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戦前の僻村で起きた不思議な出来事や猟奇殺人事件の短編集。いずれも実際にあった話らしい。農家の娘が馬に愛され、娘が婿を取ると、馬に食い殺された話。猫が化けて出る話。また、猟奇殺人では、女性の首を切り落としたうえで、頭皮や乳房を切り取るようなおぞましい事件の話がある。いずれも、とても恐ろしく、うつつではないような話である。
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全7編。前半の3編は明治~昭和初期の怪異譚、後半の4編は同時代の猟奇事件を扱ったもの。
「全て事実談である」と編者は言い切っているが、事実譚として収録されてはいるもののその媒体はカストリ雑誌等であって、現代でいえばそれこそコンビニに並ぶ「本当にあった●●話」や「実●ド●●メント」といった類のアングラ系雑誌に載っているような、虚実入り混じりのものではないかと。
「現実がフィクションに追いつき、追い越してしまった」なんて言われるほどに、昨今の犯罪の凶悪化や残酷さは目に余るものがあるけれども、戦前、否明治大正の時代にもひどい猟奇殺人はあったわけで。
……そして、それを物語として怖がりつつも面白がるような、暗い愉楽もあったということか。
詳細はこちらに。
http://rene-tennis.blog.so-net.ne.jp/2011-12-13
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「戦前のこわい話」3
編 志村有弘
出版 河出文庫
p30より引用
“巫女・かんなぎを仲に立てて死者と話をすることは、ずいぶん
古くから行われ、英国の探偵小説家コナン・ドイルという人は、
小説で稼いだ数百万という金をその死者と語り合う道楽のために
使い果たしてしまったという。”
怪奇・伝承文学研究者である編者による、明治時代以降に起こ
った特異な事件を収録した一冊。
死霊に関する話から猟奇殺人まで、非常に怖い話ばかり収録さ
れています。
上記の引用は、死者と話せるようになった人の話での一文。
シャーロック・ホームズを世に生み出した人が、霊的なことには
まり込んでいたというのも、面白い話です。コナン・ドイルは他
にも妖精の合成写真を信じてもいたらしいですから、不思議な事
に対して好奇心を抑えられなかったのかも知れません。
最近の世の中は物騒だと言われることがありますが、物騒なこ
とを表立って取り上げることが多くなっただけで、昔から物騒な
ことは同じように数多くあったのではないでしょうか。
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実話とされる猟奇事件や不思議な事件を明治・大正・戦前の雑誌より集めた短編集。実際の出来事かどうかはさておき、当時の読者からはこの手の話が求められていたのだと参考になる。
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明治、大正、昭和初期に実際起きた怪奇現象・猟奇殺人事件等を集めた話。事実として信じられ語り継がれてきた話であると著者は解説している。だが多少の脚色が時と共に徐々に付きながら語り継がれて完成したのかなぁと思ったのも事実。ただ、ベースとなる出来事は実際にあったと思う。僕はその辺りも踏まえて楽しんだが、最初から懐疑心の塊で読むときっとつまらないだろう(笑)後半は血生臭い話ばかりなのでグロNGの方にはお勧めできない。
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虚実入り交じりの実在の事件をまとめたもの。
思っていたよりもかなりエログロな話が多かった。
時代柄だろうか、表現として差別的な物が目について途中読むのをやめてしまった。
怪異譚ではなく、殺人事件ばかりで人間が怖い話という感じだった。実話の割に妙に装飾された表現も多いので、そういう読み物としてみるなら面白いのかもしれない。