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どんなに頼りなくても武器だと思って守ってれば、それはちゃんと武器になりうるんだな。
潔癖・セフレ止まり・グルーヴさん、でも、そこそこ世を渡っていけてる巨乳の巡谷。
不潔・処女・挙動不審な、変なことばっか考えてる無職の日田。
どちらも23歳女。
日田だけ変かと思ったら実は二人とも危うい。でも最高のコンビ。支え合ってる。
すっごく変なんだけど、何故だかどこか共感できる。
そして馬鹿でそこそこに性格も悪くてしょうもない二人が何故だかすごく好きになる。
おもしろかった。
物事の結び付け方がすっごく上手。メタファーも上手。
勢いがあって、日田に手を引っ張られてぐいぐい連れていかれて、そのスピードに乗ってあっという間に読み終えた。
装丁もすてき。ただ、字が端まで印刷されてるせいで本を持つ指が邪魔になってすごく読みずらくなる。持ちずらくていらいら。
読後感はすっきり。生きていける。
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女子二人暮らし。
たしかにあの子の考えることは変。
だがこの子も変。
これがリアルだと言われてしまうと、男には受けとめきれない。
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自分のことを臭いと思い込んでいる不思議な眼鏡少女日田と、好きな人とセフレ以上の関係になれずに悶えているグルーヴ少女巡谷。
どっちも変。すごく変。
巡谷の視点で進められていって、眼鏡少女を「あの子の考えることは変」だなんて断言してるんだけど、どっちが「あの子」なのかついわからなくなりそうになる。すごい勢いで進んでいく。
だけど、日田の抱える孤独や不安とか、自分のおっぱいにしかアイデンティティを認められない巡谷とか、そういう痛みがちくちくして、切なくて苦しくなる。見たくない部分をまるごとさらけだされてしまったような不思議な感覚で、文章を直視できない部分もあった。
最後がぷつりと途切れてしまって、そこがなんかもどかしかったけれど、やっぱりこの人の作品は痺れると思った。
本谷さんの頭の中を見てみたい。でもちょっとこわい。
世界観が強烈で、狭くて広くて無限。
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帯に『汚くって可愛い前代未聞の青春エンタ!』って書いてるんだがひたすら汚い。放送禁止用語とか悪臭とか胃液とかの密集地帯。
しかし本谷の文章は破天荒で毒性が強い。好き。
2人の女の子が同居してんだけど二人とも相当イっちゃってておかしい。二人があまりに真剣に壊れてるからだんだんせつなくなってくる。終盤は壊れすぎで救いがなくて結局だめだめじゃんとか思ってくたくたになったよ。
でも最後に大きい煙突の中のぼって頂上目指しながら、自分は夢中で飛び出そうとしてる精子のメタファーうんぬんみたいな下りはもうくだならなさすぎて無駄に清清しい。
何かに必死になってたいな、とかは思う。
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貧乳で不潔な処女と巨乳で潔癖なセフレ女のダメ女二人が繰り広げる暴走劇。二人ともイタいし少し頭がおかしいけど、ドロドロした気持ちや感情のうねりなどは共感できる。
言葉のリズム・テンポがとても良い。特に最後のシーンでの疾走感は「グルーヴ」していて、目の前が明るくなっていく感じがとてもよかった。
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こじらせた女子ふたり、一緒にいることでよりごじらせる話。
女子の考えてることなんて、大体こんなもんだよ、少なくともわたしとその周りでは。
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芥川賞候補作品。オードリー若林さんは本谷有希子にぞっこんらしい。超タイプらしい。
すごいよって言われてたからすごいんだろうなーと思って読んだけど、やっぱりすごい。なんてったって下品、汚い、本当に汚い。だけど痛快。この下品さが、汚さがあるから面白い。
おっぱいになりたい女の子なんて素敵じゃない?
いたい女子二人の痛快どたばた青春コメディ。
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一気に読んだ。汚さの方向が、どちらかというと好きじゃなかったし、巡谷にも日田にも共感できる部分がなく、むしろ、こんな子、近くにいたらイヤだなぁという嫌悪感を持って読んでいたけど、スピード感はものすごかった。一緒に走っているような感覚。それと、簡単な言葉で済ませがちな面倒くさい感情も丁寧に描写されていた気がする。でも、この本を読んだあとは、綺麗な景色の見える本が読みたい。
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とてもいい。
とてもいい。
とてもいい。
日田はどう考えても私で、
巡谷もときどき私で、
そして二人は下高井戸から見える
白い巨大な煙突を通して
どうしようもない自分と
そうしようもない相手を
受け入れる。
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汚い。だけどなぜか可愛い。
そんな得体のしれない魅力のある登場人物。
読んだ後には爽快感もあって、不思議な作品。
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たしかにあの子の考えることは変というタイトルそのもの。妄想して暴走して表現が笑える。
一見、普通なのかと思っていた巡谷も実はかなりおかしい。グルーヴ状態と呼ばれる部分にはちょっと共感してしまう自分もいる。
前半は面白かった。でも、途中、思春期のような悩みを言いだしたあたりからどうも方向性がおかしいし、汚すぎ。結局何が言いたかったのかがわからない。メタファーとかXデーとかぶっ飛びすぎてるしイタイ。キャラの濃さと勢いだけで最後までぶっ飛ばした作品だと思う。
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やっぱり本谷有希子は天才だと思った。
この濃密な閉塞感と焦燥感をコミカルな関係性の中で表現する感性は絶対に他の作家では味わえないものだ。エキセントリックな登場人物の言動や表現される言葉に好き嫌いは分かれるのだろうが、達成されている文学的な成果には本当に感心するばかりである。そして、僕はその世界観にいつもどうしようもなく共感してしまうのだ。
「日田ワールド」も「グルーヴ先輩」も、わけわからんけど共感せずにはいられない。「高井戸症候群」も「Xデー」も、馬鹿馬鹿しいながらもひどく哀しい。
読後、ふと「限りなく透明に近いブルー」を思い出した。
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この子らの考えることは変。
でも気持ちは分かるから私も変?
グルーヴ先輩になってること、私もある…
絶対こいつとは違う!て思いながら実は近い、タイプの違うふたり。お互いの痛々しさにやさしいふたり。びゅーん!とつきぬけてく展開と、ふたりのどうしようもなさがせつなかった。
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すごい疾走感。
あっという間に読めた。
みんな狂ってるのに、何となく共感できる部分とかもあるから不思議。
他の作品も読んでみたいです!
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版面の設計とか、疑問符が20°前後傾いていたりだとか、フォントのチョイスがギリギリに変だなと思っていたら、祖父江さんのデザインだった。