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古本と少女 沼 噂の武士 チーコ 初茸がり 李さん一家 蟹 峠の犬あたりはおぼえてる。古本と蟹が好き。暗いけど薄暗い程度のつげさんが好き。絵柄も好き。
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年末にどうしても欲しくて神保町でも探して、結局Amazonで購入。
割高だったがそれに見合う読後感があった。
漫画とは斯くあるべき。
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裏表紙より。
マンガの歴史を変えた、つげ義春と『ガロ』の結節点!
後続の作家に大きな影響を与えた「沼」「李さん一家」など十八点を収録。
【収録作品】古本と少女/不思議な手紙/手錠/蟻地獄/女忍/噂の武士/西瓜酒/運命/不思議な絵/沼/チーコ/初茸がり/通夜/山椒魚/李さん一家/蟹/峠の犬/海辺の叙景
解説 夏目房之介
解題 高野慎三
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収録の作品がバラバラすぎて評価は難しい。どれもそれなりに読ませるが、日常の不条理を描いたような作風が好きなので、本書はやや物足りない。
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第3回 李さん一家/海辺の叙景(4作を除き「ガロ」掲載。)
・古本と少女 1960、1966 あの本は当然きみのところへ行くべきなのでね。
・不思議な手紙 1959、1966 貴方に対しては罪を感じ、沼田には感じない……この矛盾した気持を貴方はどう解くでしょう……
・手錠 1966 だれかはやく来い。おれの足がくさりかけている。
・蟻地獄 1960、1967 ただ自分が最後まで冷静でいられることを証明したいのです。
(↓以下5作時代もの。つげとしては意外と白戸三平作風に寄せているのか。)
・女忍 1961、1966 くく……あじなことを……でかした……。
・噂の武士 1965 私は思った。彼が武蔵のニセ者であっても、彼自身は本物であると……。
・西瓜酒 1965 西瓜酒瓜酒を作って大売出しをやるのさ。
・運命 1965 あの一太刀は致命傷だったろう……おぬし子供までできたのか……。
・不思議な絵 1966 イタズラの偶然か……そうなると出さんわけにはいかんな。どれ一パイ。
(↓この辺からまさにつげ+ガロのマリアージュという感じ。)
・沼 1966 そのようにどなったれば、耳がせつないです、つらいです。
・チーコ 1966 嘴がまっ白になっていく。
・初茸がり 1966 どうしてこんなに大きな時計があるんだろう?
・通夜 1967 それにしても強情な死体だったよな。
・山椒魚 1967 明日はどんなものが流れてくるものか、それを思うと俺は愉しくてしようがないんだ。
(↓李さん2作と、無用者や蒸発の路線。)
・李さん一家 1967 ぼくの優雅な生活におし入って来たこの奇妙な一家がそれからどこへ行ったかというと、実はまだ二階にいるのです。
・蟹 1970 そして一瞬、蟹があのハサミでラーメンのクズをチョキチョキきざんで食べているようなそんなバカバカしい想像をしてしまった。
・峠の犬 1967 五郎と呼ばれ、ハチと呼ばれ、なんとも思ってはいないのだろうか。私はゆっくりゆっくり峠をおりた。
・海辺の叙景 1967 あなたすてきよ。いい感じよ。
(解題・高野慎三 解説・風景にたたずむ「つげ義春」 夏目房之介)
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従来の物語性の強い作品から解放された、著者が1965~67年「ガロ」で発表した「沼」「李さん一家」「海辺の叙景」「チーコ」などの名作と、初期の貸本時代の作品数作が読める。ガロ時代の著作は、クラシック音楽で喩えれば、メロディを鼻歌で説明しようと思えば何とかできなくもないモーツァルトやベートーヴェンの作品ではなく、ドビュッシーの作品のように実際に聴いてもらう以外に説明のしようがない作品といえばいいのか、私小説風で何とも言えない深い印象と余韻を味わえる作品たちだ。物語性の強くないいわゆる純文学的な小説では、その作品の中で忘れられない印象を受ける「決定的な情景」が出てきて、その情景とはその作中の人物が出くわした「場面」だったり、あるいは「体験」と置き換えてもいいのだが、それらの断片が起承転結的な物語を差し置いてその作品を説明している、その情景や場面こそがその作品の肝である、ということを感じることが多いのだが、前述の作品たちも同様で、描かれた空の陰影や人物が配置された風景そのものがその作品の肝やオチになっていて、それが深い印象と余韻となって伝わってくるという感じがする。