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商社マンがキルギスの航空会社にボーイング737をリースするという航空機ファイナンスのお話。
中央アジアの旧共産圏のタフさがよく分かるし、政治や歴史、宗教といった背景がリアルに描かれており、面白かった。
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旧ソ連から独立した貧しい途上国キルギスタンの航空機買収プロジェクト。そのプロジェクトの競争を勝ち抜き、航空機販売契約を取りまとめることが、日本の商社マン、小川に与えられた任務だ。
キルギスタン側にはカネもなければ、約束を守る誠意もない。代表者の考えることは、安く値切って、その一部をポケットに入れることだけ。そんな無責任団体を相手に小川は日本人らしい勤勉さとチームプレイで交渉に挑む。
海外取引における専門用語を多く含むビジネス小説だが、ストーリー展開されるのは主人公小川の行動だけなので、読みやすい。2000年初頭のモーレツ日本商社マンと、無責任な賄賂政治が残る旧共産主義国家体質が対照的だ。
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キルギス共和国での旅客機調達に係る国際ビジネス経済小説。
旧社会主義時代のマインドセットを多分に残すキルギス人役人の我儘や汚職に振り回される商社マンの物語。
キルギスだけでなくトルコやロシアといった国々・地域の歴史や、それに基づく人々の思考や行動形態も鮮やかに描かれており、読んでいて全く飽きなかった。
国際ビジネスに疎くても、黒木亮氏の各国・地域の記述を読んでいるだけでも十分面白いと思う。
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バルジブラケットに次ぐ名作と思う。派手さはないがアンニュイな読後感が大変良い。自分が途上国勤務していたせいか途上国舞台だと感情移入しやすいのかもしれない。
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○Overview
某総合商社モスクワ支店勤務の主人公の視点から、キルギス国営会社マナス航空による航空機リース/購入仲介案件のリアルな描写が綴られた作品。作者が以前総合商社で関わった案件をベースに作られた日記的なフィクション。日誌を読んでいる感じ。
航空機リースビジネスの具体的な案件内容及び取り進め、キルギス・中央アジア及び東欧について、クルド人を巡る歴史など学ぶことができる1冊。
実際商社に勤めていて馴染みのある情報も多く、学生時代に読んだ時よりも場面を具体的に想像・咀嚼できた。案件取り進めの詳細が描かれた内容なので航空機ビジネスの部署にいる人が読んだら更に入り込めて面白いかも。自分が今後航空機事業に関わることになったら勉強として読み返してみようと思う一冊。航空機事業は航空機知識も去ることながらフィナンス・保険等金融関連の知見も求められる事業ビジネスだと学んだ。
それにしても現地駐在をしてソーシングから案件実行・収益化まで自分主体で行うのは達成感がありそう。本社でやる仕事よりも規模感で劣る可能性はあるが、、こうした経験は早ければ早いほど良いはず。
異国の地は自分が実際に行って自分の目で見てこそ価値があると再認識。1度も行ったことのない国の描写を文で読んでもイメージが湧きづらい。実際に行ってみた後に再度読んでみたい。
今回はクルド人がテーマに上がっていたが、人種・宗教は必ず政治・経済イベントの背景にあるはず。これらを学ぶことでニュースの裏を読むことに長けていきたい。
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常識というか何というか、
国内で商売をしていると、
少なからず、共通のベースがあり
それをもとにコミュニケーションが成り立つと思う。
それが通用しない相手との商売
本当大変だな。
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3回目の読了。人様並みに社会人経験を積んだ後、黒木氏の小説を読むとより解析度が上がっていることが実感できる。
人により定義は異なるが、それぞれ孤独を抱えているということが、この小説の根底に流れているメッセージだと理解。
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航空機リースの内容は難しくて理解できない部分はあったけど、キルギスとの商談の大変さ、リアリティさはよく理解できた。また、その国や民族の時代背景の描写、説明も丁寧。ちょっと知識が追いつかないところがあった。
主人公は32歳で同い年。。すごい商談能力だなぁ。。。
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黒木亮2冊目。
個人的に文体は今のところはすごく好きではないかもしれないけど、商社ビジネスマンがどんなふうに働いているのか少しずつわかってきた。
シルクロード、奥深いなと思った。東側の世界についての知識や理解、経験が足りてなさすぎるので、配属にもよるけど勉強していきたいと思った。