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(2009/7/13読了)基礎年金を税方式にすると、薄給サラリーマンは損するのか・・・!年金改革の提言はなかなかのものでした。
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年金や貧困問題を経済学の立場から研究してきた慶応大学教授の駒村康平氏による新著『大貧困社会』はお薦めだ。高齢者の貧困、子供の貧困に関する現状、所得のセーフティネットの不備や医療のセーフティネットの問題、年金制度の問題を分かりやすく整理してくれている。冷静な筆致の中にも、駒村氏の誠実さや温かさが伝わってくる。様々な具体的な政策提言も含まれていて有益である。
この本のなかで、駒村氏が行った調査で興味深い結果が紹介されている。それは、「大きな政府か、小さな政府か」という質問と「格差拡大か、縮小か」という質問への日本人の回答だ。「大きな政府で、格差縮小」に賛成の人が約20%、「小さな政府で、格差小あるいは格差維持」に賛成の人が約12%、「中規模政府」を望む人が約20%という結果になっている。駒村氏が文句をつけているのは、「小さな政府で格差縮小」を望んでいる約20%の人に対してである。こういう希望は、ないものねだりで、選挙の際のかく乱要因となるというのである。本当にそのとおりだ。私たちは、フリーランチはないことを前提に、社会の制度を設計し、選択する必要がある。
目次
第1章 小泉改革の功罪
第2章 穴だらけの雇用・所得のセーフティネット
第3章 医療セーフティネットの崩壊
第4章 問題だらけの日本の年金制度
第5章 ここまできた日本の貧困問題
第6章 貧困社会への処方箋-崩壊か、存続か、社会保障改革の選択肢
(大竹文雄ブログ:2009/1/24)
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現状分析→提言という、おきまりの構成。雇用・医療・年金(社会保障)の視点から貧困問題にアプローチ。
小さな政府で格差が小さい社会は理想的であり、日本にも一定程度このような考え方を支持する人々がいるが、そもそも両方を同時に目指すことは矛盾しており実現不可能で、実際そのような社会を実現した国は皆無だそうだ。現在のように問題が山積した社会情勢では、むしろ大きな政府による介入が必要で、また同時に、国民も痛みを分かち合うことが必要であると説く。
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ワーキングプア・年金・生活保護などの現状について解説し、それに対する処方箋を論じた本。私的に重要であると感じた点を一部以下に列挙していく。
・ワーキングプア対策のための最低賃金の引き上げに関しては、高付加価値の産業構造へとシフトを促す作用を持つため実行すべき
・世代別に給付バランスのとれた年金制度に改正するには、いまの高齢者の年金を3~4割カットしなければならず、政治的な実現可能性が小さい
・年金の未納に関する誤ったマスコミの報道自体が未納を助長させる
・所得格差の拡大と貧困の拡大は区別すべき概念である
・生活保護と”基礎”年金の額はすでに逆転している
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未来に不安を抱えた日本がこれからどうすべきなのか、現状がどうなっているのか、何が障害となっているのかを一つ一つ分析してくれている。
特に筆者は年金などの社会福祉の専門家なので、とてもわかりやすいうえに細かい問題点についても学べる一冊だ。
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[ 内容 ]
アメリカ発の金融恐慌の影響で、未曾有の世界的大不況になっている。
この影響でバブル経済後に起こった「格差と貧困」が、より一層深刻化することは間違いないだろう。
脆弱な社会保障政策の影響で、今や大貧困国になってしまった日本は、今後どのような道を進むべきなのか?
福祉・社会保障の専門家である著者が、暮らしやすい国・日本にするための処方箋を説く。
[ 目次 ]
第1章 小泉改革の功罪
第2章 穴だらけの雇用・所得のセーフティネット
第3章 医療セーフティネットの崩壊
第4章 問題だらけの日本の年金制度
第5章 ここまできた日本の貧困問題
第6章 貧困社会への処方箋―崩壊か、存続か、社会保障改革の選択肢
[ POP ]
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[ 参考となる書評 ]
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ちょっと読むのが遅すぎた。
時代は2008年頃の小泉改革のあたり。当時読んでいればもう少し違った感想を持ったのかもしれないが、概して当時の経済政策を批判するスタンスで、その解決策の提示が薄い印象が拭いきれない。
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現在日本が直面している様々な問題、非正規労働者やワーキングプアの問題や年金、医療、介護を中心とした社会保障についてそれぞれ現状・問題点が詳細に記されている。初めて見るデータ等もありとても勉強になった。
筆者は欧米の先進諸国のデータを用いながら小さい政府でありながら、格差や貧困問題を解消することは困難であると分析する。
また、経済停滞が続き、少子高齢化が加速する中、世代間で負担の分担が必要だと説く。論を進める中で、安易に世代間対立を煽るのではなく、政治的な背景にも考えを巡らせながら現実的な解決策を導き出そうとする筆者の姿勢にとても好感が持てた。
特に年金制度について勉強になった。
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論旨が不明。
文句言うだけなら、飲み屋のおやじと一緒。
これで厚生労働省の審議会委員だなんてガッカリ。
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国民皆保険の破綻、もはやどうしようもない年金制度、そしてワーキングプアーなど。格差社会の現状、そして問題が克明に洗い出される。読み進むほどに危機感は募る。大貧困社会脱却のための処方箋を著者自身が大胆に示す。目を瞠る施策に心躍るも、実行には多くの課題、高いハードルも容易に予想される。日本崩壊は目前に迫っている。無策というわけにはいかない。検討するに如くはなし。
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▼本書には、民主党政権時代に厚生労働省顧問を務めた駒村康平氏による、現代日本における社会保障(政策)の在り方への提言(と、いうか苦言)がコンパクトにまとめられている。
▼本書に通底している問題意識は、(細かい計算式はさておき、)つまるところ「経済成長は続き、人口も増え続けるだろう」という前提で70年代に設計された日本の社会保障諸政策は、早急に再構築する必要がある、ということだ。
▼少子化の進行はさることながら、平均寿命の延びによっていわゆる“高齢者”の絶対数は増え続けている。それでも、子供が多く、高齢者の絶対数が(相対的に)今よりも少なかった時代に作られた「世代間の助け合い」モデルに固執しようとするのは、そもそも無理があるのだろう。
▼さて、2012年12月、総選挙。そろそろ真剣に日本の次の50年、100年を考える選択をしませんか。
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年金制度が崩壊しつつある今後の日本社会を綴った一冊。
読むと暗い気分になるけど、現状を知っておくには必要なこと。
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雇用・所得・医療のセーフティーネットとしての役割が機能していない原因、年金制度の問題点、さらに日本における貧困の拡大・変質が引き起こす諸問題(貧困の連鎖・教育の低下・階層の固定化など)がデータを提示しながら丁寧に分析・解説してある。文章も読みやすく内容が理解しやすい。
ただ、最後の対策案が提示されている第六章には疑問な点や間違った点があるのが残念。
それでも、現状の社会の問題を理解するには必読の本だと思います。