投稿元:
レビューを見る
目次の章立てだけを見ると和歌の基本的技術や和歌がどのような場面で詠まれたのか、といった基礎的な事柄がタイトルの「和歌とは何か」通りに書かれているように見える。
しかし序章で提示される、「和歌は演技である」という主題が基礎的事柄のわかりやすい解説の中に編み込まれる。終章では和歌を詠むことと人の生きる世界の関係までも考察して、和歌を詠むという行為が言葉を通じて世界に繋がろうとすることであるとともに、そもそも生きるということが詩なのではないか、と世界を包括した考えが説得力と高揚感を伴って示される。
いわゆる和歌の入門書とは少し違うのかもしれないけどとても納得のいく論考であり、繰り返し読んでいきたいと感じる素晴らしい作品。
投稿元:
レビューを見る
和歌を詠んだことはないが、本書はとても面白かった。31文字という限られた文字数の内の貴重な5文字を、意味を持たない枕詞に使うおかしさ。「和歌を生きる」という最終章もよかった。詩というのは世界をどう見るかということで、生き方なのだと思う。
メモ
https://local-clavicle-daa.notion.site/76506651363943cfaae4ee2c801fee12
投稿元:
レビューを見る
開始:2023:2/3
終了:2023/2/7
感想
和歌をある種の呪文として解釈する試み。和を以て貴しとなす日本の営為を支える文化。喜び飛び跳ねる虚構の世界を作り出す様は水墨画の如し。