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昭和30年代モダン観光旅行 絵はがきで見る風景・交通・スピードの文化 みんなのレビュー
- 長澤 均 (著), パピエ・コレ (編)
- 税込価格:2,530円(23pt)
- 出版社:講談社
- 発行年月:2009.2
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紙の本
極彩色のモダニズム!
2009/03/19 15:50
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:DECADE - この投稿者のレビュー一覧を見る
明治時代の絵葉書を集めた本は多いが、昭和30年代のものは今まで見たことがない。
しかも絵葉書がそのまま余白を取って並べられているものばかりだが、この本は全ページ、埋め尽くすように絵葉書がレイアウトしている。その迫力とキッチュさが半端ではない。
圧倒的な量の絵葉書の各章につけられた文章も、観光や移動にまつわる話だが、いままで読んだこともないような視点からの論評がとても鋭い。
「絵はがき風景論」では、江戸時代の洋風画にまでさかのぼって、絵葉書写真の構図の源泉を探っている出色の章。
著者は「風景」の誕生、そして「交通」産業が成り立ち、個人の「移動」が簡単になり「スピード」という観念が定着してゆく20世紀前半のありようと人々の意識の変化自体を「昭和30年代の絵はがき」というレトロでキッチュな衣で包みながら論証しているのだと思う。
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