投稿元:
レビューを見る
決しておごらず、いつまでも中小企業がごとく、1番を取ることにこだわる。生き残りをかけ、巨大な企業に勝つための筆者の経営観が述べられている。豪腕経営者のイメージを持っていたが、記載された文章は暖かく優しい。文章中に散りばめられた、浜松(筆者の出身地は下呂)の仲間とのやり取りがそう感じさせたのでは。
投稿元:
レビューを見る
海外では企業買収すんじゃなくて、自分で一から立ち上げなきゃならない。俺の考えてることとは違った。製造業だからなのか、もしくはまだ考えてきれていないのか。
投稿元:
レビューを見る
[読んだ理由]==================
この超個性的な人の半生には、やはり興味がある。
[読んだ後の感想]==============
妥協しない、躊躇しない、奢らない、と言った著者の性格がわかるエピソードが、本人目線で紹介されていく。冷静に見ると古くて昭和な感じの考え方のはずなんだけど、読んでてもあまり古臭さを感じさせない。成功する原理原則はやっぱ時代によってコロコロ変わるもんじゃないんだな、と思った。本田宗一郎とかとは違って、著者は文系なので、技術的な読みが鋭いとかは無い。ニーズの見抜き方、人の心の動かし方、トップダウンの迅速な行動力の大切さ、とかの話が主。難しい話は殆ど無いのですぐ読める。
[読書録]======================
あるときはレジャーに、あるときは通勤に、またあるときは買い物に使える、あると便利な車。それがアルトです。
バランスシートを読めなくても、商業簿記を勉強しなくても、2つのポケットがあれば用は足りる。例えば今日仕入れてきたものが10万円なら、売上が10万円になるまでは「右のポケット」だけにお金を入れてしまっておく。売上が10万円を超えたら始めて、超えた文のお金を「左のポケット」に入れるようにする。
ウチのような企業は「ゆっくりと10年単位で元が取れればいい」といった悠長な事は言っていられません。工場も機械も、あるいは新車を作るとkの金型も全て3年くらいで投資を回収できるという判断がなければ、そもそも投資しません。逆に「3年償却の原則」があるから、見通しの曖昧な投資はしないという規律も働いているのでしょう。
自動車の部品点数は2万点。1部品辺り1円50銭のコストダウンが出来れば利益は倍増する。一つ一つのコストダウンの幅は小さくても、それが積み上がれば大きな収益力の格差が生まれる。これが自動車産業の現実。
「ボトムアップはコストアップ。トップダウンはコストダウン」
インドは意外にナショナリズムが強くない。どこの国の車でも、お買い得なら、こだわりなく購入する傾向がある。
日本人がインド人にかなわないことの筆頭は、語学の習得能力。インド人は英語やヒンドゥー語などの多言語が入り乱れる環境で育っているので、外国語の習得を苦にしない。
「スズキにもセダンがある。セダンもあるけどワゴンもある。だからワゴンあーる」
スズキの売上高3兆円は実は「取扱高」であって、実際に生み出した付加価値は、ガラスやタイヤ、バッテリーなどの完全部品を除いた3000億~5000億円程度なのです。であれば、決して大企業とはいえないのではないでしょうか。
たとえ小さな規模でも、強い個性や特色を備えた商品で、極めて高い市場シェアを持つ企業こそが大企業であるといえると思います。
「私の年齢は7掛けで見て頂きたい」今の平均寿命は70歳超。ならば年齢も7掛けで考えるべきではないか。70歳といっても7掛けすれば49歳。
「できない理由を聞く暇はない。どうすればできるかを言ってくれ」まずは自分で、どうしたら良いのか、どうすればできるのかを考えて欲し��。ヤル気が重要だ。
「小・少・軽・短・美」製品や部品はもちろん設備まですべてを含め、如何に小さく、少なく、軽く、短く、美しくするかが、コスト削減と、出来上がったクルマの燃費向上となる。
「率」は実態を覆い隠す。「個数」と「金額」で判断せよ。
投稿元:
レビューを見る
昨年サブプライムショック後の大変な時期に社長へ復帰したというニュースがありましたが、スズキ自動車の社長、会長を長らくされていた鈴木氏の記された本です。
後継者と思っていた人に先立たれる等、偉大な経営者を他の人に託すのに苦労しているようです。創業者の家に婿入りして苦労してスズキ自動車を大企業にした苦労がこの本に凝縮されています。
この本は2009年2月出版であり、原稿執筆は2008年後半であることを考えると、世界経済の大激変の状況を考えると大変な時期にこの本の準備をされていたのだろうと予想されました。
売上高3兆円といっても付加価値は3000~5000億円に過ぎない(p231)という考え方も一理あると思いました。
以下は気になったポイントです。
・1975年の排ガス規制時に新型エンジンの開発に失敗したときに助けてくれたのがトヨタ自動車であった(p6)
・減産時に外注先にコスト削減を強いるのはもってのほか、それは生産が増えているときにやるべき(p10)
・消費税導入前にあった物品税は15~30%で乗用車の部品はそれに該当していたが、業務用必要とされる商用車の物品税はゼロであったので、アルトは50万円を切る値段設定が可能であった(p26)
・スズキは生産設備を平均3年で償却している、法定償却期間が10年であっても3年、国が定めた償却期間は8時間労働が前提、2交代1日16時間、残業休日での稼動を考えると妥当(p46)
・OEM供給として日本ではマツダ、日産へ、海外ハンガリー工場からは、フィアット、オペルへ供給している(p62)
・業界の1位と2位が本気で戦い始めると、3位以下のメーカは吹き飛ばされる、二輪車でホンダとヤマハが1981年から始めた競争で得た教訓である(p66)
・売上高3兆円、利益900億円のビジネスであっても、生産台数300万台、部品点数2万点を考えると、1部品当たりの利益はわずか1.5円(3万円÷2万点)である(p99)
・1963年当時アメリカでタイピストを雇ったところ、月給400ドル(1ドル=360円として14万円)、当時の大卒の初任給(2.5万円)であった(p124)
・GMとの提携において、1998年5月に転機を迎え、9月にはGM出資比率が10%、2000年には20%となった、2006年にGMが経営が厳しくなったので17%買取、2008年に残りも買い取ることで資本関係は解消したが、業務提携は続けている(p161)
・インド人は経済観念が発達していて、お金ができたからといってブランド車にのりたいという人が中国、ロシアと比較して少ない(p179)
・インドの法律では出資比率が25%を超えていると、株主総会で拒否権を行使できる、日本では33%超(p189)
・マルチ800の現地価格は日本円で50万円、日本で償却が終わった金型などの生産設備を持ち込んだため、コストが抑えられて低価格でも採算がとれている(p200)
・2002年にマルチを子会社化して、2007��に「マルチ・スズキ・インディア」に改めた、インド政府が持っていた株式は売却されて完全な民間企業になった(p206)
・インド発展に貢献した外国人3名の中に、鈴木氏が選ばれた、他の二人はガンジー元首相の夫人(ソニア・ガンジー)と、マザーテレサである(p208)
・話題になった低価格車(ナノ)は、10万ルピー(27万円)、ナノの競争相手は2輪車や3輪車である(p209)
・スズキの売上は3兆円であるが、これは取り扱い高であり、実際に生み出した付加価値は完全部品を除いた3000~5000億円程度である(p231)
投稿元:
レビューを見る
・外注先にコスト削減を強いるのはもってのほか、そんなことをしてはいかんのです。
それは生産が増えているときにすることです。いまみたいなときは、内なるコスト削減、
すなわち、おのれのマイナスをいかに減らすかに努力する。材料の質を落とすのではなく
材料そのものを変えたり、不良率を減らすといった工夫をしたりする。
・「会計の基本は2つのポケットだ」それは、「売り上げと儲け(利益)は違う」ということ
が分かっているからです。
・「1位と2位が本気で戦いはじめると、3位以下のメーカなんて木端微塵に吹きとばされる。
・「会社というのは、いろいろ手間がかかっても一からつくりあげたほうが、いい結果がでる。
・カネと時間がかかるものは大嫌い。会議はその最たるものだ。
・『率』は実態を覆い隠す。『個数』と『金額』で判断せよ。
・ものごとの延長線上で考えるのはダメだとは思っていました。しかし、与えられた環境のなか
で最善を尽くすことだけがすべてでした。
投稿元:
レビューを見る
スズキの社長による自伝的な一冊。日経の「私の履歴書」のような感じであっという間に読み終えました。軽自動車では圧倒的なシェアを誇り、現在もインドではトップシェアたる秘訣はなにかあるのか…と思ったのですが、書いてあることは、書いてあることは愚直なまでにまっすぐな経営の中身でした。もちろん、本人が書いているので多少割り引いて読む必要はあるでしょうし、年代的には細かい指示出しをするタイプではなさそうですが、いざというときの決断力、行動力、そして現場ベースというのが常にあったのでしょう。自動車業界のことは良くわかりませんが、現場に根ざすというスタイルはきっとどの業界でも共通するのだと思います
投稿元:
レビューを見る
スズキも色々と面白い。
しかし、人材を育ててワンマン脱却?と書いてあるが今もって会長社長兼務らしい。
修さんがいなくなってからがどうなるのか楽しみ。
投稿元:
レビューを見る
80歳になったスズキ会長兼社長著。
後継者として期待していた娘婿の小野氏がガンで亡くなり、社長も健康不安で退き、
社長に返り咲く。
多くの語録が記されているが、
「重大事件が起こったら経営者が自ら現場に行って、自分で判断することが重要。」
プリウスのリコールの一年前のこの本にすでに書いてありました。
NAVIの最終号の一つ前の号で、
鈴木会長が取り上げられていたが、
塩見編集長の文章はこの書籍の中身がほとんど。読書感想文ですあれは。
「中小企業」
だというのは、
「取扱高」が5億であって、
それはそっくり部品メーカー(例:タイヤメーカー)に払う金額も含まれている。
自社で生み出している実質の「売上高」は中小企業並み(例:タイヤの取付費)だということから。
「トップダウンはコストダウン」
ボトムアップでは、調整に時間がかかり、金もかかってしまう。
この一言でGMワグナー会長も動かした。
さて、フォルクスワーゲンとの提携はどう発展するのか?
投稿元:
レビューを見る
1部品1グラム1円低減
1台あたりの利益が3万円
クルマの部品は約2〜3万点
つまり1部品約1円の利益でありこれを倍にすれば利益は倍になる
投稿元:
レビューを見る
さすが鈴木修!って思わせる一冊。
彼のことを全然知らなかったけど,スズキという小さな会社を30代以上の規模にしただけのことはある!
本田宗一郎とはまったく異なる経営方針で対比してみても面白いな。
活躍した年代が鈴木氏の方が僕の世代に近いので親近感があるな。
官僚に対して前向きなコメントが多いのが印象的。
投稿元:
レビューを見る
修社長の徹底した現場主義に、企画部門で働く自分としては、目からウロコの思いだった。
やはり、企画部門や経営者は、現場を自分の目で見ないといけない。
あとは、奇をてらったことをしたり、考えたりする方ではないが、愚直さ、熱心さ、フットワークの良さが成功の秘訣なのだと感じた。
投稿元:
レビューを見る
[全体]
・鈴木修氏とスズキ自動車の成り立ちや成功話
・アルトの成功話
・インドでの成功話
・北米への進出とGEとの関わり
・大企業といえなくないスズキがまだまだ中小企業であると本人は感じている
[感想]
単なる氏の成功秘話等的な側面もあるが、ビジネス生活に通じる言葉や話題なども多く面白かった。
自分が一番印象に残った言葉は
「出来ない理由を探している時間があったら。できる理由を探せ」
です。
若いころから現場主義で現場を見て回り社長や会長となってもその姿勢を貫き通しスズキを牽引した功績は大きいと思いました。
現場主義からくる試してみるという精神も自分は好きです。
投稿元:
レビューを見る
一つの会社をここまで大きくした根幹にある考えに触れることが出来た。製品、コスト、現場と本社、そして関係会社との付き合い方などの一つの例を体現してくれているよう。
果てさて、今後のEV化、コンパクト化、シェアエコノミーの流れでは小型車両がまた注目されるはず。ここでどんな動きを見せるのか。
投稿元:
レビューを見る
HY戦争について
1位と2位が本気で戦いはじめると、3位以下のメーカーなんて木端微塵に吹き飛ばされる。
「死に金は一銭たりとも使わない」というのが私のポリシーです
シェアトップを選ぶか、売上や利益を選ぶかというと、経営者としては名誉ではなく売上が優先で、その次が利益だ。
ウナギの寝床型工場のメリット
絶対に落ちない飛行機手形
アルト、全国一律の価格=広告も打ちやすい
カネがないのは個人でも企業でも非常につらくて惨めな状態です。
スペインからの撤退
手離れの悪さが事態を悪化させる
投稿元:
レビューを見る
タイトルの通り、鈴木社長は中小企業の経営者のように、謙虚で背伸びをせず、1円単位でのコスト削減に勤しむ現場主義の経営者である。社長就任時に3000億程度のだった売上を、3兆5000億までに拡大させたその手腕は、稀有なものであるのは疑いの余地がない。インドやハンガリーにいち早く進出することで先行者優位を享受できているもの、同社長の英断あっての結果であろう。
同氏は、例えば何かの会合に車で行く際には必ず自社の軽自動車で出向くという。高級ホテルの車止めに黒塗りのスズキの軽で堂々と乗り付けるという。自社製品に対して並ならぬ誇りを持っている事がわかる。(日産のゴーン社長は、一般道で接触事故を起こした際に、プライベートでポルシェを乗り回している事が発覚した事がある。日産の社員は大いに落胆したことであろう。)
一方、スズキに対して投資する気はどうも起きない。その最大の原因は、鈴木修氏の強烈な個性とワンマン体制であり、彼の目が黒いウチは安泰であろうが、その後のシナリオが見えないことだ。カリスマ過ぎて、社員や幹部が鈴木氏にモノを言えないような空気があるのではないかと思ってしまう。また、極限までのコスト削減に依存した経営は、企業の本質である価値の創造とは逆の方向性でもあり、今後どのようにしてその価値を作り出していくのかということが不明ということである。