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荷風が家(家族や家系のことではなく、建物)に愛着を持っていた様子、『紅茶の後』というエッセイ集について、女性観、若くして老いを考えていたこと・・・など。
図書館で予約し、取り寄せて読んだ。私が好きな偏奇館のことがあまり書かれていなかった気がするし、独特の文体で「。」か「、」かを読み分けるのに神経を使ってしまうのがよろしくない。
でも内容は良かった。こんど読むときはメモを取って整理しながら読みたい。
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ほんの少し読んだ荷風作品と、荷風に関するものの中で、やっぱり荷風って凄い、興味深い人なのだ!!と実感。
持田さんの、実は荷風ってこんな人だったのよ、このように読むと面白いでしょ!!みたいにおしゃべりしてくれる。
もう、持田さんは止まらない。
「ほら、こんなにステキな人でしょ。自分で原稿用紙の版木を創っちゃうのよ!」とか・・。ほんとにいろいろとおしゃべりしてくれて、ついこちらも身を乗り出して「それで持田さんはどう思うの?」なんて聞いてしまう。
荷風の魅力を女性が引き出す・・というのも面白い。
モネの睡蓮が象徴的に登場する。表紙もモネ。そして栞紐も色を合わせた薄紫。
いいな!
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請求記号:910.2/ ナ
資料番号:011096153
「じゃあ、読もう。」と思える、現今の学術書3冊①
近代文学研究者の持田氏が,総合学術出版社 慶應義塾大学出版会より出版した社会・風俗分野の1冊。本書では,永井荷風を「フェミニンな作家」とした指摘(前著『朝寝の荷風』)をさらに深めています。
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第31回(2009年) サントリー学芸賞・社会・風俗部門受賞という栄冠に輝いたこの本。著者の荷風研究の、近年の到達点を示すものであるのは、間違いがない。私は先に2冊の著者による荷風論を読んでいたから重複するところがあったが、これはこれで一読しておきたいものだと思う。
キーワードとして、庭・親家庭と荷風・都市生活の巧者・老人の擬態による作家の社会批判などが指摘できると思うが、これらは私が既読であった本でも繰り返し語られていた。斬新な視点ではあるが、今後どんな読みを展開するのか非常に気になる方である。
泉鏡花に関する著書や折口信夫に関する著書は、未だ読んでいないがどのような関連性があって、どう同質の通底するものがあるのか、自分なりに読んでみたら、随分勉強になると思う。
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とかく、言葉を弄ぶような「いわゆる文芸評論」は巷間に数多あれど、永井荷風を論じるには、このような文体こそ論じるに相応しいと直感した筆者の着想は、まことに正鵠を得たものであったと言えよう。
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荷風の作品、人となりのあらましと奥深さを初めて知ることができ、目から鱗、とてもおもしろかった。持田さんのその他の著書、そして荷風の作品を読みたくなった。良い本との出会いに感謝。蔵書として購入したくなった。