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ベーシック・インカムの概念、歴史、世情とのかかわりなど、基本的な情報がいただけた。
働くと働かざるとにかかわらず、貧乏人にも金持ちにも無条件に基本的な生活ができるだけの給付をすることの意味を考えると同時に、完全には受け入れられていない理由を考えさせられた。
働かなくなるという懸念は、そうならないような労働観への転換が望ましいと感じる。衣食足りて礼節的なところは、贅沢のために、エゴのために行う犯罪や金もうけの行為は、それだけではなくならないとも思う。
09-32
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すべての個人に無条件の基本所得を給付する「ベーシックインカム」についての入門書。
「本書のテーマは、ベーシック・インカムという考え方を概観することを通じて、労働、ジェンダー、グローバリゼーション、所有といった問題について考えていくものである」と著者が述べるように、本書はベーシック・インカムのテクニカルな話題だけではなく、現在の先鋭化した資本主義社会の凝り固まった価値観への挑戦状である。
確かに、実際的な人間(すなわち現在の日本のような資本主義の考えにどっぷり浸かった人間)からすれば、ベーシック・インカムのアイデアは非現実的で、社会システムを狂わせる、もはやSFかユートピア小説に登場する幻想的な制度に見えることは間違いない。
本書では「ベーシックインカムを導入すると人々は働かなくなるのでは?」「財源はどうするのか?」といった、現実的な向きの人からの典型的な質問にも答えてはいるが、それよりも強い主張は「発想を切り替えろよ!」ということに尽きるだろう。
持続的な経済成長、完全雇用を前提とした社会ならベーシック・インカムの仕組みはしっくりこないけど、そもそもその前提条件から見直す時期がきているんじゃないか? 全体を通して著者のその主張が強く感じられる。
いまの日本の経済社会からするとやはりベーシック・インカムは夢物語のように聞こえるが、環境問題の視点から経済活動を制限する動きが進展しつつある昨今の状況を鑑みると、本書の描く社会というのは強ち夢物語だとも言い切れないかもしれない。
本書の主張に賛同できるかどうかはともかく、なかなか刺激的な本だった。久々に頭が柔らかくなった気分。でも、頭の固い人が読んだら腹立つだけだろうな、コレ。
余談だが、俺は冷血な人間で、ジェンダー問題とか福祉とかの話題には頭が勝手に拒否反応を示しちゃうんだけど、本書ではベーシック・インカムという経済学的な切り口からそれらの問題を扱っているため、意外とスンナリ読めたのはなかなか気持ちいい体験だった。
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●未読
「週刊ダイヤモンド」2009.03.21号 「あなたの知らない貧困」p.40〜41「貧困本」×16冊 3-2
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「入門」と銘打っているが、話は結構細かい。ベーシック・インカムをめぐる思想と運動の歴史、といった感じの本だ。ベーシック・インカムは「話にならない」と思っている私だが、この本を読んで、幾人かの思い付きといったものでないことは十分に教わった。
不満は「なぜベーシック・インカムを導入するべきなのか」という話がほとんどで、「ベーシック・インカムを導入したら社会はどうなるか」という話が少なく、総じて雑駁だった点。導入の必要性をいろんな角度から見ていくという意図なのだろうが、結局は堂々めぐりな印象を受けた。
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なんとなくしか知らなかったけど、読んだらかなり可能性を秘めてる概念だとおもった。
ベーシック・インカム
=全ての人が生活に必要な所得を無条件で得る権利
→今ある所得保障の仕組みを根本的に別のものに組み換える
・ワークフェアと呼ばれる政策へのオルタナティブとしてのベーシック・インカム
・ケインズ主義的ベーシック・インカムモデル(経済成長・完全雇用)
・エコロジー型ベーシック・インカムモデル(持続可能な経済・労働時間減少)
・ベーシック・インカムへの二つの疑問
:労働インセンティブと財源
・財源は定率所得税、累進所得税(再分配重視)、消費税、環境税
・負の所得税とベーシック・インカム
・現実化した部分的ベーシック・インカム=給付型税額控除(欧米で導入)
・主目的である貧困解消・男女平等の実現に加えて環境保護の議論
・地球ベーシック・インカム=環境問題、貧困問題の世界規模での解決
・日本における適用可能性
:年金の税財源化、児童手当の普遍化と増額、給付型税額控除
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ベーシックインカムという最低限の生活保障の考え方についてかかれています。
日本では生活保護がセーフティネットとして存在していますが
現実は、申請ができなくて命を落とす人がいてその機能を十分果たしていないのでは?というところから
もっとだれもが平等に、頭を下げずに受けることができる保障が必要だという主張です。
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経済にはいるともうだめです。
でも、ベーシックインカム取り入れられたらいいね。
ベーシックインカムってのは全員に対して、月7万くらいのお金が支給されるんです。
うん。学生はバイトしなくていいしさ、
くそ金持ちにも支給されるんだけど、くそ金持ちは多く税金取られて7万支給だから結果的には損だし。
いいね。これ。
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歴史からありがちな批判に対する反論までコンパクトに良くまとまってます。今回の選挙ではどこもマニュフェストには入れてないんだろうけど,将来的にはありうる選択肢かと。極めてラディカルではありますが,ユートピア論ではないように思いました。でも,ベーシック・インカムを導入した社会は,それでも資本主義なんですかね?
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2009.10.13
ベーシックインカムが取り入れられれば就きたい職業に就くリスクが低くなるので歓迎なのですが、そうすぐには変わらないだろうなあ。
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国民全員に国からお金を給付する。誰もが手にできる最低限生活保障。ベーシックインカム。
人が働かない社会主義になる、働く意思もない人にどうして給付するのか?
上辺だけの印象では理解できないベーシックインカムの意味と本質、可能性について分かりやすく書いている入門書。
現在の社会保障は将来が不安な中、すべて導入というわけにはいかないかもしれないが、この仕組みが持つ可能性について広く知られることは必要な時代に入ったかもしれない。
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第1章 働かざるもの、食うべからず
第2章 家事労働に賃金を!
第3章 生きていることは労働だ
第4章 土地や過去の遺産は誰のものか?
第5章 人は働かなくなるか?
第6章 <南>・<緑>・プレカリティ
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はじめに ベーシック・インカムとは
第1章 働かざる者、食うべからず―福祉国家の理念と現実
1ベーシック・インカムの概要
2福祉国家の仕組み
3 日本の現実
第1章のまとめ
コラム①ベーシック・インカムは労働と所得を分離するか?
第2章 家事労働に賃金を!―女たちのベーシック・インカム
1アメリカの福祉権運動
2イタリアの「女たちの闘い」とアウトノミア運動
3イギリスの要求者組合運動
第2章のまとめ
コラム②個人単位とフェミニズム
第3章 生きていることは労働だ―現代思想のなかのベーシック・インカム
1ダラ=コスタのユニークな解釈
2アントニオ・ネグリの論理
3青い芝の会―日本の障害者運動
第3章のまとめ
コラム③リバタリアン・バージョンvs.アウトノミア・バージョン?
間奏「全ての人に本当の自由を」―哲学者たちのベーシック・インカム
第4 章 土地や過去の遺産は誰のものか?―歴史のなかのベーシック・インカム
1「野蛮なマルチチュード」の自然権
2市場経済の成立とベーシック・インカム構想出現の同時性
3フーリエ主義とJ.S.ミル
4ギルド社会主義と社会クレジット運動
5ケインズ、ミード、福祉国家
第4章のまとめ
コラム④ベーシックインカムの起源は律令国家?
第5章 人は働かなくなるか?―経済学のなかのベーシック・インカム
1ベーシック・インカムは労働インセンティブを低めるか?
2技術革新と希少な労働
3誰がフリーライダーなのか?
4給付型税額控除―現実化した部分的ベーシック・インカム
5ベーシック・インカムと税制
第5章のまとめ
コラム⑤-1ベーシック・インカムを主張するのはマイナーな経済学者?
コラム⑤-2ベーシック・インカムの断絶史
第6章 “南”・“緑”・プレカリティ―ベーシック・インカム運動の現在
1ベーシック・インカム世界ネットワーク
2〈緑〉のベーシック・インカム
3福祉権運動のその後とプレカリティ運動
第6章のまとめ
ベーシック・インカムに関するQ&A
おわりに 衣食足りて・・・?
参考文献
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ベーシックインカムの必要性を論じた書物だが、格差是正の観点から見ると、あまり意見に同意出来なかった。
あと、難しい。
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これまた、学者の書く専門書は難しすぎるのでもうちょっと勉強してから読むことにします
dankogaiの「働かざる物飢えるべからず」あたり読んでからかな
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章終わりのまとめが無いと、内容をつかみにくいところもある。
ただ、基本的なことは書いてあるので、まずは目を通すべきかと。