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SFとして読んでもクィア文学として読んでも面白い本。
『膜』『赤い薔薇が咲くとき』に描かれる近未来的で退廃的な世界は、ディストピア好き垂涎。
日本の漫画や海外文学の過剰な引用も、パロディ好きな人にはツボなはず。
また、腐的にも大変おいしかったです。
『儀式』に描かれた、高校生の揺れる恋愛感情の美しさは、テキストとして日本の全腐女子に読ませたいレベル。
『膜』の黙々とアンディはお互いしか見えてない、良い幼女百合でした。
もちろん文学的にも素晴らしいので、同性愛に抵抗なければ読んで損はないです。腐なら読め(命令形)。
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面白かった!表題作と「赤い薔薇が咲くとき」、超短編「朝食」が好き。クィアSFということだけど、クィア部分は二次的なものという感じで、もっと大きな括りで性(セクシャル/ジェンダー)、人間・アンドロイド、肉体・精神の境が曖昧になった世界のお話。「記憶」も「膜」と「赤い薔薇が咲くとき」の大きなテーマ。解説にもあるように、ディックやギリシャ神話、その他もろもろSFに限らず名作のエッセンスを盛り込んでいるようで、私は「赤い薔薇が咲くとき」にはウィリアム・ギブスンみを感じたな。いろんなエッセンスが盛りだくさんだけど、ちぐはぐな印象はなくてとてもバランスが取れた作品。もっと台湾のSFを読んでみたい。
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自分は「性」に対して先入観がないと思ってたけど、全然あるんだと気づかされた。
女性らしさ、男性らしさって気付かぬうちに自然に刷り込まれているので恐ろしい。