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歩行技師とか、存在しない図書館とか、一部の人にしか聞こえない鐘の音とか、どこから出てどこへ向かうかわからないバスの光・・・、さすが、三崎さんは面白い設定を持ってくるなって感心した。こんな形で喪失を書くなんて。いないのに、いるっていう設定がハンパじゃない。いないのに図書館は利用され、ラジオにハガキは届き、バスは運行する・・消えたはずの3095人は、まるで生きているようなのに、いつしか、本当に、消えていく。鳥肌が本当にたった。でも、これは喪失の話ではない。もっと強い物語。
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三崎亜記の作品は、なんつーかもう深く設定とかつっこんで考えずにSF
というかラノベというかPCのノベルゲーム(というのかな?)という感じで
読めばいいかなぁと思えてきました。
「あの感動から3年」とオビにあったけれど、『失われた町』とは直接接点
ぽいのは見当たらなかったなぁ…。
ちなみに、
私はどうしても小説を読むと絵(画像)を頭の中で組み立てて読む人なのですが、個人的にこの作品は直前まで読んでいた漫画家オノ・ナツメの絵で読んでしまいました(中年男性がよく出てきたので…)。
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3,095人が消え去った街。
それから10年後、街は今もその人たちがいるかのように日々を営んでいた。
連作短編ともいえるが、私の中では長編傑作。
「となり町戦争」が期待はずれだったので敬遠していたが
今作は淡々と描かれていながらも
深く心を揺さぶられた。
【図書館・初読・8/5読了】
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突如失われてしまった住民。
残された住民は10年という年月をかけて、それぞれの方法で愛しい人の存在を徐々に心の片隅にしまっていく。
そこには傷ついた心を支える新たな出会いがあり、新しい生活がある。
この小説でも三崎さん独特の世界が繰り広げられる。
海堂作品のように過去の作品と少しずつリンクしているので、都市の様子や音楽、お茶などなじみがある小道具もちらほら出て来る。
だから、あり得ない世界ではなく、どこか遠くの町のお話と思えてくる。
人々がゆったりと生きているのとは反対に、住民を束ねている行政はひたすら管理社会で、そのギャップにぞっとするのだが、
それでもその行政に属する人達もまた一人の人間で、生身の心をもっていて、真摯に自らの職を全うしようとする姿勢がひたすら描かれる。
読み終えた後にじわじわと不思議な気持ちになる作品だった。
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三崎作品も6冊目? どんなジャンルに入る作品かはぼくにはよくわからないが、どの作品も頭の中で物語がイメージを持って先走りし、それを、これまた頭の中のなにかが追走する展開となる。実に不思議な、軽い感慨を伴って読了する。
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「失われた町」と軸を同じにする話。
続編と書かれていたけれども、読んだ印象は「リンクする部分はあるけれども、違う話」と感じた。
多分、街が失われる原因が同じではないからと推察する。
推察するというのは、改めて「失われた町」も読み直してみたが、街の失われる原因がやはりどちらもわからないからである。
曖昧なままでも私は十分楽しんでしまうタイプなので、結局はどうでもいいのだけれど、「刻まれない明日」を読むのであれば、三崎氏の他の作品を読んでからのほうが色々と楽しめるんじゃないか―――ということだけは書いておこうかと思う。
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『失われた町』が理不尽に町が消滅することによる喪失感、悲しみ、それに抗う人達を描いたのに対して今回の『刻まれない明日』は消失した人達の記憶の残像を感じながらそれを<忘れていく>ってことで新たな明日へと踏み出していく物語。
三崎さんによれば『失われた町』と『刻まれない明日』は続編と言うより兄弟といった関係であるとのことらしい。
忘れるってためには新たな出会いが必要ってことで今作は今までの三崎作品にはあまり感じられなかった恋愛感情が色濃く出ています。
いきなり序章から道の意思を感じながら歩き続ける『歩行技士』って職業が出てきて三崎ワールドに引き込まれていきます。
その歩行技師と事件でたった一人消え残った沙弓が街の鼓動を感じながら歩き始めるところから物語は始まります。
第一章では事件で消えてしまったはずの図書館第五分館のたよりを届ける西山係長と藤森さんの物語。
第二章は一部の人だけに聴こえるという鐘の音が聴こえる駿と共鳴士修行中の鈴との物語。
第三章では出るはずのない12番乗り場発の最終バスをめぐって坂口さんと元バス運転士の持田さんの物語。
第四章は夜毎奏琴を奏でる宏至と事件が原因で不登校になった高校生若菜の物語。
第五章では消失した街の余剰思念をコントロール維持管理する供給管理公社に勤務する黒田さんと梨田さんの物語。
そして書き下ろしの新たなる序章へ、
各章の登場人物一人一人が新しい明日へと歩み始めます。
歩き始めよう、終わりはまた新たな始まりでもある、想いはきっと届くはずだ、歩き続けよう。
ただ一人消え残った沙弓さんが物語を通してのキーパーソンなんですが各章ごとに主人公が変わりその主人公それぞれがなんらかの形で街の消失で大事な人を失った人達です。
失った人への強い思いを残しながら新しい明日への道を踏み出そうとしていきます。
忘れることは辛くてやるせなくてでもでもいつまでもそれを引きずっては歩いて行けない。
新たな大切な人と出会うことによってそれを乗り越えていこうとしています。
哀しいけれど人と人を繋ぐ素敵なラブストーリー
第五章の黒田さんはある後遺症によって人から顔を認識されることが出来ません。
梨田さんはその障害が残ることがわかりながらも黒田さんを助けます。
そのときの言葉がすごく三崎さんらしい愛の形でジーンときました。
『俺の顔がわかることと、みんなから顔を覚えられなくなることとどっちが大事か損得勘定もできないのか?』と黒田さんが言えば梨田さんがこう言います。
『一番大切に思える人の顔がわかる方が、大事に決まってるじゃないですか』
人からは顔を覚えれなくても障害を持った者どうしは顔を記憶できるんです。
他にも序章歩く人に出てくる動物園に?ヒノヤマホウオウ?が展示されてたり、第三章紙ひこうきの坂口さんと持田さんの住んでるマンションが?七階撤去?完了してたりと三崎ワールドをたっぷりと感じながら三崎さんの新しい一面をしっかりと感じることができ���素敵な作品でした。
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三崎ワールド全開のラブストーリーです。今までの作品の中では最も万人向けと言えるのではないでしょうか。「失われた町」の続編的な扱いですが、前作を知らなくてもさほど支障はありません。今作でも過去作品と緩くリンクしている描写があったりしてにやりとさせられます。
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カバー写真に惹かれたけど・・・期待はずれ〜最後を先に読まないと訳が分からない〜10年振りに帰ってきた町で出逢ったのは国土保全省の歩行技士で一緒に歩くことになったら気分の悪くなる場所があった。この町は10年前に事件があって,3095人の人がいなくなった。愛する人を失った人々はそれぞれの思いを抱えているが,10年経ってその気持ちも薄れていく〜 辛い本だ。余剰思念を液化して地下タンクに貯めて置いて,各家庭に供給するって何故? 感情が発露しない人が多くて,パワーがないって事? そうかも知れないけどさ。ここは横浜?神戸? カバー写真は雪がうっすら積もっていて,鏡の様に折り返されている。そんなものに期待しちゃいけないか?!///あっちでは☆3つ付けたけど,頭に来て,記録しておかなくちゃと思ったからです!!
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現在、読み途中。
題名と表紙に惹かれて購入した一冊。
まだ数ページですが、話と文書のテンポもよくて読みやすい。
「他の作品も読んでみたい」と思わせる要素があります。
集めすぎると本棚が収納できなくなりそうな、そんな予感あり。
(実際に、本棚が足りないのでセーブしつつ収集予定)
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この話はじっくり読みたい
離れて待つ人が多くてどこか切ないんだけど、人間のきずなの強さに勇気をもらった
待てると思えるのも三崎さんだからなんやろな
だんだん話が繋がってくの好き
人ぞれぞれのあの出来事のとらえ方があって
少しさびしいけど前に進んでくんですね(´・ω・`)
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たぶん、「失われた町」にリンクしてるんだよね?
記憶があいまいですが…
大切な人を突然亡くした、その後の人々の切ない思いがいっぱいです。
でも、その原因があんなことだなんて!?というのが、ちょっとがっかり。
20099.9.17〜9.26読了
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かなり予約待ちをして図書館で借りてきて、
結局貸し出し期間内に読み終われなくて「ま、いっか」と返してしまった・・・
という、ちょっと残念な内容だったなあ。
「失われた町」に似た話で、出だしが淡々とし過ぎていてドラマを感じられず、
ページを繰るのがどんどん遅くなったという感じ。
続編、に当たるのですかね。よくわからないな。
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<内容>「開発保留地区」―それは十年前、3095人の人間が消え去った場所。街は今でも彼らがいるかのように日々を営んでいる。あの感動から3年―“失われた時”が息づく街を舞台に描く待望の長編。
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読み始めはなんだろう、と思った。
よく掴めなくて、なかなか読みすすめられなかった。
でもこの世界に入ったら、
あっとゆーまに読めちゃった。
同じ傷を持つ、町の人々。
人はどこかで人につながっている。
いつか忘れなくてはいけない人がいる。
無理に忘れようとするのではなくて、
その時間はゆっくりと確実にやってくるんだろうな。
忘れることに焦ったところで、
忘れることなんてきっとできない。
時間は誰もに平等で、
与えられている分、
知らないところで誰かに何かを与えているのかもしれない。
悲しみとしあわせと、
向き合うことで得られる充足感。
静かで、でも力強い文章。
また読んでみたい作家。