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絵画作品の収録は少なめですが、ツボは抑えている感じです。
氏を語る上で外せない、包装紙・パッケージ・看板などの広告アート、東郷アートをコンセプトとしたカフェやバーの紹介(現在廃業したお店も含めて)、生前したためられたエッセイ・娘さんの談話など、立体的に東郷氏の芸術世界と、その時代を味わうことが出来ます。
大昔、「フランセ」の包装紙がとても好きで、長らくブックカバーに転用していました。そんな昔を懐かしみながら楽しみました。
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宇野千代を読んだ関係上、東郷青児のことも気になって読んでみた。
そうしたら次は宇野千代の「色ざんげ」も読まなければと思ってしまった。
当時私が大人だったらきっと彼の作った化粧品のパッケージなどを見て、コレクターになっているだろうと思う。
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京都の人間にとって、東郷青児といえば四条河原町の喫茶ソワレ。
創業は昭和初期というから、もう80年以上にわたって、京都の人と街を見つめ続けてきた文化的サロンという趣のある喫茶店ですが、淡くほのかな展望の時がとまっているかのような店内には、夢幻的な青い明りが灯り、虹色のステンドグラス、古色蒼然とした女給(今のメイドですね)のコスチューム、そしてその中に東郷青児の絵が居心地よさそうにピタッと収まっていました。
私は高校生の頃、買ったばかりの『現代詩手帖』や『ユリイカ』などの雑誌や、澁澤龍彦や種村季弘などの本を持って入り、何時間も粘って居座って読んでいたことがありました。
後年、父との何気ない会話の中で聞き及んだところによると、なんと父も70年代前後にこのソワレによく通ったというから驚きました。
もっとも、父はお客として訪れただけでなく、四条河原町界隈は、今でもあるアサクマや、名前も思い出せないミレイユ・マチューがよくかかっていた喫茶店など数軒でアルバイトをしていたそうですし、あの時代、喫茶店は若者が熱く議論をする場所という特別な存在であったという話は聞いたことがあるので、単なる偶然ではないわけです。
ともかく、こうして私と東郷青児のシュールレアリスティックな絵との出会いは起こったのですが、それ以上でもそれ以下でもなく、いわば彼の絵はノスタルジーのなかに永遠に生き続けているということです。
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今でも十二分に通じるだろう、東郷青児の画業及び生涯についての一冊。
竹久夢二とモディリアーニを足して、少女チックさを掛けたかのようなイラストに古さは見られず、追随者が現れなかったことを不思議に思う。
また、あり様に関しても少女の夢のような人だったように描かれている。
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33歳からの作品がやはり良い。トルストイから影響を受けて、大衆に愛される作品を目指した。包装紙もエレガント。