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今回の注目記事は、大屋雄裕氏を迎えての公共性をめぐる座談会。以前に大屋氏の前著『自由とは何か』(ちくま新書)を読んだ時に東浩紀氏の議論との重なりを感じ、いずれこの2人による対談の場が設けられてほしいと考えていただけに、今回そうした場が作られたことは一読者として嬉しい限り。
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一番売れてないらしいがかなり面白い。タグ概念やアーキテクチャなど、他のものに当てはめてみたいと思える言説があった。
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まず、家族や労働などの問題をめぐる言説がステレオタイプとして語られてしまっている中で、問題の本質やその輪郭を正しく捉えようとする各論文の主張には納得させられる。特にヒットしたのが、信田さよ子「それでも、家族は続く――カウンセリングの現場から」、森直人「「総中流の思想」とは何だったのか――「中」意識の原点をさぐる」。前者からはアディクションアプローチという手法や、問題に対して所謂局所的に治療する従来のカウンセリングやそのバックボーンとは違った視野を学び、後者からは社会が人々に抱かせる「中流意識」の深層を細かく実証的に探ったことに驚かされた。
また、第二特集の「胎動するインフラ・コミュニケーション」では次号の特集でもある「アーキテクチャ」への視座を提供されているが、濱野智史「ニコニコ動画の生成力――メタデータが可能にする新たな創造性」、西田亮介「〈社会〉における創造を考える――問題発見・解決の思考と実践」がヒット。それぞれの主体の意思が異なる中であるシステムへアプローチしても、結果としてある一定の目的の達成へと進ませようとするアーキテクチャの働きがクリアに書かれていて、参考になった。
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[ 内容 ]
家族は崩壊したのか?
「労働」と「創造」の新しい関係とは?
世代間対立をどう捉えるか?
「ジェネレーション」をキーワードに現代の諸問題に鋭く切り込む論文を多数収載。
情報社会の新パラダイムに挑む論考も加え、新進気鋭の若手から第一線で活躍する論客まで、さらに充実した内容でお届けする第2弾。
[ 目次 ]
特集 ジェネレーション(家族の現在;労働と創造の新しい関係;世代論をどう捉えるか)
特集 胎動するインフラ・コミュニケーション(座談会 ソシオフィジクスは可能か;「ソシオフィジクス」を知るための10冊;ニコニコ動画の生成力―メタデータが可能にする新たな創造性;“社会”における創造を考える―問題発見・解決の思考と実践;座談会 再帰的公共性と動物的公共性)
特別掲載 「市民性」と批評のゆくえ―“まったく新しい日本文学史” のために
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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インフルエンザで倒れた間に読みました。何というか、ある種、パラレルワールドのような。同時代に存在していても、自分が決して交わることのない世界というのは確かにあるのだなー(^^;)と。日本語で書かれているのにまったく理解不能・・・。上野千鶴子の章は東浩紀が上野千鶴子を批判したのに対しての反論だったのだけど、ここのみ、ある程度理解可能でおもしろかった。上野さんはけんか巧者で気持ちがよいほど。東さんは格上の相手にけんかを売ってしまったのね、という感じ。
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前半しか読んでないので、評価はできないけれど、やはり上野千鶴子さんへのインタビューが面白かった。世代間対立について、考えさせられた。そのほかには、ベーシックインカムの論文と、「KIVA」という海外の人を直接支援するサイトのことを紹介していた論文が面白かった。お金が欲しい人の理由と写真が載っていて、いまどれぐらい集まっているかなどがわかる、実際、お金をどう使ったかなども知らせてくれるらしいし、まあ、うまくいけば戻ってくる。日本円にして8万円で東南アジアの大家族が養豚場を拡大する手助けができると思えば、ちょっと心動かされる。動かさないお金もあるわけだし。まあ、あまり裕福ではないのだけれど。
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東浩紀の思想地図vol.2読了。
やはり哲学は難しい。とはいえカルチャー分野の見識はさすがの一言。
思想地図シリーズ他のも読みたい!
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ニューアカかぶれの成れの果?
というのは読者である僕のことで、東浩紀、北田暁大の両編集委員はこんな時代にあって真正面から「批評」に取り組んでいます。
こういう雑誌は本屋さんでも奥の隅の方にこっそりあったりするから、なかなか見つけにくくなって、文芸書や総合誌もホント売れなくなったというし、でも80年代にこの手の「人間」や「国家」、あるいは「社会」、「歴史」とかを大上段から論じたさまざまな本を訳も分からず読み漁った身としては、本屋さんに行けばそういうコーナーに必ず向かうし、たまに手にして、ぱらぱらめくり、話題の新鋭や懐かしい名前に出会えばそのままレジに向かったりするわけで、本書はバック・ナンバーなんだけけど、読み応えありました。
大テーマは「ジェネレーション」なんだけど、その言葉から派生する領域を縦横に何人もの執筆者が論じ深化させています。すべての物事が一律に平面状に並べられFast化し、果てはジャンクとなる運命しかないような世の中で、少なくとも全体を見据えて、愚直にも自らの地平を築こうとする思想に触れられるのは「贅沢」なんじゃないでしょうか。
むろんそれが錯覚である可能性も大いにあるんだけど、なんとなく分かったつもりで高揚した若い頃から、たとえそれが勘違いであったとしても、ある種の「気づき」を継続させるためにも、古典を含め、この手の雑誌(本)は僕にとって必要不可欠なアイテムであり続けるだろうと思いました。
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上野千鶴子へのインタヴュー「世代間対立という罠」では、上野の『おひとりさまの老後』(文春文庫)に対する東の批判を題材に、北田がインタビューをおこなったものです。東の立場をよく咀嚼しつつ上野に対して切り込んでいく北田の議論と、それに対する上野の明快な回答には、舌を巻くほかなく、おもしろく読みました。
森直人の論文「「総中流の思想」とは何だったのか―「中」意識の原点をさぐる」は、いわゆる格差論に緻密な再検証をおこなったもので、北田による紹介によるとアカデミックな価値の高い論文とされています。そうした側面についての評価はわたくし自身にはまったくできないものの、結論についてはたいへん納得ができるように感じました。
座談会「再帰的公共性と動物的公共性」では、東と北田の立場の相違を軸にしながら、法哲学者の大屋雄裕と小説家の批評家の笠井潔が議論を交わしています。