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日常世界の常識に反する相対性理論の世界。
すべての『常識』を覆すべく、新しい素材を多用した解説本。
相対性理論の解説本の三冊目となりました。ここまでくると極めたくなってきます。
頭が相対性理論に慣れてきたのかもしれないですが、私はこの本が今までの中で一番分かりやすい気がします。
特殊相対論=運動の理論(おもに光速や時間など)
一般相対論=重力の理論(時空の歪みなど)
という基本的なことがそもそもよくわからなかったのです。一般の中の一部分が特殊だと思ってたんですが、特殊が先にありその後に一般が来るのですね。
そもそもどうせ理解するには遠いので、大まかな概要を知りたいと思って読み始めたものなので、個々の事例を説明されてもそれが繋がってこなかったんです。
特殊相対論の基本原理は2つ
・光速度不変の原理(光の速さは常に光速度である)
・特殊相対性の原理(静止している人にとっても、動いている人にとっても、自然の法則は同じようになりたつ)
一般相対論の基本原理
・等価原理(重力によって生じる力と加速によって生じる力が感覚的にも測定でも区別できないのなら同じものとみなす)
・一般相対性原理(重力場中でも加速運動でも慣性系でない人でも自然の法則は同じようになりたつ)
特殊が等速直線運動する慣性系だけを扱ったのに対し、一般では加速系も扱うことができる
こう書くと難しくなっちゃうけど、要はこれだけなんですね。
それでもやはり時間がずれるなどを理解するのは難しいです。空間の歪みまでいくとさっぱりですし。
ただ今回、この理論は頭の中のことだけかと思ってたんですが、実験や観測によりいろいろと正しいことが証明されているんですね(しかもそれでノーベル賞をもらってる方も多い!)。
余談ですが、良い理論の基準が
もとになる公理や原理が少ないこと、矛盾がないこと、観測事実とあうこと、さらに多くの観測事実を予言できること(相対性理論はぴったりですね)。そして、美しいこと!?
これが妙に気に入りました。