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代表作「グレート・ギャッツビー」で知られるフィッツジェラルドの自選短編集。
数多くの短編を書いたものの、中には良質と言い難い作品もあるようだ。
9編の掌編が収められているが、重々しい作品というよりは、読後に爽快感が感じられる作品が多かった。劇中で発生する出来事によって、主人公が成長するという内容がほとんどであった。
しかし、ヘミングウェイもそうだが、狂騒の20年代と呼ばれる1920年代のアメリカの都市が持つ時代感といったら。現代ではいずれの国も持ちえない空気感ではなかろうか。若干の退廃的な雰囲気を感じさせつつも、未来への明るい展望を感じさせる。
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お坊ちゃん のアンソンは、なにか見たことかある人物。
冬の夢 のデクスターの方が可愛い。
でもいずれもまさに若者の物語で、なんともあまっちろい。
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フィッツジェラルド自選の短編集の新訳、光文社古典新訳文庫版。2000年代になってなされた翻訳版のこともあり、言い回しが古く感じることがないのがこの文庫シリーズの好ましいところ(20年後は古臭くなっているのでしょうが)。
「華麗なるギャツビー」の習作とも見れれる小品を含む映像的な描写あふれる9編。若者の脈打つような生き様を描くものから、コメディのようなもの、教訓めいたものなどが連なる。
「華麗なるギャツビー」読後におすすめ。
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再読。以前に読んだのは15年ほど前。
当時、関西の家を引き払い、金沢に引っ越す直前に読んでいた。
詳しいことは忘れたが、冬の夢を気に入ったのを覚えている。
関西に戻って長く時間が経ったいま、再読し、当時のことを思い出した。
青春の甘さと痛みというかんじ。
小川さんはラヒリの翻訳で出会い、気持ちのいい、キリッとした日本語がカッコよくて大好きだった。
今回、ふとまた再読し、改めていい一冊だなあと思った。
あとがきにあるように、フィッツジェラルドは視覚処理の上手い作家なのだろう。
登場するヒロインや若奥さんがわりとどれも似ている。
(野心的な若いアメリカ男も似ている。整髪料の匂いまでする気がする。)
作者はツンツンしてる若い美女がそんなに好きなんか、ほーん、となる。
フィッツジェラルドには特に思い入れがないのですが、たぶん、グレートギャッツビーより私にはこの本が合っていたと思う。
(小川さん訳のグレートギャッツビーは読んでいないけれど)
簡単に以下にメモ。
お坊ちゃん…なかなかシビアな主人公。母親への視線に本音。すっぱい話。
冬の夢…うまい。好き。お坊ちゃんの主人公とちょっと似ている。
子どもパーティ…わちゃわちゃ。目に浮かぶ。
赦免…こういう視点、面白い。好き。
ラッグズ・マーティン以下略…タイトルに驚く。ストーリーはコメディ映画のよう。主人公について、天涯孤独の大金持ち美少女(美女)だが、超一流の金持ちでもない、というフレーズに笑ってしまう。
調停人…これはホラーではないんですか?
温血と冷血…座りのいい話でホッとした。
「常識」…つら。
グレッチェンのひと眠り…どんでん返しで楽しい。
冬の夢の好きな部分を以下に引用する。
p98
冬の夢の初期段階で金持ち階級へのこだわりがあったとしても、この若者が上ばかり見ている俗物だったのではない。きらきら輝く人やものとお近づきになりたいのではなかった。きらきら輝くものが欲しかっただけだ。
舞台は1920年代、今から100年前ということでそこにも単純に驚かされる。
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「若者はみな悲しい」って何なのかと思ってたら、第3短編集のタイトルだった。なるほど。短編たちを見ていくと、やっぱり色んなところに引用されている「金持ちの青年」と「冬の夢」が抜きに出ているように感じ、残りの短編は「えっ、こんな話?」って思ってしまうようなものもなきにしもあらずだった。噂には聞いていたが、ややムラがある作家な感じがする。「冬の夢」のラストはいつ読んでも非常に美しく、胸に突き刺さる。
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フィッツジェラルドの短篇集をはじめて読む。「調停人」のラスト、ムーン医師の台詞「私は、5年の歳月」にしてやられた。