紙の本
涙の行方
2010/01/07 11:06
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:はぴえだ - この投稿者のレビュー一覧を見る
風変わりな小説なんだけど、根底に流れるものは、せつなさ、かなしみ、恋、そして生きるということ。
ジャンル分けがとても難しい小説で、恋愛ものといっていいような気もするんだけど、青春ものといっていいような気もするし、幻想ものといっていいような気もする。
主人公は不思議体質で、こどもの頃からそれに振り回され、それでも閉じこもることなく何とか生きている。
ある意味、ここに強さを感じた。
そして、恋をする。
初恋だったり、淡い恋だったり、背伸びした恋だったり、すれ違いの恋だったり、打算の恋だったり。
地に足がついた時には、もう・・・・・・
ファンタジーまで突き抜けてないので、少しのふしぎなんだけど、その変わった感じに煙に巻かれそうになりつつも、じっくり考えて味わってみると、心締め付けられる作品で。
せつなさに、涙に、溺れそうになった。
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不思議体質が、すっごい不思議。
不思議体質だったらすごい苦労するだろうなぁ。
びしょ濡れで教室に戻ってきたのが、イリュージョン。
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相変わらずの、不思議空間。
ラストは不思議と言うよりは、もはや意味不明。
それでも胸に余韻を残す、妙な味わいのある作品。
君枝の周りで起こる、現実では有り得ないような出来事たち。
彼女にだけは見えるし、聞えている。本当にそう?実はそれも君枝が創り出した、創造上のものではないかと、勘繰りたくなる。
どこまでは実際に起こった事で、どこまでが彼女の脳内で起こってる事なのか判断がつかない。
ふらふらと地に足が着いてないような感覚で、君枝同様読んでいて覚束なく、どこか不安にさせられる。
それでも不快にならないのは、著者の作りだした空間が心地良いと感じているからだろう。
いくつかの章に分かれているけど、私は「彼のセーター」の小さい陸が何とも可愛らしくて好きだった。
ところで。読み終わってからも気に掛かるのは、久世の正体。結局何だった?実在する人物かどうかも怪しい。
ちょっと切ないタッチで不思議な話を描きつつ、物語終盤で予想外の展開を迎える。
やっぱりどこまでも不思議な物語。
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梨屋小説の中では微妙な部類、とは言わざるを得ないか。
作者が初めて青年期〜大人にかけての年代に挑戦した作品だが、主人公がちょっと不思議ちゃんすぎやしない?
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誰にも見えないものが見え、ありえないことを体験してしまう「不思議体質」の君枝。彼女のことを理解しているのは、幼なじみの陸だけだったが、あの頃の二人は、お互いの大切さに気づくことができなくて――。
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誰にも見えないものを見たり、ありえないことを体験する少女と、その相棒の少年。悲しいし切ないけれど、前を向こうとするのがすごい。子どもの頃は大人になれば悩まないと思っていたことも、やっぱりまだ悩みでしかなくて、そうやって生きていくんだなぁと思った。
2009/11/3
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<内容>誰にも見えないものが見え、ありえないことを体験してしまう「不思議体質」の君枝。そんな孤独な心を、幼なじみの陸をのぞいては誰もわかってくれなかった。でも、あの頃の二人は、お互いの大切さに気がつかなくて―。少女から女へとつづく、幻想の海原を漂いながら、見失ったのは、ほんとうの愛。哀しみの向こう側を、きらめく才能が描いたラブストーリーの新しい波。
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他の誰にも見えないものが見え、ものがしゃべり出す・・・ありえないことを体験してしまう“不思議体質”の君枝。望んでない“不思議”に振り回される君枝の孤独な心をわかってくれるのは、幼なじみの陸だけだった。求め合いながらもすれ違う二人の心のゆくえは?
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不思議体質の女の子が主人公の話。
半分くらいまではたった一人知っていてくれる幼馴染の男の子との微妙な距離にドキドキして読んだんだけど、後半は何だそれって展開でイマイチ。
不思議が起こる描写とか、理解はしてくれないけど知ってくれているリクとのもどかしさとかはよかったんだけど。
後味が悪いのが基本的に嫌なんだよなぁ。
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主人公が不思議体質という設定で、タイトルやカバー、そして帯から、泣けそうかなと思ったんですが、それほどでもなかったです。
むしろ、読んでてイライラしてきました。物語全体にユルさが蔓延していて、締まらない感じでした。
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誰にも見えないものが見え、ありえないことを体験してしまう「不思議体質」の君枝。そんな孤独な心を、幼なじみの陸をのぞいては誰もわかってくれなかった。でも、あの頃の二人は、お互いの大切さに気がつかなくて-。少女から女へとつづく、幻想の海原を漂いながら、見失ったのは、ほんとうの愛。哀しみの向こう側を、きらめく才能が描いたラブストーリーの新しい波。
素直に面白かった。時系列はバラバラだったけど、読んでるうちに分かってくるし、途中の陸との関係とか、面白かったのに...ラストの数ページが、かなり残念だった...最後がかなりもやもやしてしまったよ。
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その人がどんなに自分にとって大切だったか、失ってから気付くのには遅過ぎた。もしかしたら失わなければ気付かないことだったのかもしれない。寂しくて寂しくて、もがいてしがみついた島はただ居心地の悪い場所と化した。じゃあどうすれば良かったのだろう。どうすれば幸せになれるのだろう。それでもまだ、行きているのだから答えはゆっくり探してみようと思う。
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すごく不思議で、切なくて、読んでいて胸を打たれた。
主人公の「不思議体質」が印象的。
ラストが少し気に入らなかったけれどもとても良い話だった。
スダジイのことを同じように思ったことがあったから、なんだか嬉しくなった。
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【あらすじ】
誰にも見えないものが見え、ありえないことを体験してしまう「不思議体質」の君枝。そんな孤独な心を、幼なじみの陸をのぞいては誰もわかってくれなかった。でも、あの頃の二人は、お互いの大切さに気がつかなくて―。少女から女へとつづく、幻想の海原を漂いながら、見失ったのは、ほんとうの愛。哀しみの向こう側を、きらめく才能が描いたラブストーリーの新しい波。
【感想】
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この人の電波な話がたまらんのですよ…
各章で時系列がバラバラ、だけどどれも起承転結のあるお話で、きちんと1章でまとまっていて面白い。
主人公と幼馴染のはじまりそうではじまらなかった、なんともいえない切ない関係に身悶え。
終わり方は消化不良系ですな。嫌いな人はきっと嫌い。
切なくてしぬううううってぐるぐるしたいときにおすすめ!です!