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広告会社に勤めるOL、友香。父と和解はできるのか『清洲橋』、銀座でならしたバーテンダー、耕平。深川で自分の店を持つが『亥之堀橋』、進学校の秀才と不良少年の再会『大富橋』、バツイチの佳子は英会話教室の生徒との逢瀬をやめられない『八幡橋』、新居探しで足を棒にする美穂と哲也のカップル『まつぼっくり橋』、世田谷から来た千恵と、祖父エンジとの交流の物語『永代橋』。水の都・深川を舞台に描く六つの人生(「BOOK」データベースより)
タイトルそのままの通り、橋をめぐる小さな6つの物語。
私は橋の近くで暮らした事がないのですが、ここに描かれた様々な想いについては結構共感できるものが多かったです。
印象に残ったのは「八幡橋」と「永代橋」かな。
「八幡橋」はラストの一行を読んだときに、自分でも驚くほどに動揺してしまいました。しばらく次のお話を読むことができなかった位・・・。
こういった、胸にストレートに突き刺さる言葉を書くことができるのが橋本さんのすごいところだな。
「永代橋」は粋なじぃちゃん・エンジが好みでした。
深川のじいちゃんって、なんでみんなこんな格好いいんだろう?
「まつぼっくり橋」もほのぼの。
ものすごく盛り上がる話じゃないし、淡々と描かれたお話ばかりなのですが、橋本さんのまなざしの温かさが垣間見えるような良質の作品ばかりでした。
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父に反発していた友香が結婚を前に実家を訪ねる「清洲橋」
銀座でバーテンをしていた耕平が町内会を取り持つ「亥之堀橋」
大学受験を目前にクラスメイトが死に旧友に会いに行く「大富橋」
離婚した夫に子どもを預けて自宅で逢引をする「八幡橋」
建築を学んだ将来の夫と新居探しをする「まつぼっくり橋」
両親が不仲で夏休み中祖父の家に預けられる「永代橋」
深川の周りの橋をテーマとした短編集全6編。
装画:引地渉 装丁:大久保明子 写真:榎本麻美
新しい人々と昔からの人々が混ざり合う土地なので
現代なのに少し懐かしい雰囲気です。
「まつぼっくり橋」の生き生きとした建築仲間が素敵でした。
「永代橋」のエンジの生き様も格好いい。
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橋本紡さん2冊目。
(「もうすぐ」=ワタシにはツライ内容の本だった・・・)
こういう短編集、1つは好みの作品があるので嬉しい(笑。
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深川が舞台。
橋の名前が題名になった短編集。
連作ではありませんので、
どの作品から読んでもOK。
主人公が女性だからか
「清洲橋」と「永代橋」が良かったです。
どれもハートウォーミングなお話。
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橋というか、下町深川をキーにした連作短編。
家族、友達、つながり、仕事、結婚、、、
ありふれた日常の中で、それぞれが見つけていく、というか。
ほんわかします。
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橋本紡作品はやっぱりやさしいですね〜。ラノベ出身ですが、ずっと続いてゆく「日常」に焦点を当てた路線を、最近はずっと進んでいますね。「橋」というのはやっぱり面白いモチーフですよね。「あちら」側と「こちら」側を繋ぐものだし、その姿や歴史、名前なんかも面白いし。この作品にはそういった側面にはあまり触れられておらず、あくまでその街に住む「人々」に物語の軸を置いているところにも、橋本さんのこだわりというか姿勢があらわれているのかもしれません。
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佳い作品でした。
「最大のファンタジーとは日常である。」ですか。
なるほど、確かにそうかもしれない。
ファンタジーかどうかは別として、何とは知れぬ人々の日常をすくい取るということは、小説の一つの本態であろうねぇ。
他の作品も読んでみましょうか。
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本当に、ただそこにある日常が描かれてるだけなんだけど、
ちゃんと文章にまとまって、話が成り立ってるからすごい。
個人的には最後のエンジの話が好き。
泣けました。
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引き返そうか、
進もうか。人生は橋を渡ることに似ている。
深川を舞台にした六つの物語。
清州橋・亥之堀橋・大富橋・八幡橋・まつぼっくり橋・永代橋
六の橋と六つの人生。
進学校の秀才と不良少年の再会の物語である、大富橋が一番気に入りました。
でこぼこな二人だけど、偏差値よりも大切なもの教えてくれました。
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初めて読んだ作家さんだけど読みやすくておもしろかった。
一番すきなのはおじいちゃんちで過ごす孫の話。
子どもは意外と大人の考えてることを空気で察するよねって思いながら読んでました。
ほんとは『流れ星が消えないうちに』を読みたかったので、今度こそ借りてこようと思います。
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東京の隅田川を越えた一帯、いくつもの運河に囲まれた本所・深川から木場にかけてのエリアが舞台。多くの橋で街と街とがつながっている場所だ。
そのあたりを生活圏とする人々に焦点を当て、最寄りの橋の名をタイトルに、いくつもの人間ドラマが描き出される。人情味あふれる下町の心意気や相手の心をおもんばかった人々のやり取りなど、忘れられそうな人の優しさが感じられる物語の数々だ。
各作品のテーマはそれぞれだが、このエリアをつなぐ「橋」に、人々の心をつなぐ「かけ橋」を投影させた手法が古くて新しい。
幼馴染の秀才と悪ガキの友情を描いた「大富橋」が秀逸。
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深川辺りの6つの橋の人情あふれる短編集。
東京下町っ子の私は、小さいときの風景を久しぶりに思い出しました。そして、子供の頃をいい時代に過ごしたと思いました。
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個人的には好きな部類。
特に激しさもなく、でも飽きの来ない深川周囲の川と橋をめぐる短編集。
清洲橋、まつぼっくり橋、永代橋の3つはすとんと落ちてくる感じが良かった。
こういう感じの作家なのかー。
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橋の向こうとこっちで違う世界、憧れだったり恐れだったりいろんな気持ちをもって生きてる人たちの話。話ごとに人の繋がりとかはなかったけどいろいろ考えて読めた。
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短編はあまり好きではないけれど、この小説は良かった。うまく物語を切り出していると思う。もどかしさと懐かしさ、優しさなどが入り混じった感情が読んでいて心地よかった。