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深川を舞台にした6つの物語は、古くからこの町に暮らす人と、新しく移り住んだ人とが登場しながら、橋や古い建築物も交えて、人間模様が描かれている。橋を渡ることで川を越えるのは、なんとなく気持ちに一区切りがつく気がします。
それぞれのストーリーが趣深いのですが、私は「まつぼっくり橋」がとても気に入っています。新居を探すカップルの話で、男性のほうはマンション設計の仕事をしている。同行する友人は不動産会社に勤めており、二人は建築を学んだ同級生。不満を抱えながら今の仕事をしている二人が、この新居探しを通して本当にやりたいことをやる気持ちになっていくところがいい。カップルの女性のほうも、勝手な彼氏に不安になりながらも、最終的には背中を押してあげるところが良い。
そんな気持ちにさせる町、深川に住んでみたいとおもいました。
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深川の地域の、橋をめぐるお話。主人公は子どもだったり、おじいさんだったり、様々だ。けど、どこかあたたかい下町の雰囲気をどのストーリーも含んでいる。人情とかそういうの?深川あたりの地域に詳しい人だったらもっと楽しんで読めるのかもしれない。でもほんわかとあったかく、優しい気分になった。
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初見の作家さんだと思ったけど・・
【半分の月がのぼる空】の原作者さんなのね(=^x^=)
*同映画は素敵だった( ̄^ ̄)ゞ
で本作(´・Д・)」
はい。素敵でした♪(*^^)o∀*∀o(^^*)♪
江戸の街の交通網は、運河でした。
運河には橋がかかってる訳で・・。
深川を中心とした、六つのショートストーリー・・。
素晴らしいです(=´∀`)人(´∀`=)
オススメです*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・*
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「橋をめぐる」というタイトルと表紙の絵に惹かれ、
また著者の「紡」という字が気になって、読んでみることに。
深川に住む人とその周りを流れる川にかかる橋を舞台にした6つの短編集。
長く住まう地元の人と新しく住人になった人の間に起こる小さないざこざ。
昔気質の祖父と、世田谷に住む孫の交流。
下町に育ったことをや自分の両親を否定し、あちら側の人間に憧れと妬みがないまぜになったような感情を持つ優秀な高校生。
下町と東京西部に対する書き方がステレオタイプに感じられ、
自分が下町育ちだったら、荒っぽさやあか抜けなさなどの人物造形が若干気に障ったのではないかなと思う。
愛情からの表現だったとしても。
3つ目の進学校の秀才高校生と幼なじみの不良高校生の話は、
「スタンドバイミー」の2人の男の子を思い出させた。
中学までは乱暴者で手の付けられたなかった不良くんが、
工業高校で物理に興味を持ち、先生にも助けられて得意になったことを話し、秀才くんの出した難しい問題を解いてしまうシーンは
ほろりとする。
不良くんの素顔を知るただ一人の友人、秀才くん。
本文に詳しく登場するわけではないが、
不良くんに物理を教えた先生。
不良くんを認め、大切に思う人がいてよかった。
不良くんを教え導く大人がいてよかった。
本当はまっとうに生きていきたいと願っていることが現実になるといいなと思いながら、話は終わる。
悲しい結末でなくてよかった。
川によって隔てられた向こう側の街は近いようでいて、
子どもにはずいぶん遠い。
大人になっても、心理的に隔たりがあるものか。
大きな川の存在感を思う。
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ふわふわとした柔らかな描写がとても読んでいて気持ちいい。
一番のおすすめはやはり永代橋。楽しみは最後、ということでじっくり最初から読み進めていって、最後のお楽しみにとっておくのがいいかなと。
深川周辺の橋がテーマ、ということでこれを読むにあたって先に現地をちょっとフラっと散歩してみたんだけど、あんまり意味がなかったのでそれはそれで。
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タイトルどおり、六つの橋を巡る物語。
橋に思いがあったり、橋で思いを巡らせたり・・・
橋の役割は六つの物語それぞれだ。
六つの物語すべてに橋の名前がついているので
連作かと思っていたら違っていた。
けれどそれぞれで楽しめた。
日常のなかで懸命に動いている人々の気持ちが静かに綴られている。
最後の「永代橋」が特によかった。
エンジ(祖父)が階段から落ちたことの真実。
そのときの千恵(孫)とのやりとり。
なんと粋なことか。
”そんなことをするようにはみえませんでしたよ、エンジさん。”
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これTwitterで作家辞めますみたいなポストしてて話題になってたから読んでみたんだっけな。結構じわっと来るいい短篇集だった記憶。もっと他にも読んでみようかな。結局作家辞めたのかな?
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こちら から あちら へ
昨日 から 明日 へ
哀しみ から 嬉しさ へ
橋 は つなぐものとして
確かに ありますね
橋本さんが綴る
その しみじみ感が とても 良いです
こんな感じを 「あはれ」というのでしょう
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作品群だけど、それぞれの話に相関関係はない。
必ず橋が出てくるけど、なんで出てくるのか必然性は感じない。別に横断歩道でも踏切でもなんでもいい気がする。
サブタイトルから深読みすれば、町を流れる川にかかった橋を渡る人々とか人生論的に読み解くこともできるかもしれないのだが、ちょっと強引ではないかなあ。
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高校生のときの県の模擬テストでこの中の橋本紡さんのお話が引用されていたことから手に取った本。どのお話にも橋が出てくるこの短編集は、どのお話も優しい登場人物たちばかりで、終始癒されっぱなしで心地の良い気持ちで読み終えることができた覚えがある。優しい気持ちになりたい、何だか心が疲れてしまったと感じている方は是非読んでもらいたい。
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久しぶりの橋本紡さん。橋を題材にした物語集は、藤沢周平さんなどにもいいのがあったと思いますが、これも渋みのある佳作でした。
大きなことが起きるのではありませんが、人生の晩夏から秋を生きる人々の心の内側を丁寧に描いていて良かったです。
どの人物も生活感がある感じで書かれていて、ああこんなことってあるなあ、と感じます。
深川散歩に行きたくなるよりは、立ち入るのを遠慮してしまいそうな気になるお話でしたが、それはこのお話の空気に必要なことだったのかもしれません。
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最後のエンジの粋な計らいにぐっときた
あのとき、一番千恵ちゃんのコトの気持ちをわかってたのはエンジだったね
どの話も良かった
優等生とワルの友情も、新居探しをするカップルの話も
橋をめぐる物語
今回もどれも良かった
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どこにでもいる人たちのどこにでもある普通の暮らし。それぞれが悩みや迷いを抱えている。少し暗いところもあったしそれが全部解決したわけではないけれど、この先は明るいこともあるのかなと思える話が多かったのがよかった。大富橋に出てきた陸と嘉人が二人とも素晴らしい場所にたどり着けるといい。
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とても穏やかな雰囲気に浸ることができる。失ってしまったものも、いつまでも失われないものも、それと意識することはないかもしれないけれど人の礎としてしっかりと存在感を残してる。
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水の都、深川の橋を舞台にした6つのお話。どれもほんのり希望が見える終わり方だけど、もうちょっと結末まで書いて欲しいな、とすっきりしない感が個人的にあったかな。
以下、良いなと思ったフレーズ。
氷屋が使うのは純水だよ。ただ、飲んでうまい水ってのは、他にもいろいろ入っていた方がいいんだ。人生みたいなもんだよ。真面目ばっかりなんてつまらねぇだろう。女やら、ギャンブルやら、いろいろあるわけさ。