紙の本
裏に隠された努力を思う。
2011/09/13 07:42
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:のちもち - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者の働くフィールドには個人的にはほとんど縁がないので、その職場の過酷さは正直わからないのだが、少なくとも聴覚を失った人が勤める職場として「合っている」とは言い難いと思う。「耳が聞こえない」というハンデを背負いながらも、健常者と同じ環境で幼少期を過ごす、という「両親の愛」に囲まれながら、「接客」という世界に入ってきた著者。そのハンデを乗り越えるのは並大抵ではないだろうと思われます。一部の心ない学校の先生の言葉や、職場の上司の偏見などが書かれてるが、おそらく現実はこんなもんじゃないはず。それを乗り越えてきたのは、接客という仕事に対する「好き」の気持ちから、なのか。
中学、高校時代の「荒れた」生活についても描かれていたが、これは障害によるもの、というよりもひとりの少女として、「落ちて」しまった、ということだろうと思う。が、それを見守る両親の気持ちに思いはせると、いたたまれない気になってしまいましたね。両親、とくに母親との衝突について、本書の中では「未解決」のような感じでしたが、社会で仕事をするひとりの人間として、早い段階でご本人に気がついてほしいなあ、という、「親目線」で読んでしまった箇所も多くあり。そんな読み方をする本ではないのかもしれないけれども。
職業としてのホステスは、実は「プロ」のレベルが相当高いのではないかなあって思います。けして安くない金額を払って、時間を買う。自分の財布を開いて行こうとは思ったことすらないけれども、ごくわずかな機会に遭遇して感じるのは、(著者も書かれているが)当人たちの努力や真剣さが生み出す「人間としての深み」 を感じられるかどうかで、その時間が楽しいものになるかが変わってくる、ということ。その世界では一流と呼ばれる「銀座」だって、話していてつまらないと感じることもある。「マニュアル」で動いている人は少ないと思われますが、「相手の表情や様子によって臨機応変に」対応する、というのは、やはり「プロ」でなければならない。そして「プロ」であるためには、いろいろな知識で武装する必要もあるだろうし、場数の経験(それをその後に活かす技量)も必要なんだろうと思う。まあ、その世界に縁遠い自分には、語る資格もないけれど。
筆談というツールを使っているものの、それはあくまでツールであり、本質は「プロ」であるかどうか、それによって、「成績」が顕著に変わってくる世界であるのだろう。ダイナミックであるが、同時にキビシイ世界でもある、ってこと。「耳が不自由だから」という点は確かにハンデだし、これからも生きていく上では「いっしょに」つきあっていくしかない。著者はそれを「受け入れて」いる様子で、その上でどうするか、という考え方ができているようなので、たくましくも思えるし、応援したくもある(お店にはいかないと思うけれど)。ただ、いつの日か、ご両親への対応、を考えてほしいなあって思います。それだけが惜しい、と思った点。
【ことば】体調が悪そうな方には、無理にお酒をお勧めするのは絶対にNG。その日の売り上げも重要ですが、お客様には長いお付き合いをしていただくことのほうが、何よりも大切だからです。
ホステスの世界は、相当に「数字」にシビアではないかと思われます。それは自分の行動が自分の数字に「直接」跳ね返ってくるから。こういう考え方ができるのは、余裕や経験値から、なのかもしれませんが、こういう「相手のこと」を考える点が、結果、「間接的に」数字を積み上げるんでしょうね。
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筆談でナンバー1ホステスに上り詰めた聴覚障害を持つ女性の本。
mixiニュースで取り上げられていました。
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世の中の常識を覆して、どのように筆談で接客業をされるのかとても興味深かったです。
人生にちょっとツマヅキ気味の方に、特に読んでもらいたいと思いました。
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テレビで彼女の事を知り、本を購入。
泣けるような感動モノではないけど、
彼女の強さや気配りに触れられる1冊。
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●忙しいという字は心を亡くすと書きますね。忘れるという字も心を亡くすと書きますね。
●辛いのは幸せになる途中ですよ。
●褒めるときには、必ず、「あなた自身を褒めている」というのを明確にしなければなりません。
●お客様ひとりひとりを見極めて、気の利いた褒め言葉が自然に出るようになれば、ホステスとして、一歩成長したといえるかもしれません。
●夜の銀座は男と女の駆け引きの場です。お客様も、ホステスとの言葉の駆け引きを楽しんでいるのです。
●その日の売上も重要ですが、お客様には長いお付き合いをしていただくことの方が、何よりも大切です。
●容姿や裕福さよりも、お金を賢く使えること、多くの方から信用されていること、相手の気持ちを察することができること、この三つを兼ね備えている方が素敵な男性の条件。
●やり方は三つしかない。正しいやり方。間違ったやり方。俺のやり方だ。
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よくも悪くも、言葉というのは
人に影響を与える「ちから」がある
人と接するうえで
人一倍、言葉に磨きをかけてきた人物が紡ぐ文字を、言葉を、
読んで損はないでしょう
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双方向コミュニケーションを学ぶのにすごく役にたちます。
また、これから漢字を勉強していく子供達にも楽しく漢字を教えれそうです。
漢字の国に生まれて光栄だと初めて実感しました。
「辛い(つらい)」という文字は、横棒一本加えると「幸せ(しあわせ)」になる。
つまり、辛いのは、幸せの途中だというのに感動しました。
著書では、このようなものがいくつか出てきます。
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きこえないながら、銀座でホステスをするということは、初めて聴いた時には「えっ?」と思いました。この本を読むと、理解者・協力者に加え、何よりも本人の強い意志があって初めて可能になったのだと思わされます。
「きこえない」ということに直接言及する場面は思ったより少なかったような気がします。あとは、他のホステス本と同じ、接客術などが書かれています。
個人的には特に強く感銘を受けるところはありませんでした。ただ、題名以上の内容になっているかは、読んで感じる人それぞれでしょう。勉強させてもらったのは、やはり「本人の意思の強さ」。ここに困難がある人はきっと、手記を書いたりという俎上には上ってこないんでしょうね。
アイデンティティの問題かと思いますが、自身は人工内耳手術を受けたにもかかわらずそれを結局使っていないのに、自身を「難聴者」と記すのは不思議な気がしました。「ろう」とくるのが自然かという先入観がありましたので…。
著者の「難聴者」という単語に込められたアイデンティティを、探ってみたくなる気がします。
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この本は佐藤里恵が筆談ホステスになるまで、なぜ筆談ホステスになったのかが書かれています。
テレビなどでも紹介されたりしていて興味を持ち読んでみようと思いました。
小学生の時耳が聞こえないことが理由で担任の先生からひどいいじめを受けたそうです。
そしてだんだん荒れていくようになり学校も行かなくなってしまいました。
そんなとき通りかかったクラブのママに声をかけられホステスへの道に進んだそうです。
この本を読んで苦しくてもあきらめないで努力する大切さを教えてもらい、勇気ももらいました。
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メモ
筆談術
NG 「素敵な時計しているのね」
OK 『ファッションのセンスが抜群ですね』
NG 「このワイン美味しいわ!」
OK 「このワインを知っているあなたって本当に博識ね」
OK 「XXの新作ですか?かっこいい!」 ブランド好きな相手の場合
時には知らないふりをすることも
「辛いのは幸せになる途中ですよ」
最後のページは泣けました。
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著者は、病気の後遺症で耳が聞こえなくなった聴覚障害者だが、銀座でホステスをしている。
生い立ち、現在の仕事(筆談のこと)、そして将来の夢。
どんな状況にあっても、自分の持てる力を最大限に出していこうと思えた。
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聴覚を失った筆者が筆談を用いたコミュニケーションで、銀座のホステスとして成功するまでの道のりが書かれています。言葉の大切さ・重みを痛感させられる一冊です。
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難聴の女性が筆談でホステスをやっているというお話。いろいろ書いてあるけど、とどのつまりは美形だから続いているんじゃないの?って言うのは意地悪でしょうか。
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年齢は私よりも一つ上、聴覚に障害を持った女性のお話。彼女のとても仕事に対しての前向きさや、一生懸命さに、自分のぐうたらさが恥ずかしくなりました。人との会話で、どんなことを言えば相手が喜ぶのか、悲しむのか…など、彼女の筆談術もとても勉強になりました。
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まったく聴力がないホステスがはたして銀座で成功できるのか?答えはできる…。ホステスという職業の本質は、相手の話を聞き、癒しを与え、元気づけること。それを相手のプライドを傷つけずに上手にできるかどうか、というところにありますから肉声でそれをするか筆談でするかというのは根本的な問題ではないのでしょう。でも、でもですよ、自分が女性で耳が聞こえないとしてホステスにチャレンジするでしょうか?鼻からあきらめて、いわゆる「障害者が多く働いている業種」を考えてしまうのではないでしょうか。著者はまだ若くて(25歳)これからもっともっと人間的な魅力が増してくると思います。気負わず、あきらめず、チャレンジを。