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乱反射 みんなのレビュー

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みんなのレビュー150件

みんなの評価4.0

評価内訳

148 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

ちょっとした自分の都合を優先させる怖さ

2010/09/12 12:35

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:かつき - この投稿者のレビュー一覧を見る

一人ひとりにとっては
ほんのささいな我が儘、自分勝手。
多くの人が、そんな自分の都合を選択したばかりに
ひとりの幼児の命を奪ってしまうミステリー。

リーダーはやりたくないけれど
社会運動を起こして暇をつぶしたいプチセレブな夫人。

腰痛のため、ペットの糞を放置する老人。

事なかれ主義のアルバイト内科医。

昼間は混んでいるため、夜間診療を利用して
風薬をもらう病弱な大学生。

息子や嫁は言いなりになるものと決めつける姑。

職務怠慢の公務員。

潔癖症にも関わらず、医者にかかることは
プライドが許さない造園業の男。

運転が苦手なのに、妹の都合を優先させてしまい
大型車を運転している、弱気な若い女性。

最初に幼児殺しを示唆し
これらの人々の物語をロンド形式で描きながら
「-44」「-43」と章をカウントアップさせていきます。
このしかけに惹かれます。

登場する人も普通の人ばかりで
しかけでグッと高まった緊迫感が
だんだん薄れていくのは、熟練の筆ですね。
日常生活のなかに不幸は潜んでいます。

自分のしたことの結果が明らかになってもなお
人は責任転嫁します。
物語の決着もうまい。

第63回日本推理作家協会賞長編及び連作短編部門受賞作。

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紙の本

現代社会を指摘する問題作

2011/06/17 19:48

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:kumataro - この投稿者のレビュー一覧を見る

乱反射 貫井徳郎(ぬくいとくろう) 朝日新聞出版

 新聞記者加山聡さん32歳の息子健太くん2歳が、強風で倒れた街路樹の下敷きになって死にます。聡さんと奥さんの光恵さんふたりは半狂乱になります。涙が枯れません。現代日本人の権利の主張を基礎にしたマナー(礼儀)とモラル(道徳・倫理)の欠如を問う問題作です。
 健太くんが事故死したのは、地域住民にマナーとモラルが欠如していたからです。3人家族の未来を失った加山さん夫婦は、健太くんの事故死と因果関係のあった人々のエゴ(自分のことしか考えない)、わがまま、自分勝手さに闘いを挑みます。でも、だれも謝ってくれません。マナーやモラルの欠如は、犯罪ではないのです。そして亡くなった健太くんはもう生き返りません。
 描写とセリフの言い回し、文章表現、すべてがうまい。構成に関しては登場人物が多すぎる。メモをしていかないと誰が誰かわからなくなります。事故関係者のひとりに30年間道路の拡幅に反対してただひとり立ち退きを拒否していた男性河島氏75歳がいます。彼のために「安全な道路づくり」は行き詰っていました。章のつくりは、その河島氏が病死するまでが、「-44」で始まり、彼が死ぬ章が「0」、その後「1」から章が始まり「37」で終章を迎えます。
 多数の人たちのマナー・モラルの欠如がタイトルどおり乱反射して、幼児の命が奪われたのです。健太くんの父親加山聡さんは関係者ひとりひとりを追い詰めていくけれど、最後にたどりつくのは自分自身になります。
 人間は自分を守るために嘘をつきます。本作品はいつか映画化・ドラマ化されるかもしれませんが、後味のいい内容にはなりにくい。鑑賞者自身・視聴者自身が加害者になるでしょう。現代人の特質と病癖が記述されていて心に響きました。本作品は、日本民族の衰退化を暗示しています。

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紙の本

なんともいえない読後感

2009/07/21 01:18

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ぽんちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

忙しくて久しく読書から遠ざかっていたのですが、こういう面白い本があるから読書はいいなと思える一冊にまた出合えました。今回直木賞受賞は逃してしまったようですが、たくさんの人に読んでほしいと思ったので推薦します。責任ある立場で働くことになる者として、よく考えさせられました。(医学生)

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2009/04/02 17:30

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2009/04/03 00:00

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2009/05/03 12:19

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2009/05/05 00:01

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2009/05/05 21:50

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2009/06/12 08:55

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2009/06/16 21:10

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2009/06/26 01:21

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2009/06/23 11:51

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2009/04/12 08:38

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2009/07/22 21:14

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