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吉原を舞台にした連作短編集。花魁ではなく周囲の職業(創作も混じるようですが)に関わる人々の物語。話題になった『吉原手引草』に通じるものがありますが、こちらは人と人との繋がり、情が主軸になっているようです。最初と最後の話がぐるりと繋がった構成も魅力的。本書が初の単行本とのこと、今後がとても楽しみな作家さんです。
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花形 花魁の裏方役に生きる
上ゲ屋、保チ屋、目付け、妓夫など
吉原の男たちを中心とした
吉原の世界
地方の染物屋
植木屋の人々
妖しく艶やかな吉原とは
全く違う人々の生活が
どこかで吉原と繋がる
人とのつながりが
吉原に生きる人の
現実的な生活感
人の感情
人間模様が
垣間見れる
上ゲ屋の紀六
その紀六を殺すことになる花魁 染里
ふたりの想いは儚く切ない
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内容(「BOOK」データベースより)
上ゲ屋、保チ屋、目付…吉原を陰でささえる異能の男たち。妓を遊女に仕立て上げ、年季半ばで磨き直し、合間にあって妓の心を見張り、間夫の芽を絶つ。裏稼業を通して色と欲、恋と情けの吉原を描き切った鮮烈なデビュー作。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
志川 節子
昭和46(1971)年、島根県生まれ。平成5(1993)年、早稲田大学第一文学部を卒業。会社勤めのかたわら小説を執筆し、平成15年に「七転び」で第八十三回オール讀物新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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江戸の吉原が舞台のお話といえば、苦界に身を沈めた女たちの悲しい物語か、逆に思いっきり艶話か。でも、この作品は、そこで働く者たちの目からいろいろな話を紡いでいく。「上ゲ屋」「保チ屋」「目付け」「文使い」なんて、本当にそんな役目があったんだろうか。史実にあっていてもいなくても、読者を楽しませてくれればそれでいいのだし、花魁たちがそれによって辛い仕事を緩和してもらえたのだとしたら、と考えさせるところがうまい、と言えるだろう。連作短編の形をとっていて、一つの話に主要なキャラとして出てきた人が後の話では脇に回ったり、ほんのチラッと出てきた人が後の物語のキーパースンになったり。ぐるっと一周する趣向も面白かった。ただ・・・設定はとてもよくできていたと思うのだけど、そこで息づく女や男が、今一つ生身の人間らしくないような。もう一歩踏み込んで、笑ったり、迷ったりしてほしかったかも。オール讀物新人賞を取った若い作家のデビュー作なので、今後に期待大というところだろうか。
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L
短編連作。
最初から最後までどこかでだれかがつながってる。切ない話がてんこ盛り。
しっかし、そんな終わり方ぁ?どっと疲れた。
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吉原の話、というとたいてい遊女がメインになるものだが
遊女だけでなく、その周囲の人間にも順番にスポットを当てている。
上ゲ屋、保チ屋という商売は初めて知った。
短編集だが、前後に少しずつつながりがある。
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(15-72) 私にとって初読みの作家さん。連作短編集。最初の一編を読んだ時後味が悪くて、これはいやな読後感になるのでは?と心配した。読み進めると良い感じのもあるし、次の作品はちょっとだけ前のとリンクしてる構成なので興味を引かれてどんどん読んだ。連作だけどぐるっと回って帰っていく話は私の好み。
読み終わって・・・、哀しいけれど良い話だったと思う。