投稿元:
レビューを見る
子どもの臨床だけにとどまらず、カウンセリングに携わる人にとって大切なことが沢山書かれていたように感じられた。
また、岩宮先生の臨床に向かう姿勢がよく伝わってくる一冊でもあったのかなと思います。
自分のための 過去と未来を繋ぐ物語、自分にとっての生きていくための物語を紡ぎだしていくことで(物語の中を生きられるようになることでもある?)、人は再び歩みを進められたり、壁を越えられるのだと改めて感じさせられました。
投稿元:
レビューを見る
はっとさせられて、心に残る一文も多かったのだが、全体としてはすんなりと腑に落ちない印象を受けた。文章は読みやすいが、中身が素人には少々とっつきにくい気がした。
筆者がクライエントである子供たちが現実世界へ不適応を起している状況を『異界に居る』と表現しているのだが、その『異界』という表現そのものに馴染めなかったのが原因のようだ。
ファンタジーが好きで、異界には人外が住む世界というイメージがあり、また私がこのあたりの本を読みなおそうとして求めていたものが『現実に不適応を起している相手が自分とは異なる世界に住んでいる』のではなく、『現実に不適応を起している相手は自分と同じ世界に住んでいるけれども、表現形が違うからそれが自分には分からない』というイメージで異界という表現が自分にとってそぐわないからか。実際には、相手が異界に居て、自分と違う景色や感じ方をしていると考えた方が接しやすいのかもしれないが、そのあたりが自分の中で納得も整理も仕切れておらず。これはもう自分とは表現形が合わなかったとしか言いようが無いが、考えるきっかけはたくさん貰えたので、読んで後悔したものではない。
ただ、異界に居る輝き、というものは不思議だ。これは自分が全く想像できないの。
そして、そもそも、その人の現実世界への不適応が物語として語られることに納得がいかなかったというべきか、説得されなかったというべきか。
投稿元:
レビューを見る
図書館で借りて読んだ。スクールカウンセラーなどをしている著者が出会った患者、その患者がなぜ現実と折り合いがつけられないか考察していた。
特に印象に残っているのは偏食がかなりある男の子の話で、その子供はごはん以外のものを食べることができなかったという。偏食は親が甘やかしているせいという風潮がいまだに強くあり、その子も無理やり野菜などを食べられそうになって苦労したらしい。その子がごはん以外のものも食べられるようになったきっかけは、犬を飼って散歩しているときに出会ったおじいさんで、おじいさんはもう年齢のせいもありたくさんのものを食べることができず、今ではごはんしかおいしいと感じられないと子供に話した。子供は僕もごはんしか食べられないんだとおじいさんに説明すると、そっか、ごはんはおいしいもんなと肯定してもらえたらしい。いつもごはんしか食べられないことを引け目に感じていた少年は、その言葉で自分の食生活を前向きに捉えられるようになり、徐々に他のものも食べられるようになったそうだ。
投稿元:
レビューを見る
歯ごたえがすごい本……!
一つ一つの物事に心理的な意味を見出してる筆者の、思考の深さに脱帽。
そう理解することで自分の中の考えも整理している感じ。
子どもと関わる上での大切な視点も添えられていて、なかなか勉強になった。
投稿元:
レビューを見る
子供時代の甘えについては別の本(おそらく河合隼雄さん)で読んだことがあるが、異界については初めて。
とても興味深かった。