紙の本
心温まるやさしい絵本
2009/05/07 12:33
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:迷子の子猫ちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
TBS系列で今年の3月まで、午後1時から≪愛の劇場≫というドラマ枠があった。これは、その中の「ラブレター」という題名で放送されていた番組(同題名でノベライズ版『ラブレター』(出版:汐文社)がある)から派生した絵本である。テレビドラマは、生まれながらに耳が聞こえない田所美波と、塚越海司が手話を通じて、心を通わせ、小さな恋を育んでいく、切ないストーリー。だから、これは絵本作家を目指している主人公・田所美波(たどころみなみ)が念願かなって、上梓した絵本という設定なのかもしれない。
生まれたときから耳が聞こえないブタさんがいました。そんなブタさんに、サルくんは音を教えてくれようと努力しました。海司はサルくん、美波はブタさん、2人が投影されたのがこの絵本の主人公たちです。耳の聞こえない人たちにとって一番知りたいのは、ブタさんと同じように、「音ってどんなものなの?」だと思います。サルくんは、ブタさんに、言葉にしにくい音も、身振り手振りで教えます。海に飛び込む音、波の音、星の音、サルくんは一生懸命教えてくれます。障害は、つらいことも多いけれど、人の優しさにたくさん出会える。サルくんが教えてくれた音や、サルくんがくれた優しさは、ブタさんにとって、かけがえのない宝物だったでしょう。
手話は、喜怒哀楽の感情を手で表現します。言葉に出来ない想いも手話なら伝えることもできます。「音がわかる絵本」の素晴らしいところは、サルくんの聞こえる“音”を、“目”と“心”で感じられるところではないでしょうか。人と人が支えあうことの素晴らしさに感動します。
投稿元:
レビューを見る
生まれたときから音がきこえないブタさん
「音ってどんなものなの?」
そんなブタさんに音を教えてくれたサルくんがいました。
波の音、花火の音、飛行機が飛ぶ音、涙がおちる音・・・。
それは嬉しい音、楽しい音だったり 悲しい音だったり
きれいな音だったり 安心できる音だったり・・・。
ふと、自分は最近そんなふうに耳をすましたことがあったかなぁと
考えてしまいました(*゚.゚)ゞ
耳から伝わってくるものを「見て」みると
大切なものがみえてくるのかもしれない
そう感じた一冊でした。
投稿元:
レビューを見る
音が見える絵本。
ということで、読み聞かせで知った絵本です。
調べてみると、TBSの愛の劇場「ラブレター」から生まれた1冊らしいですね。
どんな内容だろう?って思って聴いていましたが、サルくんとブタさんの出会いややりとりに夢中になりました。
誰かの存在で新しいことを知ることができるなんてステキなお話です。
それも、音が聞こえなかったブタさんはサルくんのおかげでいろんな音を知ることができる。
この2人の間にあるものはラブなのかと思いきや、それ以上のもののよーで。
そんな存在ってなかなか出会えないし、だからこそ大切にしたいと思うし。
その人から得たものも大切にしていきたいと思う。
子どもよりもおとなが考えさせられる絵本です。
投稿元:
レビューを見る
ドラマ「ラブレター」の主人公がこの絵本の作者(架空の人物)、というもの。「音が見える絵本」となっているけど、耳の聞こえないブタさんにサルくんがどうやって音を伝えたのかわかりにくい。ドラマの副産物でなかったら読む人はいないのでは?
投稿元:
レビューを見る
水彩画もとても素敵で、あたたかくなる絵本でした。
一つだけ疑問が。さるくんは、どこへ行っちゃったの…?
ドラマの中の作品ということで、ドラマを見たら理解できるのかな。
さるくんの疑問がずーっとついてまわって、
最後ほっこりとしつつも「?」状態です。
ただ、そんなさるくんの行方も子供たちと一緒に考えるのもいいのかなーなんて思いました。
投稿元:
レビューを見る
この絵本自体が良いかどうか別として、この本ができた背景の昼ドラ、もう10年程前ですが、花王愛の劇場の「ラブレター」は凄く良くて、当時毎日録画で観てました。
そのドラマの中で、この絵本が重要なアイテムとして使われており、読みたいと思ったものです。
絵本のストーリーは、少し中途半端な気がしないでもないですが、絵は好きです。
投稿元:
レビューを見る
生まれた時から耳が聞こえないブタさんに音を教えてくれたサルくん。音は楽しい音、音のないもの色々あって、音のないものは自分の心で感じる。ある日、何度サル君を呼んでもサル君は来ません。悲しさのあまり涙が溢れます。「楽しい音ばかりじゃ無いんだよ。」とサル君の言葉を思い出すブタさん。これがブタさんの初めて感じた悲しい音だったのでしょう。見えなかった音を教えてくれたサル君の存在。実際ドラマで拝見して覚えています。「ラブレター」もう一度読み返してみたいです。心温まるお話でした。