Ｑ＆Ａそれ、労働法違反です！ みんなのレビュー

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投稿者：星の砂　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

　不況の荒波は、労働者に容赦なく襲いかかる。派遣社員や契約社員の“切り捨て”、さらには正社員までもがリストラの標的にされている。そのようなニュースを耳にするたびに不安に駆られる。もし、私の主人が勤めている会社から、解雇されたり、賃金カットされたりすることがあったら、我が家の生活はどうなるのだろう？　

　【第1章　＜　賃金　＞　でよくある違法行為：Ｑ＆Ａ27】、【＜　賞与・退職金　＞　でよくある違法行為：8】、【第3章　＜　労働時間・休憩・休日　＞　でよくある違法行為：15】、【第4章　＜　年次有給休暇　＞　でよくある違法行為：15】、【第5章　＜　配置転換　＞　でよくある違法行為：6】、【第6章　＜　懲戒処分　＞　でよくある違法行為：7】、【第7章　＜　女性の雇用管理　＞　でよくある違法行為：25】、【第8章　＜　解雇　＞　でよくある違法行為：29】、【第9章　＜　退職　＞　でよくある違法行為：11】、【第10章　＜　その他　＞　よくある違法行為：12】、【第11章　労働法違反があった場合にどうするのか：6】。本書は全て、Ｑ＆Ａ（161）方式なので、気になるところを拾い読みすればいいから、「自分自身の労働法上の権利と会社の義務」を、「手っ取り早く知る」には、うってつけだと思う。
　正社員だけじゃなく、かたちだけの請負契約、委任契約にされている人、パートタイマー、アルバイトは、みんな「労働者」であり、労働法上、様々な権利を有し保護されていることを教えてくれる。著者は、「労働者側が労働法の知識を得ることで、一時的に労使の紛争が増えてしまうかもしれません。ただ労働紛争が増えれば、会社は積極的に労働法を遵守する方向へ動き、将来的に雇用環境が良くなっていくと信じています」と結んでいる。企業側がどこまで罰則について、熟知しているのだろう？　著者は労働者だけじゃなく企業側にも読んでもらえることを願っている。
　主人の会社には、有給休暇がない。無いのはおかしいんじゃないかしら？　とずっと疑問に思っていたが、労働基準法では条件を満たしているし、取得可能なようだ。そこで、会社に請求するように、主人に伝えたが、興味ない様子。著者も、「自身の権利についてあまり興味を持ってこなかったことが原因の一つ」というように、最初から、無理、と諦めている主人のような労働者は、沢山いるのだろうな。

　会社に労働法違反を許しているのは、労働者が保身のために黙っていることが原因の一つなのだとしたら、会社を駄目にしているのは、労働者なのか？　と思わずにはいられない。私自身、パートタイマーの“労働者”であるが、主人とは別の会社だから有給もあり、こちらは、今のところ、不満はない。働くことに誇りを持ち、不況の荒波を乗り越えていきたい。