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直木賞受賞作品
日本中を歩き
主人公独特の方法で
亡くなった人を悼む
と言う話しです。
いいのか、悪いのか、それは人それぞれの感じ方だと思います
そのおかげで不快に思う人も
そのおかげで救われる人も
色んな人がいるにもかかわらず
多分、その主人公静人と家族が一番つらいんじゃないかと思う。
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悼む人は「誰を愛し、誰に愛され、どんなことをして感謝されたか。」という三点を聞きながら、日本中の亡くなった人々を悼んでいく。
その三点において他者を悼む、ということは、生きているものにとって、その三点がどんなに大事な行為、感情であるのか、改めて思い知ることになる。
大きなことでなくても、
自分は、誰を愛し、誰に愛され、どんなことをして感謝されたか?
そんな日々を送っているのだろうかと、否、、と
でもそうありたい、と自問する、読後感。
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前々からこの作家の小説を読んでみたい、と思いつつ表紙の写真が嫌で個人的に敬遠していましたが、久々に「読んでよかった!」と思える小説でした。
内容は確かに重く、鬱になってしまうかもしれませんが、文章がとても平易で、丁寧に書かれているのでとても読みやすかったです。
何より作者の執筆に対する真摯な態度に大変驚きました。
この小説を読んでから、今まで何気なく通り過ぎてた新聞の死亡記事に目がいってしまいます…。
私も、誰か一人でも良いから感謝されるような人生を過ごしたいと思いました。
目指せ、本屋大賞!!
(↑補足:直木賞とったよ)
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主張は2点
・『死んでも誰かの心にいる限りその人は生きてる。そしてすっと影響を与え続ける』
・『どんな人でも誰かを愛したり、愛されたり、何かの役に立ったことがある。印象とか一元的な見方で人を見るのは損』
現在世の中で誰かの死が伝えられるとき、その多くは加害者の残忍さやパーソナリティー分析に終始する。
本当に伝えるべきはそこか。また残忍な犯行を行う人にも報道されていない背景や積み重ねがあり、一元的に見てはいけないんじゃないか。
このように、現在のマスメディアの在り方を示すことから、現代社会に生きる人の、人間認知の在り方に対して疑問符を投げ抱える作品。
どんな人も。愛され、愛し、誰かに影響を与えている。
その方法がわからなかったり、ちょっと歯車が狂っただけの人もいる。
もっと人を大事に見ていこうって思った。
人が生きるのって誰かの心の中なんだな。
「この世界では、人の多少なりと軽重の差をつけるのは暗黙の了解だろう」
「あなたは今なお、この女性の中に生きる力を持っていらっしゃるんです」
「思い込みでもよいと思っているんです。大切なのは亡くなった人を自分の中にどう刻んでいくか」
「ある人物の行動をあれこれ評価するより、その人の出会いでわたしはなにを得たか、何が残ったか、ということが大事」
「彼の行為が偽善で無意味だとしても、彼なりに自分のしたいことをしている」
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まずよく引用する森博嗣「すべてがFになる」から。「死を恐れている人はいません。死にいたる生を恐れているのよ。苦しまないで死ねるなら、誰も死を恐れないでしょう?」
このセリフは結構好きなのだが、「苦しまないで死ねるなら、誰も死を恐れない」とは限らない。たとえば、愛する子ども達が自分の死後に遺産相続争いするのではないかと思っている金持ちの爺さんもいるかもしれないし、重い障害を持つ子の親は「私が死んだら誰がこの子の面倒を見るのだろう」と思うかもしれないし。
そして、「自分が死んだら、私が生きていたことを誰も覚えていなくなってしまう」ということを恐れている人も、いるかもしれない。
「愛の反対は憎しみではなく無関心」だという。
死者に対する無関心は、その生前に対する無関心にほかならず、要するに誰からも忘れられていく死者は、生前に誰からも関心を寄せられていなかった人間だ。そんな死者にとっては、「悼む人」が存在してくれるということは、本当に心強く、ありがたいことかもしれない。
しかし、本当はそうなる前に、誰からも愛されなくなる前に、自分の人生を自分で変えなければならないのだ。(と、ここまで書いたところでイーグルスを思い出した。ならず者よ、誰かから愛されるようになった方がいい、手遅れになる前に。)またそうした孤独な人を生み出す環境を作ってはいけないのだ。そうして、「悼む人」などこの世に必要なくなるようにならなければならないのだ。
最初は、「悼む人」坂築静人の母・巡子が末期ガンで、彼女が徐々に死に向かっていくのが辛かったが、読み終わった後には、死に対する恐怖感が少し和らぐような気がした。
本作は直木賞を受賞したが、個人的にはむしろ直木賞の方が恥じて逃げ出してもいいくらい、素晴らしい作品だったと思う。
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小説で泣いたのは久々で、さすが直木賞受賞作……と久々に思えた作品でした。
きっと、すごく綿密に設定とか取材とかされたのだろうな、と感じさせる深みある描写に展開。
そして筆力にメッセージ性の強さ。
何をとっても素晴らしい大作だと思います。
良い作品に出会えました。
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どんな死に方をしようと、その死に優劣はない。
故人に関係する人は悲しむし、事故や事件で命が奪われた場合は、加害者側にも故人に対する様々な思いがあるだろう。
でも<悼む人>である静人は、故人と縁のない赤の他人である。
その彼がいったい何を想い故人を悼むのか。
どうしても偽善という言葉が浮かぶ。
その場に居合わせた人達の気持ちが乱れたり、余計なお世話だ、ひとりよがりの行為だと感じるのも無理はない。
途中までそう感じながら読んだ。
私のとまどいは、作中の<悼む人>に接した人達のとまどいだし、偶然静人と出会い彼の旅に加わった倖世のとまどいでもある。
でも、静人が成長する中で立ち会った”死”や彼を旅に駆り立てたきっかけ、静人の父や母が関わってきた”死”。
いろんな背景が分かり、また彼の悼みに対する真摯な姿勢に触れ続けると、倖世同様、私の心も変化してきた。
どう死んだかではなく、どう生きてきたか。
否定ではなく、肯定。
どの人の人生にも必ず愛し、愛された瞬間があるはず。
青臭いと思うけど、でも、私はそう信じたい。
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直木賞受賞作。天童荒太は昔読んだ『永遠の仔』も重い内容だった記憶があるのみ。
この作品では、全国の亡くなった人の悼みを行う青年を追っている。ジャーナリスト、青年の母、随行者の三人の視点で彼を描いた物語。
悼みという行為への意見はノーコメントとして、静人の母である巡子の強さが眩しくって、一番印象に残った。癌に冒されながらも、周囲の人を思って行動できる強さ。彼女のような母親になれたらいいのに。蒔野の話も結構印象には残るのだけど、何よりも私は巡子の強さに惹かれた。
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ハードです。久々に「眉間にしわを寄せて」読む作品に出会いました。でも、難解ではありません。誰にも平等に訪れる「死」や「死に方」について深く考えさせられました。普段は考えたくもないことなんですが。
ただ、主人公である「悼む人」よりも、その母親の描写の方により凄味があって、タイトル的には「悼まれる人」だよな?とか思いました。
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『悼む』こと、死を目の当たりにすること、あがくこと、生きること、生まれること。
3人の視点で展開していくので、様々な生き様をみることになった。『悼む』という行為が理解できない前半、そして、その行為を認めつつもなにか上手くは伝えられない後半。この本の良さも『悼む』という行為と同じように、どこがどう心にひっかかるのかということを、言葉にするのは難しかった。
記憶の中に留めることで、1人をひとりとして永遠にすることができるような気もするし、結局は淋しいのだという気もする。忘却が生きる術ならそれも肯定できる。自分に残るのはなんなのか、虚しさと温かさが同居する。
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すごいいい本。
主人公の「悼む人」は、その行為だけ見れば聖人っぽく見えるけど、実は迷いがあり、心がとてもセンシティブで、普通に会社員してたのにやめて・・・。
物語の途中からは、女性との関係も出てくるので、ああ、やっぱり男の人なんだ、と人間くささを感じます。
個人的には、主人公のお母さんのエピソードが好きです。
ぐっと心をわしづかみにされます。涙が出そうになりました、最後のほう。
悼む人、っていう主人公を3人の立場の違う登場人物が目撃、あるいはともに過ごし、彼らの視点で悼む人が描かれる。悼む人自身が物語の主体となるわけではなく、
悼む人に触れてその3人の心情が揺れ動くさまを描いていて、読んでいて面白いです。
ただ、、、映画化は難しいかもです。この悼む人をどの俳優がやるのか・・・・、むずかしいですね。
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故人を哀れむのではなく「誰に愛され誰を愛し感謝する」を見つけ出し悼む静人。
旅を苦しみながら続けていくことが彼の生い立ちからも良く分かり
かかわった人々、そして静人自身に希望という小さな光を与えるようでした。
とても考え深い心の奥に残る1冊でした。
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直木賞受賞作。
暗い中に一筋のかすかな光が差すような、そんな物語。
人は、だれでも最後は死ぬ。
死んだ人は、その時、残された人に何を望むのだろう。
「忘れないで」
と、思うんだろうな。
私は誰を愛し、誰に愛され、誰に感謝されているのか。。。。
最後に母は息子に会えたのかしら・・・
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報道された死者の死を悼む静人。世間では不審者か宗教がらみかと誤解されるが、そうせざるを得ない何かに突き動かされて旅を続ける。彼が心に刻むことはシンプルな3つのこと。静人の行動に絡んで影響を受ける新聞記者や共に行動する女性などよりも、母親の気持ちが一番心に響いた。
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全国を放浪し、死者を悼む旅を続ける坂築静人。彼を巡り、夫を殺した女、 人間不信の雑誌記者、末期癌の母らのドラマが繰り広げられる
聖者なのか、偽善者か?「悼む人」は誰ですか。七年の歳月を費やした著者の最高到達点!善と悪、生と死が交錯する至高の愛の物語。