その様が読者の脳裏に浮かび上がる。
読み終わったあとも、積み上げられ完成した物語が、それぞれの読者の思いも加わって、それぞれの形で生き残っているような心地良い錯覚に浸れる、不思議で楽しい小説。
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百貨店の寝具売場に勤務しながら百科事典の執筆に勤しむ「小さな男」と自分の声を嫌いながらも日曜深夜の生番組を持つことになったラジオパーソナリティ「静かな声」が交互に登場し、語り手になる。とは言え、最近流行りの告白型ではなく、三人称での挿話もあり…正直前置きの長さやまわりくどさが退屈で、慣れるまでの50頁位は意地で読んでいた。
無意識に「モウ、コンリンザイ」と唱えている静香や、四角い顔に西郷さんのような太い眉とそこだけ洋風めいた鳶色の目をして、並べられた三つのケーキを指差しながら「アンタッチャブル!」と語気を荒げて妻子を寄せつけない酉野氏、「あかり」を作って自転車で届けるシン、「ついに」と「遂に」について思い巡らしながら(ここはすごく共感した!)遅刻したことに焦る「小さな男」、ムンクの「叫び」のネクタイを締めた六人の男たち。
このあたりがクスクスと妙にツボに入ってしまい、勢いで読み切った。言葉遊びと言うか、文章遊びの感覚は以前読んだ紺野キリフキさんの「キリハラキリコ」に似ているかもしれない。
結局劇的な展開はないのだけれど、ささやかな日々のなかで、徐々にふたつの語り手は近づいていく。
静香の赤の手帳と、ミヤトウさんの金の手帳のエピソードも良かった。落ち着かない色だからその存在を忘れずに活用できるのね。
「コリゴリの煮こごり」の響きが気に入ってしまった。
面白いか?と問われたら即答できないけど、読んで損したとは思わない。
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われわれの世界には限りがあり、にもかかわらず、日々、生産は繰り返される。何やらびっしり書き込まれた余白のないものが次から次へと作られ、限りある世界を追いつめるように埋め尽くしてゆく。が、ノートだけはほとんと唯一といっていい余白の生産、可能性の生産、空き地の提供である。これを手に入れずして何を手に入れよう。場合によっては、百五十円で宇宙さえ手に入れることが出来るのだから。
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★3.5かな?
オシャレな感じのする本です。
私の読書歴的に、ジャン=フィリップ・トゥーサンの「浴室」と思い出しました。
なんだろ?日常の細かい人の思考の経路を、考えている本人さえ忘れてしまうだろうこの経路を事細かく書いていく感じが似ていました。
登場人物は全員が、淡々と静かに生きる人たち。
決して、華やかな目立つ人達じゃないところに、作者の人生への愛情を感じた。
物語は、小さいことが第一の特徴の「小さい男」が、体格と同じように些細なことを考えて生きているけど、物語の最終に向けて成長していく。それと並行して、直接関わることのなかったラジオのパーソナリティーの「静かな声」の話が進む。同じように、静かな声も変化を体験する。
そして、最後に向けて、静かな声と小さな男の結びつきも加速。そして、つながりを予感させる。
ここに、作者が言いたい「世界はつながる」を表現しているのではないかと思われる。
私自身、生真面目で臆病ものな長女気質なので、小さな男と静かな声の奔放さに憧れる気持ちがとても分かる。
自転車に乗って、自分をどんどん開放させて弟になっていく小さな男。
それに、小さな男が人と出会い、それまでは聞いているだけだったことを、一つずつ挑戦していき変わっていく様子が、life is beautiful。
ハンバーガ屋の店員の感じ良さに気付き、働いた後に、くつろぐ楽しみを見出す。なんて言うか、今まで見過ごしていた小さな人生のきらめきに気付いたというか。
ところどころ、う~んと唸らせる素敵なセリフがちりばめられている。
面白かった。
デパートの同僚をハムに表現するのにはまった。
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ネットも携帯電話もない時代、テレビを部屋に持ってなかったあの頃、晩飯食って風呂は入った後の夜は、ラジオと本の時間だった。今よりもっと静かで濃密な時間だったように思う。ラジオもなく、電気も通ってなかった頃にはさらに濃密で深い夜だったんだろうけど、さすがにそこまでいくと夜味が濃すぎて俺には合わないかな。
この本の主人公2人が織り成す物語には大きなドラマなんかはない、なのにとても濃密な時間を過ごしているんだろうなぁ、羨ましい限り。他愛もないけど毒がない話と静かな声を聞かせてくれるDJ、それを聴きつつ日曜日の新聞を読んだりこだわりの百科事典を編み続けるヘンコな男。2人の距離が近づいていく過程の時間経過が実にゆっくりしていて良い。合コンや出会い系や婚カツやそんなガチャではこういうの無理だろうな。リア充ってのは何も直接会える恋人がいる状態だけをさしているのではないんだなぁと。
少しずつでも携帯やPCから離れる時間を拡げて行きたいと思った。一番思ったのはそこ。それと自転車のシーン、俺はクイーンが脳裏に響いたが・・・やっぱ、ガチャやな俺は。
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「小さな男*静かな声」吉田篤弘◆慎ましやかに生きる「小さな男」と、「静かな声」を持つ女。高級な食事では大きな白いお皿に料理がちょこんと上品に載っているイメージがあるのですが、本作はまさにそんな感じ。登場人物間の距離が近すぎず、とん とん と空いている。ロンリーなくらいで丁度良い。
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ちいさな男のはなしとラジオパーソナリティの静かな声のひとのはなしを交互に。彼らを結ぶ存在。
寝る前にちょっとずつ読みすすめるとちょうどよさそうなはなし。
C0093
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時間との戦いという言葉、そこに突っ込んでいくところ面白いなと思った。
「言い訳と理屈はほとんど同じもので、いずれにせよ潔くないものであることに変わりはない。」覚えておきたいと思った一文。
ほうほう、と思ってしまうところがたくさんあった。最初の方はなかなか読み進まなかったが中盤からは面白いな〜って思いながら読んだり、フフッて笑って読み返したり。
気難しい友達?こめんどくさい友達?でもできたかのような気持ちで読んだ。小さな男も静かな声もミヤトウさんもだいぶ好き。
終わってしまって寂しい気持ちが大きいので、また吉田先生の本を探してみようと思う。
小さな男の話の方がワクワクしてしまう自分がいた。そして2つが少しずつ交わる感じがたまらなくよかった。
☆2つと思いながらはじまり、3つだなと思っていたけど、読後感が良すぎて4にしてしまった。また読みたいというか、またこの世界に入りたい。