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ダーウィンの伝記絵本。
総ルビではないので、自分で読むなら高学年からだろうか。
ダーウィンが残した手紙の文章なども挿入されている。
180年ほど前のこと。
そう遠くない過去の話なのに、自然科学の分野はまだまだ発展途上だったことがよく分かる。
ダーウィンの父は医者で、経済的には恵まれていたというが、優しい父でも博物学者など親族の恥!と思っていたようだ。
産業革命で国力をつけたイギリスが、海洋進出を果たす。その恩恵でダーウィンも世界各地を巡って動植物を採集し、一つ一つの事実を繋げて、丁寧に検証し、年月を掛けて進化論へとたどり着く。
版画で描かれるダーウィンの生涯。
素朴ながらも力強い。
先日読んだ「大英帝国自然史博物館珍鳥標本盗難事件」のアルフレッド・ラッセル・ウォレスの名前も出てきて、ちょっと嬉しくなった。
この時代、キリスト教の権威は相当なモノで、神学を学んだダーウィンが、体調を崩すまで自論を心の底に秘め続けたというのが、なんとも辛い。
地球生物の進化の解明の幕開けは、同時に地球環境破壊の幕開けでもあるんだよなぁ…ダーウィンが生きていたらなんと言うだろうか?
2020.5.14