紙の本
ネットに対して悲観的にすぎる議論
2009/06/01 19:06
12人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Kana - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者がいうには,ネットでは 「バカ [= モンスター ?!] と暇人」によって,ちょっとしたことで炎上がおこるから,自由には書けない.それはそうだが,モンスターがいるのはネットだけではなくて,患者や児童・生徒の親や,そのほかいろいろなところにいる.だが,もの書きにとっては新聞・雑誌などの従来のメディアでは彼らが著者を直接攻撃できないように保護されているのに対して,ネットでは彼らを直接相手にしなければならないということだろう.だから 「ネガティブな書き込みをスルーする耐性が必要」と著者も書いているが,なかなか実際にはそうはいかず,サイトを閉鎖したりするハメになる.
ネットに期待をもてない著者は 「ネットでバカなこと,B 級なことができないのであれば,ネットでは最低限の情報公開を除き,何もすべきではない」 とまで書いている.しかし,かきこみの量では「バカと暇人」に勝てないものの,従来のメディアには書けないか書きにくいことに関する賢い読み手やコメンターもいるのだ.何もしなければ,そういうひとたちとめぐりあうこともできない.ネットに対してあまりに悲観的なこの議論に同意することはできない.
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ニュースサイトの編集長をやっている著者の視点で語られる「ウェブ」論は、目から鱗だった。
数々の具体例も挙げられており、「言われてみればそうだよな。」と思わず納得してしまう。
「ウェブマーケティング」を非常にシンプルに捉えていく必要があるなと実感。
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著者はアメーバニュースの中の人。
WEBの現場で仕事をするなら、部署を問わず一読すべき書。
これまで、たぶんみんなが思っていた、のど元まで出掛かっていたのに、誰も語らなかった現実だと思う。
こういう視点のない人がWEBの仕事をすることは危険だとさえ思う。
「バカの発言力がネット上では実に強いのである」
「かくして企業も個人もネット世論にビクつき、自由な発言ができなくなっていき、企業の公式サイトはますますつまらなくなっていく」
「その一方で参考にしないのが雑誌だ。雑誌でなにが流行ろうと、ネットに対して影響はない。(中略)雑誌はお金を払わなくては読めず、さらにコピー&ペーストができないからだ」
「炎上によってサイトやブログが閉鎖に追い込まれたとよくいわれるが、べつに炎上コメントがサイトやブログを閉鎖に追い込んだわけではなく、管理者が閉鎖を決定しただけである」
「はい、バカみたいなんです。そういうものなんです。人々の正直な欲求がドロドロと蠢いている場所なんです。友だちと飲んでいるときに『このビールはコクがあってノドゴシがスッキリだね』『そうだね。やはり酵母の力が生きているからじゃないかなあ』なんて宣伝臭ただよう話をしますか?ビールについて居酒屋で語るときは『一番絞りのCMに出てくるあの湯葉うまそうだよな、よし、湯葉頼もうぜ』『いやぁ、それにしてもビール飲むとなんでこんなにたくさんションベン出るんだよ!』みたいな話をしませんか?それが人々の関心だし、『語りたい内容』なんですよ、ネットもこれと同じです」
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タイトルだけ見ると耳が痛いね。
筆者の指摘は鋭いと思う。
と言うよりも、一般庶民の持っている意見や感覚を素直に代弁してくれてるという感じでしょうか?
(それを発見して言葉にしたのだからやっぱり鋭いと思う。)
・ネットのヘビーユーザーは、やっぱり暇人
・現場で学んだ「ネットユーザーとの付き合い方」
・ネットで流行るのは結局「テレビネタ」
・企業はネットに期待しすぎるな
・ネットはあなたの人生をなにも変えない
結局、誰もネットを良く知らないのだ → 納得。
てか、この本自体がネットユーザー向けな書かれ方してると思う。
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【ネットはテレビと同様に嗜好不明の不特定多数を相手にするメディア】
双方向のメディア・集合知などともてはやされたWEB2.0だが、普通の人を相手にしている場合は、意味がないとバッサリ切り捨てる
【ネットで消費者の声を聞けは大ウソ】
ーオープンソースでプログラムを作るなどといった、頭の良い人の世界では、WEB2.0の概念がしっくりきて、すばらしいプログラムの誕生へ役立つだろう。だが、相手が暇つぶしの道具としてインターネットを使っている普通の人かバカの場合、双方向性は運営担当者にとっては無駄である
ー消費者の意見を聞いたからヒットが生まれたなどと信じてはならない。このヒット商品はたまたま消費者の意見を聞いたことが発想のヒントになったが正しい。
ーネットの意見を参考にしたところ、後遺症が残った。これを集合愚と呼ばずしてなんと呼ぼう
又、ネットの情報から、大ヒットにつながるようなブームが起きることはほとんどなく、ブームはいつもテレビからだとし、テレビの時代は終わらないと語る
【ネットで流行るのは結局テレビネタ】
ー○○で私は痩せた!このスイーツがおいしい!とやれば、客が殺到し、品切れとなる状態を作れるのは、地上波テレビしかない
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“国民総表現時代”をネガティブな視点から眺めた新書。
所詮暇人のツールであって、ネタ元はテレビに戻る、という論。
“素人”のマスターベーション的な一面は確かにあるのでしょうが、
ネットが実社会で生み出している生産活動とか、素人でないプロがネット、特にマーケティングの世界で機能している点は殆ど触れられていません。
ナンシー関が存命でブログを開設したら炎上だらけ、という架空エピソードには大笑いした。
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最近「WEB最高!」系の本ばっかりだったので、
いいクールダウンになりました。
筆者はそういうWEB最高的な考え方を、「頭のいい人の使い方」と定義。
「普通の人、バカ」がネットを使ったらどうなるかを、筆者の経験と事例を交えて書いています。
「集合知より、集合愚のほうがしっくりくる」
とか。
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まだ、全部は読んでいません。ただ、素朴に感じたのはある意味『書を捨てよ町に出よ』に近いのでは?(まだ、完読していないので
この感想は変わる予定)あえて、パソコンを(逆説的に)否定しているという姿勢は良いのではないかと思います。
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タイトルの印象と比べるときわめて真面目。正直、個人的にはかなり近い仕事なので、「そうそう」と再確認するレベル。これからwebの世界に入る人には、ある意味良書かもしれない(2009.06.08読了)
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まぁ確かにその通りで、そういう言い方をしていくと元も子もないんだけれども。
なんだか偏差値の低い学生が、「学校の勉強なんて社会に出てからつかわねぇんだからよぉ、東大なんて行っても役にたたねぇんだよ」とか
「選挙に行っても何も変わらないから、普通の人は選挙になんか行かないだろ」って言っている感じ。
しかも、ここで言っている「ウェブ」っていうのが、BtoC寄りのメディア的側面でしか捉えられていなくって、
そこだけを取り上げてみたら、そりゃあ“ネットは、バカと暇人しか見ていない”ように見えますわなぁ。テレビと一緒で。
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「まさにその通り!」と思わずヒザを打つ感じ。
「ネットの威力」とやらを信じて討ち死にする個人や企業の
いかに多いことか。
テレビを見ているヒマ人がネットを見てるだけなんだから、
そういうものだと思っていないと、いろんなことを見間違える。
そのうち、ネットで一億総白痴化なんていわれるようになるん
じゃないか?
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ある種のweb万能論を振りかざしてる人がwebを楽観論というか性善説というか、賢い人が善意のもとに使う事を夢見てて妙な胡散臭さというか、石つぶての一つでも投げてやりたくなる感情を抱くのに対して、一般大衆を相手にしてニュースサイトを運営し、とてもじゃないが理解不能な状況に悪戦苦闘してる人が書いた本書は「まぁ、そうだよね」という納得感以外何も喚起しないものの、こういう本こそwebに関わる人は読んだ方が良いと思う本。(←一文が長ぇ)
日本社会ではwebが思った以上のスピードで普及してしまったがために、もっちーの夢見た「アテネの學堂」のような賢い人たちがお互いを高めあうような崇高な実験場とはならず、凡人達の足の引っ張りあいの場と化してしまった。
そのことを実感させてくれる一つの事例を提示してる、その一点だけでも2009年の今に出す意義のあった本だと思う。
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ネットには、「昼飯にぺペロンチーのを食べました」とかいったどうでもいい日記や、どうでもいいことにケチをつけるようなコメント、炎上、などなど、暇人によるくだらないどうでもいいような言葉が溢れている。
ネットは便利だが、しかし世の中を変えるような素晴らしい世界ではない。くだらないものまみれたダークサイドが広がっている。ネットの意味や価値が過剰評価されすぎている。そんなに大したもんではない。
そんな内容。それはそうなんだろうけどね。
所詮、ツールだからね。使う人間次第なんで。どうしようもない人間が数としては多いということの単なる反映なのだろう。
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確かに頷ける部分も多い。
ネット、ネットと世間で言われているほど、影響力という点では、まだまだ、テレビほどではないだろう。
ネットで検索されている事がらも、テレビや雑誌で見たことがきっかけになっている場合も多い。
著者の言葉で言う“気持ち悪い人たち”がネット上にたくさん存在している事も確かだ。
その反面、かなりの力の入れようでブログやホームページで頑張っている人もいるし、一概には言えないが、貴重な時間をただ漠然とネットに費やしている方はネットのあり方について考えてみるのも面白い。
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全て著者が体験したことなので、嘘はないのですが…。
ネットの編集者が、いかに大変なのかがわかります。
(著者も、ちょっとノイローゼみたいになってるんじゃないか?)