紙の本
前半は当たり前の展開でつまらないなあ、って思っていたんですが後半は、結構骨太な話になっていきます。この巻だけでも楽しめますが、やはり順番通り(1)から読むほうがいいようです。
2010/02/01 20:22
3人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
前嶋重機には申し訳ありませんが、この下手なCGみたいなカバー・イラスト、足引っぱってます。私、これ見たとき、アメリカ人好みのCGアニメを連想しました。手書きのものに遠く及ばないセンスを、CGなら何とかなると思う愚かさ。CGはあくまで手段でしかないのに、そこに溺れてしまった絵のレベルの低さ。それがこのカバーにも出ています。しかも使う色が悪いので人間が病人にしか見えない。
それと邦訳タイトルのセンスの悪さ。原題は The Last Colony でしょ。それが『最後の星戦 老人と宇宙』ですよ。最後の殖民星、でいいじゃん、老人と宇宙、ってなんだ? って思います。本文中でジョンとゾーイが互いに「十代の娘さん」「九十歳のパパ」と言ったり、年齢設定もそうなんですが、違和感あります。作家にユーモアのセンスがないのは分かりますが、訳者がそれをカバーしないでどうする! です。
ということで私は全く期待しないで読み始めました。当然ですが、三部作の一部も二部も読まずに。不安はあったんです。アメリカ人と同じ単純でマッチョなスペースオペラだったら、途中で止めよう、そう思っていました。そして話は、前半、カバーやタイトルの陳腐さに呼応するようなツマラナイ展開をしていきます。どうかというと、カバー後の内容紹介は
コロニー防衛軍を退役したジョ
ン・ペリーは、植民惑星のハック
ルベリーで、ゴースト部隊出身の
妻ジェーンと養女ゾーイとともに
平穏な日々を送っていた。だが、
ある日、思いもよらない要請を受
ける。かつての上司リビッキー将
軍から新たな植民惑星ロアノーク
を率いる行政官になってくれと頼
まれたのだ.やがて、ジョンは新た
な戦いに巻きこまれていくが……
『老人と宇宙』のジョンがふたた
び大活躍するシリーズ、第三弾。
となっています。典型的な巻き込まれスタイル話です。主人公はジョン・ペリー、植民惑星ハックルベリーの監査官で、88歳になりますが、自分のDNAをもとにした新しい未改造の肉体を使っているので、30代に見えます。もとコロニー防衛軍(CDF)少佐であったことが、彼を事件に巻き込んでいくことになります。
ジェーン・ペリーはかつて特殊部隊の兵士で、現在は植民惑星ハックルベリーの治安官でジョンの妻です。CDFの特殊部隊ゴーストで大人として生まれたので、年齢は現在16歳ですが、30代の夫とはつりあいが取れています。二人の娘がゾーイですが、養女です。彼女にはヒッコリーとディッコリーというオービン族のボディ・ガードがいます。
お分かりのようにCDFでは、老人の肉体改造をクローン技術などを駆使しおこなっています。ジョンのように入隊して若い肉体を得るものもいれば、ジェーンのように成人として生まれた人間もいます。ちなみに、ジョンに頼みごとをしたリビッキー将軍ですが、100歳を越えているものの、CDFの肉体のままでいるので23歳に見えるそうです。
ジョンが引き受けた困難な仕事に、娘のゾーイと彼女を守るという使命を帯びた不思議なオービン族が絡んでいきます。後半に入って話は予想外の展開をしていきます。最近の流行、といえば言えるんですが、でもこの展開は悪くありません。これなら、未だ読んでいない第一作が2006年のジョン・W・キャンベル賞受賞というのも頷けます。ともかく前半との落差が、もっとも意外でした。
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「老人と宇宙」の3作目。一応これでシリーズは完結らしいけど、義理の娘の視点で描いたスピンオフがあるらしいので、シリーズは続くのかも。やっぱり映画向きですね。
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前作で退役している事もあり戦闘シーンは控えめ。
未知の惑星に殖民部分と、多種族が鎬を削る宇宙での人類の立ち位置が明らかになる辺りは面白かった。
ただし、一冊分の分量なので物足りなさも有る。上記の部分をもう少しボリュームアップして上下巻くらいになるとちょうど良いかもしれない。
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で、一作目で出会った二人が
二作目の事件もあり、ようやく共に平和な
移民として生活を共にできた。。。とおもったら
なんか思いっきり巻き込まれてんじゃん!?
旦那さんのほうは人の体にもどっているが
戦闘センスや戦略はやはり経験者。
嫁さんは軍の策略により、人造人間の
体にもどされてしまう。。。が
嫁さんがまた美しく戦ってくれちゃうんだわ。
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シリーズ最終巻。
一作目同様、年寄りなのに若いジョン・ペリーが主人公。
愛するジェーン、養女とともに、植民惑星で退役後の生活をのんびりと送っていたペリーだが、またぞろコロニー連合に振り回されるはめに。
それにしても、前作では3つのエイリアン同盟軍との戦争を避けようと、あれほど必死になっていたコロニー連合が、コンクラーベとの対立によって引き起こされる結果を予想すらできないというのは、あまりに愚かすぎる。
情報統制も含めて、権力側のそうした愚かしさに一矢報いた感のあるラストは痛快。
前作でちょっと気になる存在だった、ゴースト部隊のシラード将軍。今回もなかなか、格好イイところをみせてくれる。
ペリーの養女ゾーイの視点から、本書での騒動を捉えなおしたZoe's Taleが上梓されているとか。こちらも楽しみ。
The Last Colony by John Scalzi
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既読でしたが、先日「ゾーイの物語」を読んでもう一度読みたくなり、本棚をひっくり返してようやく見つけ、再読しました。
異世界での一般の生活描写から、徐々に人類を巻き込んだ大きな話しにシフトし、最後は三部作をきっちりまとめたストーリー。大河ドラマとでもいうべき内容を一冊にまとめているせいか、語っていない要素が少なからずあり、ご都合的な展開も見え隠れしますが、その分、話し運びに勢いがあり、最後まで波瀾万丈でした。
当時、作者は三巻で完結と言っていたそうですが、四冊目では語られなかった部分が明らかになっています。ちゃんと考えられていたことがわかったわけですが(笑)、語らずに済ませた内容のは濃密で、そこを削ったという、思い切った割り切りというか大胆な構成に驚かされます。
「最後の聖戦」と「ゾーイの物語」は二冊まとめてよむべきではないかと思います。もちろん一冊目の「老人と宇宙」二冊目の「遠すぎた星」は必須ですが。
視点の異なった同じ時間軸の物語のため、単なる上下巻の長大な小説と違った読書体験ができると思います。
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3 部作の完結編。
ジョン・ペリー再登場。
今回は兵士としてではなく、コロニー行政官として。
ちょっと弄れてはいるが、ユーモアのある愛すべきキャラ。
本作で、シリーズ全体が上手くまとめられ、
本当に楽しめる良作品群であった。
先住知的生命体の事とか、
いくつかもっと掘り下げて欲しい点もあったのがやや残念。
2010年 星雲賞海外長篇部門受賞作品。
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んーっ!!読み終えてこんなに気持ちの良い本は久しぶり。また「老人と宇宙」から読み返したくなるように、うまーく作りこまれていて、うん、脱帽。人種や文化が違うだけで他者を排除し戦い続けてきた”人間”に対する大きな大きなメッセージを感じます。
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放題と表紙が陳腐すぎてリアルな本なら購入しないが、前作までが面白くキンドルで勢いで購入し、一日ですぐ読了した。
異星人とのコミュニケーションがそんな簡単に行くはずはねえだろ!という突っ込みはともかく、エンタメとしては面白かった。
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他の惑星を植民地にする人類。宇宙にはたくさんの部族が存在する状況で、あたかも全宇宙を支配するかのように振る舞うコンクラーベ(地球で一般的なコンクラーベとは異なる)。ジョン・ペリー(かつて緑色の肌で戦った老人兵士)とゾーイを含む者たちは、新しいコロニーに入植するが、そこにコンクラーベの魔の手が伸びてくる。さて、この危機をどう乗り越えるか。状況が二転三転するのはエンタメ小説の定石なので、素直にストーリーを堪能しよう。コンクラーベの本当の姿やポリシーに翻弄されながら、先を想像するのが楽しい。さて、本作品は「老人と宇宙」シリーズの完結編となるらしい。とはいえ、続編があるので、引き続き読んでいきたい。
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面白くなってきた、続きがあるのが楽しみになってきた
表紙 5点前島 重機 内田 昌之訳
展開 6点2007年著作
文章 6点
内容 660点
合計 676点
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シリーズ2を手にとってパラパラと見たら1とは全然登場人物が違う。毎回違うステージの話なのかと思ったらそうではなく、1と3は同じというので2を飛ばしてこちらを読んだ。結論から言うと2を全然読んでなくても支障はない。2の話が3に出てきているのかどうかはわからないレベル。
ジョンは家族とともに行政官として植民惑星ロアノークへ向かう。ロアノークへ向けて宇宙船はジャンプを終えたが、到着した惑星はロアノークではなかった。仕組まれた間違いには何が隠されているのか。
『月は無慈悲な夜の女王』が、アメリカ人にとって独立戦争を想起するものだというが、こちらのこの話もそういう含みがあるんじゃないかと思った。ただ、植民者が全員で武器を取って立ち上がるのではなく、主人公とその周辺の人たちが、であるが。
最後まで飽きずに読めたが、SFとしては政治的陰謀の謎解きの比重が重すぎるかな。ただ、これで終わりと書いてあるが続きがあるのよね。ははは。とりあえずその前に2を読まねば。
おまけ。ヒッコリー&ディッコリーの名前にはやや特別なニュアンスがあるようなことが文中に書かれていたが、マザーグースの歌に出てくるねずみの名前で、歌には時は金なりの意味があるとか。いまひとつピンときませんでした。
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最後までどんな決着がつくのか、予想できなかった。このシリーズ、おもしろい。
ただ、入植した惑星の先住の知的生物についての伏線が回収されてなかったような…
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元ヨメと。もう戦争はいいよ!と引退したのに、どえらい渦中に!これでシリーズ終わったかと思わせられた第3作。