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瀬名さんが言っている通り、丸善ライブラリーとは思えない表紙!
そしていつもながらに、難しい理論とかを分かりやすくさせた内容!
文句なしに★5です。内容も装丁も全てが良かった〜。
ジュニア向けの新書としても売れるのでは?と思います。
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こないだ同居人が購読してる『日経サイエンス』の古いのをもういらんというので、古雑誌の本の紹介ページだけぴらぴらと見た。ちょうど1年くらい前の号で、新人さん向けの本、というようなラインナップで本がばーっと紹介されていた中にこの『ロボットのおへそ』も載っていた。たまたまフェミックスのシャチョーと姓が同じ人が著者なので、そこのところがちょっと印象に残った。でもチェックしておいて借りてみようとまでは思わなかった。
その日、図書館へ行ったら、比較的新しい本が面出しされているところに、この本があった。お、あの『日経サイエンス』に載ってた本やんかと思い、めずらしく貸出カードに空きもあったので、これも何かの縁だろうと思い借りてみた。晩ご飯のあとに、ちょっと読みはじめてみたら、これがなかなかおもしろくて、その日のうちにしまいまで読んでしまう。
ロボットって何やねんという話もおもしろかったのだが、これから稲邑さんが何をやりたいか、「おへそ」をつくりたいという話がやはりおもしろかった。
要は、「いつものアレ」と言って、通じるロボットがつくりたい、と。これまでのロボットは、アドリブに弱かった。人間の指令を、「ロボットに分かるように」緻密に翻訳して言うて聞かせて、初めて何かができる、という状態だった。「いつものアレ頼むわ」と言っては通じない。
そこで発想の転換だと思うんですよと、稲邑さんは言う。ロボットかて、分からへんかったら「人間に聞け」というのだ。
▼考えてみれば、知らないことは教えてもらうしかないのは、人間同士でも同じです。社会人だって新しい職場に来たら「よろしくお願いします。教えてください」と言うしかないのです。ただ全部教えてくださいと言うのではなく、そこは「ちょっとすみません、ここから先がわからないので教えてください」といったうまい質問のしかたができれば、人間もスムーズに教えることができるんじゃないかと思います。ロボットは完全にオートマチックで、エラーがあってはいけないと考える方もいらっしゃいますが、私はバンバンひとに聞けるロボットをつくりたいと思ってます。(p.17)
こういう調子で稲邑さんはロボットを考えている。なんというか、人間とつきあいながら、人間があわせるのではなくて、機械のほうが使う人間の個性や環境にあわせてくれるような、使う側とともに成長できるようなロボット。
「まねる」と「まなぶ」の話、あいまいさをどう乗り越えていくかの話、ロボットはどこまで人間と“ツーカーの仲”になれるのかという話…など、小さい本だが、めっちゃおもしろかった。
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Fri, 04 Jun 2010
私もお世話になっております,稲邑先生の本
瀬名秀明氏との対談で始まる.
二人は,社会的知能発生学研究会で御一緒されているので,
あるいみ身内のトークな雰囲気.
ロボットのおへそ って書いてあってなんのこっちゃろ?
とおもうんですが,
今のロボットに足りないキモの部分を おへそ といっているような・・・.
ちょっと,ポップすぎる気がしますが・・.(-_-;;;)
具体的にはロボットに
「ちょっとそれとって」
と言った時に,それがなにかわかるような,コミュニケーション能力のよう.
新書形式で,あるのですが,
稲邑先生のこれまでのお仕事がサマリーとして,よくまとまっていて,
ご本人を存じ上げてはいるが,その一つ一つの仕事を裏でささえる
ストーリーというのは,存じ上げなかったので,
そういう視点から,面白かった.
ある種の研究者ライフストーリーであるが,こういうライフストーリーは
超有名な研究者が老後にかかれたするぶんには,よくあるが
若手研究者が書くのは珍しいように思える.
しかし,つながりにする事でみえる事もあるとおもう.
その意味では,ロボット,知能を志す大学院生とかが読むといいのかなぁ.
あと,当時の井上・稲葉研の雰囲気がつたわってきて面白かった.
ちなみに,模倣学習やインタラクションをつうじて,ロボットに教示を行なったり,
動作獲得,ナビゲーションなどを行なわせる研究を展開されています.
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のうかがくとロボットをループ構造で、仮説-実装-フィードバックを行なっていくという研究スタンスは、今後のアプローチスタンダードになっていきそう。