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フリーダ・カーロ 痛みこそ、わが真実 みんなのレビュー

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みんなのレビュー4件

みんなの評価3.8

評価内訳

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4 件中 1 件~ 4 件を表示

紙の本

―痛みを克服するのではなく、痛みとともに生き続けたフリ-ダ・カーロ―

2009/09/09 07:41

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:レム - この投稿者のレビュー一覧を見る

  フリーダ・カーロの絵を観ると、旺盛な創作意欲を感じると同時に、補っても補っても補いきれない彼女の喪失感が伝わってくる。 そしてその喪失感には、鬼気迫るものがある。
    
  著者は、ドイツ系移民の子として生まれたフリーダの数奇な運命を淡々と書き進める。 よく知られていることだが、フリーダは18歳の時にバスに乗っていて大事故に巻き込まれた。 背骨だけでも3箇所骨折し、さらにはバスの金属の手すりが膣を貫通する重症を負う。 しかし貫かれたのはフリーダの肉体だけではなかった。 やがて共産主義革命という時代の流れにフリーダの運命も貫かれていくのだ。 この大怪我からは奇跡的に生還するものの、フリーダは生涯ベッドで寝起きする生活となり、これが彼女の精神構造と芸術世界を大きく形作ることとなる。
   
  これまで出版された画集や伝記の中のフリーダ・カーロは、画業の影で「悩むフリーダ」の紹介だった。 絵画の師でもあったディエゴとの結婚と離婚、そして再婚・・・、ディエゴの不倫と放蕩癖・・・。 そのフリーダ自身も周囲に現れる芸術家や政治家達との関係を重ねていく。 たいていの伝記の終わりは、葬儀の時に写されたフリーダの亡骸の写真で幕となることが多かったように思う。
    
  だが、本書には悩みつつも「強く生きるフリーダ」が描かれている。 時折、妹や知人に宛てた書簡がいくつも紹介される。 これはフリーダの抑えきれない心情の発露であり、手紙の文字がフリーダの生きた言葉を今でも伝え続けている。 革命活動家としてのフリーダは、死相すら浮かべながらも、政治的信条を訴えて果敢に拳を振り上げている。 それは死のほんの数週間前、1954年7月の写真だ。 
   
  本書の終わり近くに、ディエゴがベッドに横たわるフリーダのあごを心持ち持ち上げ唇を寄せている写真がある。 初婚の時、象と鳩の結婚と言われた二人だったが、フリーダの右手はその大きなディエゴの体に回されている。 まるで、運命の嵐に吹き飛ばされないように懸命にしがみついているかのようだ。 ディエゴとの再婚の条件は、「経済的に自立することと性的な関係を持たないこと」だったという。 ディエゴの裏切りも超越したフリーダの愛の形が凝縮したカットだ。 
   
  それは単に47歳で夭折するフリーダの生前の姿ではなく、画家であり革命家であり、そして女性として痛みとともに生きていこうとする生命力に溢れた姿である。

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2010/07/17 22:50

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2012/02/07 15:04

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2013/05/19 18:25

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