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亡くなった作家の自伝的小説を追って
様々な人に取材を重ねる女性作家。
小説の愛憎劇と自らの現実がリンクしていく。
面白くはあったけれど
最後がちょっと置いてけぼり気分。
「OUT」とのリンクがあるのかと思ったら全然別物だった。
【図書館・初読・7/7読了】
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『OUT』より12年目の衝撃!!
TVや週刊誌で取り上げられていたから、当りを確信して購入。
結果・・・外れだと思う。
私には、怖いとかそういったモノは全く感じ取れなかった。
'09.07.25読書完了
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よかったと思う。桐野さんにしてはさっぱりしてるなあ、という印象もあるものの。これくらいのほうが読みやすいには読みやすいかも。
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緑川未来男の著書『無垢人』=死者を意味する?
『無垢人』で描かれた著者と○子との不倫の恋愛話が
著者が死んだ後も残された者を苦しめる。
過去の恋愛を抹消しようともがく(?)主人公
抹消する前に相手が死んでしまった場合
残された者はどうやって消化すればいいのか
家庭がうまくいってこそ、不倫の恋が成立するのであって
家庭をないがしろにしてまでその恋を優先しない
それをわかっていなかったあの頃・・・若かったな
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毎年、桐野 夏生小説は必ず読んでるんだけど 「OUT」から12年ですか、早いですね。
今読み始めてるんだけど 幼女の時に大人の男性に愛された年配の女性の告白は気持ち悪い限りで。
年を止めることは出来ないんですよね。。。。
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桐野夏生が書く、作家と小説。
かなり興味深いものがあって、作家しか見ていないもの作家にしか見えていないものがこんなふうにあるのだと。
ちなみにタイトルとしては、どうなんだろう・・・。
あの「OUT」との対象作品のように単純に捉えると読むほうにはズレがあると思うけれども。
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2009.09.14. 衝撃の「OUT」に対を成す「IN」と聞いて拝読。カバーも似ています。でも、あの「OUT」のように血肉が通った恐ろしさはあまりないような。「恋愛の抹殺」をテーマに小説を書き進める主人公はなんだか強くない、むしろ痛々しい。劇中劇のような小説「無垢人」を読んでみたいです。こちらの人間関係は、濃厚そうでもっと読みたかった。
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「死は大きな虚ろなのだ。
死が大きな虚ろであるのは、死と共に関係が消滅するからだ。
残された者は、片方だけぶらりと垂れ下がった紐を持って、立ち竦むしかない。」
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『恋愛における「抹殺」』
この言葉だけで、読まなくてはいけない本になってしまった。
その上、『恋愛の涯て』
だなんて。
とんでもなくリアルでグロテスクで、痛々しい恋愛。
作者の完全なる創作なら、本当にすごいことだ。
作家と編集者の関係、作家と作品の関係、
現実と虚構を行き来する、タマキが脳内で桐野女史に変換されてしまう。
劇中劇ならぬ、作中作?が面白く、引きこまれた。
どうしてどうして、女はやっぱりしたたかである。
『小説が悪魔ですか、それとも作家が悪魔ですか?』
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「OUT」で衝撃を受け、以降桐野作品が出るたびに、貧乏くさい女のかっこいい暗さ、みたいなものを期待して読んでいる。
裏切られることもあり、答えてくれるときもあり・・・・
だから、このタイトルを本屋で見つけたときはうれしかった。
「OUT」の続編?あるいは「OUT」の対極で光をあびて生きる女の話か?
早く読みたい!!
・・・・・・なーんて、期待が大きすぎたのね。
緑川未来男という昔の大物作家が残した「無垢人」という自伝的作品の中に登場する、彼の浮気相手〇子とは誰か。現代小説家タマキは「淫(いん)」という小説の中で、〇子を主人公にするべく取材を始める。
テーマは恋愛における抹殺。緑川と〇子の恋愛がタマキと浮気相手の青司との恋愛とオーバーラップする。
うーん、〇子が誰であろうと私にはどうでもいい。
いっそのことタマキの書いた「淫」を読ませてもらった方がおもしろいかもしれない。
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桐野好きなだけに、面白くなく残念。
読了から数ヶ月経った今、内容が全然思い出せない・・
と他のレビューを見てやっと、ああ、なんとなく思い
出せた・・という感じ。何がどう面白くなかったのか
もあまり思い出せないけど「面白くなかった」という
のだけは覚えている。
面白くない、を連発しつつも最後まで読めたのはやっぱり
桐野作品だからか。
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Fさんより頂いた本。
【感想】
緑川未来男の小説「無垢人」が描く『恋愛の抹殺』について、
作家タマキが真実、に近いてものを、理解するまでの変遷やインタビューを追った小説。
驚いたのは、「無垢人」に出てくる妻と愛人の鬼気迫る存在感。
悪びれず飄々と生きる緑川は、まるで蠢く女たちを引き立たせるための静物のよう。
~小説は悪魔なのですか?それとも作家が悪魔なのですか?~
この文章に小説家の抱える宿命を感じる。
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2009年9月29日読了。
テーマは恋愛の「抹殺」。
主人公が小説家で、すごくリアル。
小説とは何か、真実とは何か。
作家は常にこのことを考えているのかもしれない。
<小説とは皆の無意識を拾い集めて、物語という時間軸とリアリティを与え、さらに無意識を再編すること>
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プロットは新鮮味ないのだけども 読み始めたら途中でやめれなかった。
事実は、どうでもいいんだよ。 一作家の不倫とか、興味ない。
恋愛の部分も 興味もって読めなかった。
ただ、この本の結末をどう結ぶかが知りたくて読み進めた。
読み終えた感想としては、やはり話の内容はイマイチなのだけど 文書的に読みやすく、分かりやすいということ。
心に残る物語でもないのに、読ませるだけのチカラはある。
作家のネームバリューもあったかもな。
前に、ある作家のエッセイに自分が書くものは全て脚色されているのに事実だと思われていて驚いたとあった。
エッセイさえも 全くの事実ではないと。
実名だしていても、それが事実なのか虚構なのかは 本人たちしか分からない。
そうそう、別のある本では一番最初に自分の人生を本にしてはいけないとあった。
なぜなら、それ以上の作品は書けないから。
( ・_ゝ・) < 事実は小説よりも奇なり
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小説は悪魔ですか。それとも、作家が悪魔ですか?
かつて小説家の緑川未来男は、
愛人の存在に嫉妬した妻の狂乱を
『無垢人』という小説で赤裸々に書いた。
そして今、小説家の鈴木タマキは、
己自身の恋愛の狂乱と抹殺を
『淫』という小説に書こうとしていた。
『無垢人』と『淫』を繋ぐ、「○子」とは誰か?
やがて「○子」は、書く人と書かれた人と書かれなかった人々の蠢く
小説の此岸の涯へ、タマキを誘っていく。
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作品に登場する作家・緑川未来男の小説『無垢人』が半ばに挿入されてはいるが、章ごとのタイトルはすべて「イン」である。「淫」「隠」「因」「陰」「姻」そしてタイトルの「IN」。
作家・鈴木タマキが自分の小説を書くために、緑川未来男の『無垢人』に登場する愛人・○子を探し出し、恋愛の抹殺を解き明かそうという物語なのだが、タマキ自らのW不倫である恋愛の抹殺も絡みあって、ときとして現実と虚構を行きつ戻りつするような感覚である。小説というものの性質を考えると、すべてが作者・緑川未来男によって生み出されたものかもしれず、本人亡きいまとなっては真実はだれにも判らず、周りの人々がそれぞれに想像することしかできないのかもしれない。読者としては、そんな正解のない旅をタマキと共に歩んだ心地である。もどかしさの残る一冊と言えるかもしれない。