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物凄い情報量で、読んでてすごく疲れる。章が終わるごとに世界観の補足みたいな新聞記事とかあってそれもすごい量。これを咀嚼して世界観を失わずに3時間未満にまとめた映画版の偉大さがよくわかる。
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映画を見て興味を持ちコミックも購入。市民を含めてそれぞれのキャラがそれぞれの考えで行動しているのでとても好感が持てるキャラクターばかり。ただしナイトオウル2世と二代目シルクスペクターは好きになれない
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アメコミ史上最高の作品と名高い、不朽の名作。
「アメコミヒーローって、あんな全身タイツとか着ちゃって、恥ずかしくねーの?」
「あんなヒーローとか実際にいたら、ぜったい政治や戦争に利用されるだろ」
「そもそもヒーローって、独断で勝手に裁いて暴力ふるってるわけだけど、いいの?」
といったアリガチな素朴なツッコミを、学者顔負けの知性で徹底的に掘り下げて、1940~80年代のアメリカ史とからめて、重厚豊潤なエンターテインメント哲学書のごときものに練り上げてしまった奇蹟と驚異の一冊。
「引用」もご覧いただければと思います。
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はじめてのアメコミ。オチはどこかで見たようなもので新鮮さはなかった。エピソードはとても面白い(パリアッチのジョークはこれだけでも本書を買う気になる)。
分厚くて読むのが大変だった。読み返したい。
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これは、1986年から1987年にかけて出版されたアメリカのグラフィック・ノベルを翻訳したものだ。
原作は、2009年にザック・スナイダー監督によって映画化されている。映画化については、テリー・ギリアムがチャレンジして頓挫していたものをザック・スナイダーによって実現されたのだと言う。今回、映画を観てから原作を読む順番となったが、原作と映画版を比べると感心する。ぶ厚く、入り組んで、暗い苦味に充ちた物語をよくも料理して映画にしたものだと思った。結末が変更されているけれど、ザック・スナイダー版は本作を理解するための一助になるかもしれない。とは言っても、本作が難解なわけではなく、その圧倒的で、重層的な語りに眩暈を感じさせられるので、映画版で整理されたストーリーは大海を渡る櫂になり得ると思うのだ。
この物語の背骨となるプロットは、殺人事件の謎を追うダーティな探偵ストーリーだ。そこにアメコミ(アメリカン・コミック)のヒーロー・ファンタジーが中年太りして重なり、その主軸に沿って黙示録的SFが螺旋を描き、ダークな街を背景にベトナム戦争と冷戦がレリーフとなるアメリカ現代史が苦渋を噛むシルエットを見せ、核の不安と恐怖、暴力とレイプ、挫折と後悔、憧憬と幻滅が、正義と狂気への問いかけが渦を巻くのである。しかもこれらすべてが、凝った重層的構成で語られて行く。
その構成のひとつで目につくのが、章間に挿入される様々な文章(引用、抜粋、新聞記事の切り抜き、インタビュー記事、警察の調書、精神科医のメモ等々)である。例えばそれは、マスクを被ったヒーロー(ナイトオウル)となって犯罪と戦い、引退した男が書いた自伝の抜粋である。
すなわち、物語のアメリカは、覆面を被った自警団=スーパーヒーロー達が実在する世界となっている。彼らは「悪い奴なんか、やっつけちゃえ!」という幼稚な正義感情に鼓吹され、アメコミの紙面から表通りに飛び出て大人になってしまったのである。そこで現実の網に搦め捕られ、泥に沈む。背を丸めて、ポケットに手を突っ込み、見て見ぬふりをして通り過ぎるしかない、人間の愚かさに溺れる。拳と道具で戦うスーパーヒーローは少しもスーパーではなく、卑小で滑稽な自警団として法律で禁じられてしまう。
では、サイエンス味のフィクションであるヒーロー=DR.マンハッタンはどうだろうか。絶対のスーパーパワーを持った彼は、徐々に人間味を失っていきながらも人間の愛憎に振り回される。宇宙の秘密を観照することは、一向に問題を解決しない。DR.マンハッタンの姿は丸裸の現実逃避に見えてくる。そしてそのスーパーパワーを持ってしても、核戦争の危機を押し止めることはできない。陰鬱な不安と恐怖が、コマの各所に記される。例えば、新聞の見出し、ポスターのキャッチコピー、壁の落書きなどが、近付く核戦争による破滅を囁く。
いったい、スーパーヒーローの活躍に胸躍らせた古き良き時代、子供の頃はどこへ行ってしまったのだろう。しかし、ショートケーキじみた子供時代など幻想なのだ。ロールシャッハ=ウォルター・コバックスの少年時代のように、ささくれ立った、粗暴な現実こそが追憶の真の姿なのではないか。
では、大人になればいいのか。オジマンディアス=エイドリアン・ヴェイトのように、大人になって、ビジネスの波に乗ることが正しい選択なのか。その選択の果てには、ついに成長しきれない「やっつけちゃえ!」という感情が、大人の論理を携えて、狂気の振舞いに及ぶだろう。そうして物語は、あまりにも悪い冗談でしかないカタストロフへと墜ちていくのである。
ここに、社会の真の姿があるとは思わない。誇張され、パターン化したイメージが描かれているだけだ。
しかし「ウォッチメン」には物語の真の力が溢れている。読む者の頭を揺すぶり、地獄の劫火を思い出させてくれる。どこから齧っても、こちらの口の中は苦い味でいっぱいになる。その上この苦みには滋養などこれっぽっちもない。だが、これを読まずして何を読むのだろう。べったりとした色彩に塗られたコマの隅から隅へ、ページの端から端へ、舐めつくす視線で読み進み、歪んだ、膨張した想像力の実在を感じ、その坩堝の只中に飛び込むことこそコミックの喜びなのだ。
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映画が公開された時に買ったままで放置していたのがずっと心のしこりになっていたのをやっと読んだ。読みにくくてとても面倒だった。漫画の部分も読むのが大変だったのだが、その間に挿入されるテキストの資料みたいなのも面倒で、さらに最後のおまけの創作ノート的な資料も面倒だった。本当にごちゃごちゃしていて忍耐が必要ですごく時間がかかった。
しかし、内容は面白かった。何より登場人物が魅力的で、どの人物もそれぞれの悲哀が感じられた。特にシルクペクターのお母さんとコメディアンの関係が人間の寛容と矛盾が濃厚でよかった。コメディアンが映画でもすごく好きで、強さと自由と孤独と背徳が強烈で、要するに無頼そのもので映画での人物造形が原作に忠実であったことがわかった。映画はミステリーの構成がうまくいってないと感じたのだが、原作は腑に落ちた。何が違うのか映画と見比べてみたい。
同時期に描かれていた『AKIRA』は圧倒的に読みやすく、没入感もある。『ウォッチメン』は全く没入できなかった。
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まるで映画でのズームイン・アウトのような、背景の拡散や収束を見事に描く描写力に、グッと引き込まれたと思ったら、そこは描かれることのなかった、アメリカの戦史の闇……。第三次世界大戦にもしもヒーローたちが関わっていたら? という、イフストーリーでありながら、圧倒的なリアリティで、実在するパラレルワールドかとすら思う。
関わるヒーローたちも、アベンジャーズのような特殊能力があるわけでもない、ただのコスプレ軍団。逆に、たった一人特殊能力を持つ者は、未来予知や巨大化、惑星間のテレポーテーションに、サイコキネシスや「無の空間から物質を創造する」などの力を扱う、まさに全知全能の神のような存在。何、このバランスの悪さ。めっちゃ面白いやん。
メインストーリーは「引退したヒーローが、同じく引退したヒーローの暗殺事件に隠された陰謀を暴く」というミステリー的な流れを保ちつつ、ヒーローとしてのアクションシーンや幻想的で哲学めいた演出を絡めながら、「本物の正義とは何か」と言うテーマに向けて、一切ブレずに進んでいく。
大学生の時に映画で見た時はよくわからなかったけど、今この結末を改めて読んで、すごく納得してしまう。
そして、残念だな、とも思う。
世界は、こんな形でしか平和になれないんだな、と。
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[関連リンク]
「WATCHMEN/ウォッチメン」はスゴ本: わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: http://dain.cocolog-nifty.com/myblog/2010/01/watchmen-7842.html
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映画を見たので,大まかな筋は覚えていたけど,うーん,重たいストーリーだ.また,内容,コマが濃い.
テーマは「誰が見張り(watchmen)を見張るのか?」
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職業としてのヒーロー「ウォッチメン」が存在する世界。彼らは世の中の正義を守るために戦っていた。しかし、誰がその「ウォッチメン」を見張るのか。すでに落ち目になっている「ウォッチメン」。次々と仲間たちが殺されていく。いったいなにが起こっているのか。
アメリカのTVシリーズ「ザ・ボーイズ」や、日本のアニメ「TIGER & BUNNYタイガー・アンド・バニー」にも通ずる設定。このように、他の作品に流用されるだけあって、斬新な設定はかなり面白い。それだけでなく、ストーリーとしてもよくできている。
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HBO版ウォッチメンが素晴らし過ぎて、コミックを読了。ある意味ネタバレした状態から読んだことになるけど、それでも面白過ぎた…
ヒーローものの極北としてこれを描き切ったアランムーア、凄過ぎる。
また、それを受けたHBO版が原作のちょっとしたセリフやストーリーを、隈なく活かした設定になっていることが分かって、二重にも三重にも美味しい読書体験でした。。
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アメコミ映画はそれなりに視聴してきたが、原作コミックを読み切ったのは初めて。
映画→ドラマと視聴してきたので存分に楽しむことができた。本当はアメコミ最高傑作をリリース時系列で見たかった。
本編・本編内に出てくる新聞見出し(小ネタ)・ホリスメイソン(ミニッツメンのナイトオウル)の自伝等を交互に組み合わせる構成。
脳が疲れる。聖書のような人類不変テーマ、哲学のような深淵。AKIRAと同じくSFコミックスのパラダイム。
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スーパーヒーローたちそれぞれのキャラクターを決める段階からものすごい細かいストーリーが用意されていたことに驚かされた。そしてそのヒーローたちを実際の世界に登場させることで生じると思われる国家間の政治的緊張などを事細かく描いていて、細部にわたって説得力を感じた。映画を見る前に読むべきかも?!そしてTV版は上手く引き継いでいた!欲を言えば最後がなぁ…
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初アメコミ。前提知識があればもっと面白いし、読み返しの方が楽しめる作品かも。
正義感ないし倫理観がぶつかり合い、キャラクターの個性が光る。
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誰が見張りを見張るのか。
歴史的グラフィックノベル。
時折読みたくなる魅力にあふれた作品です。