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■概要
会社にとって一番必要なことは何か。
それを理想と現実、長期と短期のバランスのなかで考えていくのがリーダーの役割であり、いったん何をすべきかがわかったら腹をくくって率先して取り組まなくてはなりません。
リーダーから動かない限り、組織は動かないのです。そういう、いわば当たり前のことを、チャラン氏はこの『徹底のリーダーシップ』のなかで繰り返し書いています。
「経営者の基本理念は、『手も口も出す』であるべきなのだ」
と。僕はそれを読んで、自分の考えていることとほとんど同じだな、と思ったのです。
(柳井正 ファーストリテイリング会長兼社長「解説」より)
■カリスマ経営アドバイザーによる「ぶれない経営」のための本
ベンチャーからフォーチュン500企業まで、世界中の経営者から絶大な支持を受けている経営アドバイザー、ラム・チャランが、未曾有の経済危機に直面しているビジネスリーダーたちに向けて書いた、「ぶれない経営」のための書。いまなによりも大切な「キャッシュ」を確保しつつ、「徹底した経営」を貫き、この不況の先にどこよりも強くなっているために、リーダーたる者、いかに思考し、行動すべきか。「最悪のシナリオ」の下で「最高の結果を出す」ためのエッセンスが詰まっている。
■ 難局においてリーダーに絶対必要な6つの資質
1.誠実であり、信頼できる存在であること
2.社員、部下を鼓舞し、勇気付ける存在であること
3.現実と「生の情報」でつながっていること
4.楽観的な現実主義者であること
5.細部にまで徹底して踏み込んでいくこと
6.未来に打って出る勇気があること
■仕事に役立つ点
チームをリードしていく中で、どのような行動が必要か、また、リーダーとしてどのように振舞うべきか非常に勉強になります。
ラム・チャランの前著で「経営は「実行」」という本があるのですが、リーダーの本質は、「手も口も出す」であり、「実行」にあるのだ、ということを痛感する本です。
徹底した実行。これを肝に銘じて行きたいと思います。
(はっせー)
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楽観的な現実主義者
○真剣 ×深刻
経営者は、未来とも果敢に向き合わねばならない。
縮小を経て再び強くなる。
ぶれないこと。
われわれが失うことのできないものはなにか?
その答が会社の「中核」
社員に一度言っただけではほとんど伝わらない。
繰り返し伝える。
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不確実性の高い時代のリーダーシップについての話。
柳井さんが推奨。プロフェッショナルマネジャーに通じる内容。要するに、「とことん実行すること」こそが大切であると説く。
■柳内さん序文
いい会社とそうでない会社は何がちがうのか?それは経営をやっているかどうか。経営とは何か?それは実行すること。いい会社と悪い会社でやってることは表面上ほとんど一緒で、やるべきことも一緒。何が違うかというとどの程度までやるか、どの水準を目指すのか、それだけ。(3)
会社にとって最も重要なことは、理想と現実、長期と短期のバランスのなかで考えていくのがリーダーの役割でありいったん何をすべきかがわかったら腹をくくって率先して取り組む。リーダーが動かない限り組織は動かない(5)
意志と感情をこめてやらなければ人は共鳴しない。共鳴してもらうためんは、「地べたの情報」が必須(6)
土日で売上の半分を稼ぐから、土日がおわってこの1週間の商売はどうだったのか?次の週はどうするかを決めなければいけない。(12)
決算は毎日やるとすばらしい会社にまる(松下)、「経営はまず結論ありき」(Hジェニュイーン)でまずゴールをきめ、そこから逆算していま何をすべきか考える。ゴールと現在地の距離を測るために必要なのが数字(13)
■徹底した経営
徹底した経営と読んでいる物が不確実性の時代には必要になる。すなわち事業運営および社外環境を細部まで把握し、経営者自らが現場に積極的に関与していく(43)
経営者の基本理念は「手も口も出す」。経営者の手にする情報は現場から無分別に集められた最新で詳細な生な情報だる必要がある。地べたの情報。最前線にいるものだけが得ることのできる生の情報(44)
経営者も現場にでて消費者のふるまいがどのように変化しているのか、観察すべきだ。経営者は少なくとも顧客に近い社員とはひざをまじえて話すべきである。(45)
計画と目標は短期で管理。毎日の見直しが無理ならば少なくとも週ごとの見直しが必要だ(50)
難局においてリーダーに必要なこと、。1誠実であること。2.社員部下を鼓舞して勇気づけること3.現実と生の情報でつながっていること4.楽観的な現実主義者である5.細部まで徹底的に踏み込む6.未来に打って出る勇気(58)
■CEOの危機におけるリーダーシップ
CEOの仕事は二つ。リーダーシップとオペレーション。前者は人々を勇気づけ、後者は日々の商売をまわしていくこと。(71)
現実から絶対に逃げない。われわれは困難に直面すると「これはもうすぐ終わる、そうしたらまた元に戻る」と自分にいい聞かせる傾向にある。それを信じてはいけない(74)
危機のリーダーは現場主義の経営をしなければいけない。重要なのは現場でおこっていることにもっと関与することである(79)
情報を見える化する。一度いっただけではほとんどメッセージは伝わらない(84)
予算修正は毎月でもする(88)。年次計画は現実的ではない。サイクルはもっと短期にする必要がある。四半期ごとの目標、月ごとの目標、場合によっては週ごとの目標を設定し、柔軟性と迅速性を出す。こうした短期の目標も状況がかわれば変更できるよ��にしておく(96)
■販売、営業系の危機におけるリーダーシップ
営業担当者は情報エージェント。営業部門のリーダーは部下を有能な情報エージェントにする必要がある(102)
CEOとCFOが毎週4.5人の営業担当者にあうといったインフォーマルな物でもいい。目的は会社の幹部に通常のレポートやミーティングから読み取れない微妙なニュアンスを伝えることだ。(118)
予算プロセスを簡素化する。2.3日で行えるようにしなければいけない。予算の目的は資源の配分(131)。現在のような環境下で資源を再配分するということは、プロジェクトの取捨選択を意味する。それは必然的に「捨てる」ほうのプロジェクトにかかわってきた人間の執着を断ち切ること。彼らの想いを断ち切らなければいけない(134)
サービス業においては二つの原則がきわめて大切。ひとつは組織的な稼働率。サービス業は従業員こそ生産設備。彼らがどれだけ忙しく働いているかをはかるのが稼働率。二番目に大切なのはモチベーション。(156)
顧客と直接接触する従業員は「人が好きな人」でなければならない。(156)
サービス業の従業員の心理状態は製造業の場合と比べて業績に影響が出やすい(157)
■危機における後継者選び、あとがき
後継者について。もし能力のありそうな候補者がいるならば、迷わず一、二階級下、もっと下の層をさがすべき。(225)
現場で自ら率先して(ハンズオン、ハンズイン)が危機におけるリーダーシップの基本姿勢(227)
あなたは過酷な現実に立ち向かい、何をすべきかを考え、それを確実に実行するリーダーになれるだろうか?混沌の中に機会を見いだし、周囲を奮い立たせることができるだろうか?(228)
危機を乗り切るという大仕事は、臆病者には不向きである(229)
あなたの指導力と強さを当てにしている人がいる でしめくくり。
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ファーストリテーリング会長兼社長である柳井正さんが解説なさっているということもあり、この本を手にした。柳井さんのお薦めでということでは、数年前に復刻された「プロフェッショナルマネージャー」に続いて2冊目になる。
著者はインド出身のハーバード大学の教授であるためか、時々ついて行けないほどスケールのでかい話になる。ずばっと、人を切る話があったが、この辺は少し日本とはちがうかなあと思った部分でもあった。
しかし、切るというところでいえば、必要ない顧客は切るべきであるということがあり、しかし打って変わって取引先については慎重に考えるように書かれてあった。ただし、慎重にというのは、信用調査などをきちんと終えた上で、数字に出てこないその取引先の持っている個性、組織的強さについては、バイヤーにきちんと判断させろというものであった。
また、このご時世において、1年単位の予算は無意味であり、それは売り上げだけではなく、経費についてもそう考えるべきであると書かれてあったのは、耳の痛い話であるが、その通りである。松下幸之助さんも言っていたようであるが、1年で決算できるよりも、半期、四半期、月、週、一番いいのは日単位で決算できるのが一番いい。なるほどまさにその通りである。ちなみに、ファーストリテーリングは、週単位でその決算を行っているようである。なぜなら、販売の山場が土日にあるためのようだ。
最後に、経営者と最前線の社員までの距離を圧倒的に短くするということが、幾度も書かれてあった。手法は単純。簡単なコミュニケーションを持つと言うことである。
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この世界同時不況に直面して、リーダーがどうあるべきかを描いた本。ユニクロの柳井氏の解説が面白い。本の内容としては、キャッシュの確保とスピードの重要性を説いている。ただ、「当たり前のこと」を徹底する、というのがその結論だ。また、本の構成としては部門ごとにこの不況にどう対応すべきかが書いてある。以下、気になった言葉。いい会社とそうでない会社は何がちがうのか。それは「経営をやっているかどうか」だと僕は思います。では、経営とはなにか。それは「実行すること」です。いい会社と悪い会社でやっていることは、表面上はほとんど一緒です。やるべきことも一緒です。何が違うかといえば、どの程度までやるのか、どの水準を目指すのか、それだけです。あたりまえのことが本当にできているのか。経営者はそのことを常に自問すできです。意思と感情を込めてやらなければ人は共鳴しない。リーダーのところには仕組みとして情報があがってくることにはなっているが、それを鵜呑みにしていると大変なことになる。自ら現場に出向き、自分の目で何が起こっているのかを確認し、直接関係者と話をして真実をあぶりだす。「全員経営」、「全員が経営者マインドを持つ」。まず自分はこういうふうにやりたい、やるのだという意思を持たなくてはなりません。組織を構成する一人ひとりにリーダーシップがなければ会社はまわっていかないのです。考えたことを徹底的に実行する。そうやって成果を出していけることは「面白い」ことなのです。危機におけるリーダーの条件として、「楽観的な現実主義者であること」をあげている。経営者の究極の役割は会社を潰さないこと。会社を潰したら元も子もありません。今回の金融危機で破綻した会社をみてもわかるように黒字であろうが資金繰りが悪化すれば終わりです。商売の本質はどれだけはやくどれだけ多くキャッシュを得るか。ユニクロの店長が目指す最終のすがたは社員フランチャイズで自分がオーナーになって自分の会社で「ユニクロという事業」をやること。商売の仕組み、数字に対する理解がそのレベルまで行かないと、僕が言っていることの本当の意味はわからないでしょう。全員が「経営者マインド」を持つ。危機に対しての問題は「どれだけたくさんのことをやっているか」ではなく「いかに早くやるか」だ。キャッシュの源は三つ。事業収益、運転資本(在庫、売掛金)そして資産売却。まず最悪のシナリオを前提にキャッシュベースでの損益分岐点をでい「きるだけ早く引き下げておく。このキャッシュベースでの損益分岐点を見れば、経営者は何をすべきかがわかる。「最悪のシナリオ」を過小評価してはならない。生き残りの鍵はコスト削減とキャッシュ獲得。より少ない顧客、より少ない製品、より少ない施設、より少ない人員、より少ないサプライヤー、そしてより強くなった会社が残る。ピンチをチャンスにすることで競争相手に比べてより強く、より優れたより柔軟なより好条件の会社に生まれ変わることができる。経営者の基本理念は「手も口も出す」であるべき。ウォルマートは創業以来初めてベビーフードの売り上げの推移が月二回の給料周期と一致したことにより、家計が給料日から給料日へ食いつないでいるという切迫した状態にある���とがわかった。これこそが最前線の情報。いま経済を覆っている霧が晴れるまでは柔軟性とキャッシュの確保が正しい戦略である。消費者の低価格志向が定着した商品についてはマーケットシェアに固執してキャッシュを失うよりもそのマーケットセグメントは切り捨てることが将来の成功に向けた布石をうつことになるかもしれない。真実を一部しか語らず悪いニュースをごまかしたりする経営者を社員は信じなくなる。のみならず、そのような行為は社員に危機感を失わせる。リーダーに必要な6つの資質。リーダーに唯一可能なことは知的誠実さと謙虚さを忘れないことである。人が自分の創造性にスイッチをいれ、アイデアを出すにはビジョンが必要なのだ。楽観的な現実主義者であること。細部にまで徹底的に踏み込んでいくこと、未来に打って出る勇気があること。リーダーは時間配分における優先順位を修正しなくてはならない。われわれは困難に直面すると、「これはもうすぐ終わる。そうしたらまた元に戻る」と自分に言い聞かせる傾向がある。それを信じてはいけない。新しい世界がどんなものになるのかは誰にもわからないが、確かなのは、過去とは違う世界になるということだ。二年後のあなたの会社はいまと違うことだけは間違いない。リーダーがそれを信じない会社は消えてなくなる運命にある。最も勇気のいる行動、それは「ぶれないこと」である。われわれが失うことが出来ないものとは何か、その答えが会社の「中核」だ。その中核を磨き教科することwに集中し他は捨てるのだ。社員を鼓舞するメッセージであれ「一度言っただけではほとんど伝わらない」ということだ。何度も何度も繰り返し、全員に周知徹底する。さらにメッセージは相手や発言時期にかかわらず一貫していなくてはならない。キャッシュを重視した経営は増収増益を目指す経営とは異なる。キャッシュのための経営は特定の顧客や一部の製品を犠牲にすることをも意味する。売り上げが減少するたびに目標を変えなくてはならない。総売上が減少し、利益も減るだろう。しかし特定の顧客層や製品から撤退すればオペレーションが簡素化され、売掛金、在庫、生産スケジュールなどが管理しやすくなり、そこからキャッシュを捻出することが可能となる。増収増益にこだわらない。最大の危険は大口顧客が破綻することである。自分の売った商品が顧客の不良在庫になっている場合それを引き取って他出うることも検討する。営業担当者はタイムリーな生の情報を届けなくてはならない。その情報の質と精度は会社が生き延びる勝算を大きく左右する。営業担当者が集めてきた顧客関連の情報は最高のバリュー提案を作成するための材料となる。その情報は法務、生産、および研究開発といった部署とも共有されなくてはならない。ブランドは絶対に犠牲にしてはならないもの。社内ブレストはタダである。最も重要な評価基準はキャッシュである。キャッシュフロー、キャッシュ創出、キャッシュ回収、キャッシュ支出、融資枠の確保とそのタイミング、新規借り入れのタイミング、そして借入金返済、といったことである。CFOはCRO(risk)の役割も担う。予算の目的は資源の配分である。需要が激減している折には、この配分の方法も通常とは異なってくる。営業予算だけでなく、資本予算についていも配慮しなくては��らない。これは全年度予算に多少上乗せした数字を出発点とする機械的なやり方ではできない。世界経済の構造的変化と競争パターンの変化も考慮に入れる必要がある。CFOは難しい決断を下すことが求められるが、その際、次の問いに答えることができなくてはならない。純キャッシュの増加と格付けの維持のためには2009年、2010年だけでなく、その先も含めてどれだけの資本が必要になるのか?どの事業を中断すべきか?事業の一部を海外に移転すべきか?一度打ち切ったプロジェクトを状況が改善したときに復活させようとして現場のマネジャーがひそかに継続している、といったことが起こっていないか?それはどうやって確認するか?継続すべきだと提案したプロジェクトは確実に期待どおりのリターンをもたらすのか?現在のような環境下で資源を再配分するということは、プロジェクトの取捨選択を意味する。いま必要なのはより少ない種類のより価値のある商品。「50対5の法則」。在庫部品の50%は売り上げの5%にしか貢献していないと言われている。研究開発のリーダーはまず予算の削減対象を正しく選ばなくてはならない。そのためにはトップダウンでゼロベース予算を実践すべきである。R&D部門のリーダーは進行中のプロジェクトを新たな視点から見直し、変化する経済状況がそれぞれのプロジェクトから生み出される価値にどんな影響を与えるのかを評価する。リーダーにとって最も難しい決断は何を目指し、何を切り捨て、何を強化するかに関するものである。何かを切り捨てることは必要だが、その判断は前者に影響を及ぼすのである。研究開発の資源は主として「人とアイデア」である。R&D部門のリーダーはこの二つの資源を最も有効に使う方法を熟考しなくてはならない。もしCEOが研究開発部門の予算を半分にしたら新たな環境の下で、R&D部門ののリーダーはどのような仕事を配分するだろうか。その問いに答えるためにはもし予算が倍になったらということをかんがえてみるとよい。そうすれば優先順位がはっきりするだろう。予算が二倍になれば多くのことが可能である。しかし、その中で現在と将来、何が必要なのかを絞り込む必要がある。時代についていけなくなった者の扱いについても考える必要がある。R&D部門ではこうした人材を抱えることは深刻なそしきの弱体化を招く。それは他部門の比ではない。変化する世界についていけない人、技術の最新事情に通じていない人には去ってもらわなくてはならない。もはや意味をなさなくなったプロジェクトを中止することにより、頭数はおのずと減るだろう。しかし、そうしたプロジェクトにかかわっていた有能な人材は必ず継続する研究に投入するようにし、場合によっては貢献していない人材と交代させることも考えるべきである。問題は技術における優先順にが変化する市場環境とビジネス上の優先順位に緊密に結びついていないことである。研究開発部門のトップは販売、マーケティング部門とも接触する機会があるはずだ。結局のところ、彼らこそ顧客のニーズとウォンツを一番よく知っている。研究開発部門のトップはマーケティング、販売部門とのパイプを太くして彼らをプロジェクトの評価プロセスに参加させる必要がある。どのプロジェクトを継続し、加速すべきか、どのプロジェクトから撤退すべきかを判断するにあたり、販売、マーケティングに携わる人間の意見を聞くのである。彼らの意見は実際の決断においてもその決断を上層部に報告する際にも大いに役立つであろう。しかし顧客を理解するために販売とマーケティングのみに頼ってはいけない。現実に起こっていることを見なければR&D部門をうまく導いていくことはできないだろう。研究所を出て消費者と話をすることも忘れてはならない。「適材」とは自発性、エネルギー、知識をして自律性を備えた社員である。取締役会は事業部門のリーダーが「最悪のシナリオ」を前提にして動いているか確かめなくてはならない。
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「プレジデント」2009.09.14号p.57でユニクロの柳井 正 社長推薦 「不況克服の教科書×3」の一つ
◎「徹底のリーダーシップ」
◎「成功はゴミ箱の中に」
◎「プロフェッショナルマネージャー」
《内容紹介
■危機の今、まさに全リーダー必読の一冊。
会社にとって一番必要なことは何か。それを理想と現実、長期と短期のバランスのなかで考えていくのがリーダーの役割であり、いったん何をすべきかがわかったら腹をくくって率先して取り組まなくてはなりません。リーダーから動かない限り、組織は動かないのです。そういう、いわば当たり前のことを、チャラン氏はこの『徹底のリーダーシップ』のなかで繰り返し書いています。「経営者の基本理念は、『手も口も出す』であるべきなのだ」と。僕はそれを読んで、自分の考えていることとほとんど同じだな、と思ったのです。 (柳井正 ファーストリテイリング会長兼社長「解説」より)
■カリスマ経営アドバイザーによる「ぶれない経営」のための本
ベンチャーからフォーチュン500企業まで、世界中の経営者から絶大な支持を受けている経営アドバイザー、ラム・チャランが、未曾有の経済危機に直面しているビジネスリーダーたちに向けて書いた、「ぶれない経営」のための書。いまなによりも大切な「キャッシュ」を確保しつつ、「徹底した経営」を貫き、この不況の先にどこよりも強くなっているために、リーダーたる者、いかに思考し、行動すべきか。「最悪のシナリオ」の下で「最高の結果を出す」ためのエッセンスが詰まっている。
■ 難局においてリーダーに絶対必要な6つの資質
1.誠実であり、信頼できる存在であること
2.社員、部下を鼓舞し、勇気付ける存在であること
3.現実と「生の情報」でつながっていること
4.楽観的な現実主義者であること
5.細部にまで徹底して踏み込んでいくこと
6.未来に打って出る勇気があること
著者について
ラム・チャラン(Ram Charan)
名だたるグローバル企業の経営アドバイザーとして知られる。ハーバード・ビジネス・スクール元教授。対話を重視した実践的アプローチで、ベンチャー企業からフォーチュン500企業まで、ビジネスリーダーたちの絶大な信頼を得ている。著書に、200万部を売り上げたベストセラー『経営は「実行」』『ゲームの変革者』(A.G.ラフリーとの共著、ともに日本経済新聞出版社)などがある。インドに生まれ、10代のときから家業を手伝い、大学で工学を学んだ後、ハーバード・ビジネス・スクールで経営修士号および博士号を取得。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
チャラン,ラム
名だたるグローバル企業の経営アドバイザーとして知られる。ハーバード・ビジネス・スクール元教授。対話を重視した実践的アプローチで、ベンチャー企業からフォーチュン500企業まで、ビジネスリーダーたちの絶大な信頼を得ている。インドに生まれ、10代のときから家業を手伝い、大学で工学を学んだ後、ハーバード・ビジネス・スクールで経営修士号および博士号を取得
中嶋 愛
日本経済新聞でThe Nikkei Weekly記者を務めた後、スタンフォード大���にて修士号取得(国際政策専攻)。帰国後、プレジデント社入社。プレジデント副編集長を経て、書籍編集部副部長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) 》
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うーん、大企業への教えだね。
私たちみたいな100人以下の中小企業には、ちょっと枠が大きすぎます。
しかし、学ぶ点は多々ありました。
売上が上がらない今、損益分岐点の枠を下げることは当たり前で、徹底的にコスト&経費を下げます
顧問料や購読雑誌など検討します
難局においてリーダーに絶対必要な6つの資質
誠実であり、信頼できる存在であること
社員、部下を鼓舞し、勇気付ける存在であること
現実と「生の情報」でつながっていること
楽観的な現実主義者であること
細部にまで徹底して踏み込んでいくこと
未来に打って出る勇気があること
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第1章 「キャッシュと情報」こそ命綱である
第1節 何はさておいても現金を確保
第2節 成長を定義し直す
第3節 「徹底した経営」と「地べたの情報」
第4節 計画、目標は短期で管理
第5節 現実を見せつつ、勇気を与える
第6節 「縮小」を経て再び強くなる
第7節 難局においてリーダーに絶対必要な6つの資質
第2章 本物のリーダーはどう行動するか
第1節 すべてについて最終的責任をとる
第2節 現実から絶対に逃げない
第3節 問題の「解決方法」を示す
第4節 長期的停滞も「機会」ととらえる
第5節 いまある計画をやり抜く覚悟
第6節 時間の使い方を変える
第7節 失うことができないもの
第8節 問題のある幹部を切る
第9節 社内抗争を防ぐ方法
第10節 情報を「見える化」する
第11節 自分も「見える化」する
第12節 予算修正は毎月でも
第13節 増収増益にこだわらない
第14節 顧客とサプライヤーを整理する
第15節 戦略変更のタイミング
第16節 「年次計画」は現実的ではない
第3章 販売、マーケティング責任者のすべきこと
第1節 「注文をとる」から発想を転換する
第2節 営業担当者は「情報エージェント」
第3節 残すべき顧客とそうでない顧客
第4節 活字データに依存しない
第5節 よりよいバリュー提案をする
第6節 「現実的な」販売目標を立てる
第7節 ブランドを犠牲にするな
第8節 広告と販促のターゲティング
第9節 値上げは慎重に、戦略的に
第10節 賢いコスト削減
第11節 社内ブレストは「タダ」である
第12節 販売スタッフを上層部につなぐ
第4章 CFOのすべきこと
第1節 「キャッシュこそ王様」を徹底する
第2節 リアルタイムで数字を共有
第3節 最後に頼れるアドバイザー
第4節 予算プロセスを簡略化する
第5節 評価と報酬の仕組みを変える
第6節 顧客とサプライヤーの倒産に備える
第7節 時期CFOの教育
第8節 経営陣にバランスシートの見方を教える
第9節 取締役会にもっと情報を
第5章 現場のリーダーがすべきこと
第1節 売り上げが減る前にやっておくべきこと
第2節 設備投資の削減は慎重に
第3節 50対5の法則
第4節 アウトソーシングとインソーシング
第5節 在庫管理をおろそかにしない
第6節 「暇な人」を出さない人員配置
第6章 研究開発部門をどうするか
第1節 賢い予算の削り方
第2節 「現状維持」か「火連続」か
第3節 人とアイデアの最適利用
第4節 大学教授も巻き込め
第5節 販売、マーケティング部門との絆を深める
第7章 サプライチェーンをどうするか
第1節 鍵は「シンクロ調達」
第2節 サプライヤーと顧客と「情報の橋」を架ける
第3節 「あれかこれか」では���く「あれもこれも」
第4節 いかなる戦略的変革が必要か
第5節 社員にバリューチェーンを叩き込む
第8章 スタッフ部門のトップがすべきこと
第1節 人事の仕事は「人切り」だけではない
第2節 広報・IRは会社の信用を最優先
第3節 法務は変化に迅速、柔軟に対応する
第4節 IT部門はコンプライアンス死守
第9章 取締役会のすべきこと
第1節 その目標は現実的か?
第2節 「最悪のシナリオ」を前提にしているか?
第3節 株主利益を守る
第4節 経営陣の報酬を見直す
第5節 経営幹部の不安を取り除く
第6節 いまのCEOに任せていいか?
第7節 独自の情報網を活用する
第8節 未来のための後継者選び
序章 6週間で「100年に1度の危機」に対応した会社
解説 危機の今、まさに全リーダー必読の一冊
P3 経営とは、「実行すること」である。いい会社は徹底的にやり、それでも満足せずに、全員でさらに上を目指している。どの水準を目指すのかが違う。
P4 リーダーが泥まみれになってやらない限り、下の人間が泥まみれになってやろうなどと思うわけがない。
p5 会社にとって一番必要なことは何か。それを理想と現実、長期と短期のバランスの中で考え、いったん何をすべきかが分かったら腹をくくって率先して取り組む。経営は社員や世間に共鳴をもらうことによってはじめて意味を持つ。会社を経営する立場の人間は、それを徹底的に自分のこととして、意志と感情をこめてやらなければ人は共鳴しない。
P8 組織を構成する一人ひとりにリーダーシップがなければ、会社はまわっていかない。自分はこういうふうにやりたい、やるのだという意志をもたなくてはならない。人生においても自分以外に、自分の人生におけるリーダーはいない。他人の人の言うことを聞いて一生を終わる人生なんて意味のない人生です。第一面白くない。自分がリーダーシップをもつということは大事。自分にリーダーシップのない人が、人の上に立ったときにリーダーシップを発揮しようとしても無理な話。
P11 商売の本質は、どれだけはやく、どれだけ多くキャッシュを得るかです。作って売ってキャッシュにして、それでまた作って売って・・・とそのサイクルを効率的に回すのが経営の基本。
P13 全員が「経営者マインド」をもつ。それは自分の部署だけでなく他の部署にも関心を向け、課題を理解し、一番よい方法を考えること。全員経営が大切だ。
1-7(P56)
1 誠実であり、信頼できる存在であること
2 社員、部下を鼓舞し、勇気づける存在であること
3 現実と「生の情報」でつながっていること
4 楽観的な現実主義者であること
5 細部にまで徹底的に踏み込んでいくこと
6 未来に打って出る勇気があること
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結論と要約は『経営は実行』である。
不況下に陥った中で、いかにキャシュを意識しながら経営を行っていくかということ。
キャシュを最優先することで、長期的には高くつくがリースにするか、減価償却をうまく使うなど。
迅速さと柔軟性を持ち、引くべき所は引かなければならない。
セールスの部分でだと、顧客の顧客の行動を観察し、新しいセグメント、新製品の機会を細かく探る。
長期的にその会社の成長を支援する方法を提供する。
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【読書メモ】
●長いトンネルを抜けたところにぽっかりとパラダイスがある。でもそこにいられるのは一日だけ。そのあとにまたトンネルが続いている……。そういう状況をむしろ楽しめるようでなければ、やっていけません。…危機にあっても、その中で自分自身、自分の部署、自分の会社がどうやって収益を上げるのか、どんな成果を出すのかを考え続ける。そして、考えたことを徹底的に実行する。そうやって成果を出していけることは、「面白いこと」なのです。
●小売業に限らず、どういう業種であろうと、毎日は無理でも少なくとも週に一回は数字を締めないといけない。松下幸之助さんは、決算は年に一回だけ行うのではなく、毎日やれば素晴らしい会社になると言っています。
●「徹底した経営」と「地べたの情報」
●バスケットボールは、高度な一体感を要求する、スピードと、瞬間性と、柔軟性のゲームである。いまのような環境においては、経営における精度、スピード、瞬間性、柔軟性のどれかが欠けることは、会社をあっという間に奈落の底に突き落とす最大の要因となる。社員全員がチームとして一体となることによって初めて、精度、スピード、瞬間性、柔軟性を獲得し、迅速な決断と実行が可能になるのだ。
●難局においてリーダーに絶対必要な六つの資質
1.誠実であり、信頼できる存在であること
2.社員、部下を鼓舞し、勇気づける存在であること
3.現実と「生の情報」でつながっていること
4.楽観的な現実主義者であること
5.細部にまで徹底的に踏み込んでいくこと
6.未来に打って出る勇気があること
●野心的な事業部長たちの闘争を避けるための方法をひとつ紹介しよう。それは、いままでと異なる財務状況、新たなキャッシュフローの必要性のもとで、それぞれの部門がどうすれば会社のにーずにより貢献できるかを「チームとして」実際に考えさせるのだ。たとえば、経済状況が悪化して自社製品への需要が落ちた場合、「チームとして」どの決断を見直し、資源配分をどのように変えなくてはならないか。その答えが明確になり、会社をとりまく状況をそれぞれがよく理解し、その認識を共有することができれば、各リーダーは、より正しい判断ができるようになる。それとともに、部門巻の軋轢の一部は解消されるだろう。
●営業担当者は「情報エージェント」・・・組織の目となり耳となって、会社の戦略と戦術に関する重要な決定の基になるようなタイムリーな生の情報を届けなくてはならない。
その情報の質と精度は、会社が生き延びる勝算を大きく左右する。営業部門のリーダーは、部下を有能な「情報エージェント」にする必要がある。・・・それは、営業担当者たちにより分析的な目を持たせる、ということにほかならない。
●オペレーションを簡素化するにあたって、何をアウトソースするかを決めるための業務見直しを行う。自社を競争相手と差別化するファクターは何かを考えれば、おのずと答えは出るはずだ。他社との差別化になっている重要な業務は社内に残し、その他についてはすべてアウトソーシングを検討する。
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成熟した市場での企業におけるリーダーの立場、役割を明確に示した良書。
冒頭の解説でユニクロの柳井氏が記しているように、危機的な状況でリーダーに求められていることは、「実行する」こと。また、経営層など更に上の立場のリーダーは、現場で何が起きているかを正しく理解し、明確な意思を持って素早く決断すること。全くその通りである。
第1章・第2章で、リーダーのあるべき姿を総論。第3章以降では、営業・マーケ部門、CFO、現場、スタッフ部門、とセクション毎のリーダーに求められる振る舞いを論じているが、他の部署が、どのように考え行動すべきかを知ることも重要であることを認識すれば、それぞれに目を通すのも苦ではなかろう。
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危機時にリーアーがなすべきことに関して明確に書かれており、非常に参考になる。各部門が危機時にどのような行動を取るべきかに関しても指針を示されている。リーマンショック直後のなすべき行動に関して、であるが、今となっては常にこのような危機が続いている状況であり、当面役に立つ参考書となる。
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(特に経営企画部スタッフにとっては)参考になる良著。経営層ならびに各機能の要諦がコンパクトにまとまっている。
サブタイトルは「最悪のシナリオから最高の結果を生む経営」。環境が厳しい今、本当にすべきことを考える際の視点を提供してくれる。
・リーダーが泥まみれになってやらない限り、下の人間が泥まみれになってやろうなどと思うわけがない。
・経営者の基本理念は「手も口も出す」であるべき。
・経営者の積極的なやり方で、断固として行動すれば、社員に希望と自信を与えることができる。経営者の行動、そして言葉は、社員の知力、体力、気力を方向付ける。
・知識労働者はすべて企業家として行動しなければならない。
・経営者マインドを持て。自部署だけでなく、他部署で起こっていることにも関心を向け、同僚の直面している課題を理解し、一番よい方法をともに考える。
・危機において大切なもは、「どれだけたくさんのことをやっているか」ではなく「いかに早くやるか」である。
・最悪のシナリオを過小評価してはならない。
・妥当性を失った過去の決断をくつがえすことも厭うべきではない。
・ただしあまりにも多くの経営者が、変える必要のない戦略を勢いあまって変えてしまうという事実も忘れるべきではない。
・商売の本質は、どれだけはやく、どれだけ多くのキャッシュを得るか。
・地べたの情報:経営者が手にする情報は、現場から迅速に集められた、詳細で、最新で、無線別なものでなくてはならない。
・予算の目的は資源の配分。
・目標は四半期ごと、月ごと、場合によっては週ごとに定め、管理の頻度を高めなくてはならない。
・低めの目標は「自己充足的な予言」になりかねないので注意が必要。
・重要なのは、柔軟性を持たせること。
・一度言っただけではほとんど伝わらない。
・上層部から、機能を統合し、経営の階層を削減することから始めて手本を示す。
・営業担当者は情報エージェント。組織の目となり耳となって、会社の戦略/戦術に関する重要な決定の基となるタイムリーな生情報を届けなくてはならない。
・値上げは慎重・戦略的に。正しい価格戦略を立てるために時間と頭を使うのは当然のこと。
・50対5の法則:在庫の50%は売上の5%にしか貢献しない。
・予算は半減されそうになったら?その問いに答えるためには、もし予算が倍になったらということを考えてみればよい。そうすれば優先順位がはっきりする。
・人員の削減は覚悟を決めて大胆にやり、一度で終わらせるべき。
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同氏の本は、、常にシンプルでわかりやすい理論を提供してくれる。
今回も、
・臨機応変に。予算修正は毎月でも。
・現場から来る情報をスピーディに処理
・キャッシュ主義
など、危機に応じた様々な対策を職種別に記載している。それ以外にもさまざまな方策がわかりやすく記載されているので、立場が変わった際に何度も読み返して実践したい。
唯一気にかかるのは邦題。”Leadership in the Era of Economic Uncertainty”という内容そのものなのだが、解説文を書いている柳井氏の発言に引きずられすぎではないか。
徹底して実践することはもちろん大事であるし、そうしなければならないのだが、チャラン氏の書籍というのは基本的には理論書であるとの認識である。理論であるので社内調整が必至であり、結果が出るのも当然時間がかかる。せっかくの両書であるのに、このタイトルは誤解を生むだけのように思った。
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●徹底のリーダーシップ
●心構え
・リーダーはいやな仕事を正面から引き受けていかなくてはならない
・優柔不断な者や、及び腰の者が安住できるような場所は、いまの組織にはない
・経済の低迷時こそ、新製品、非連続的な研究にも目を向け、飛躍的に躍進するチャンスをものにする
●仕組み
・生き残りと成長のためのどのような努力をしているか、社員がタイムリーに得られる必要がある
・キャッシュの源:事業収益、運転資本(在庫、売掛金)、そして資産売却
●スキル
・リーダーは、迅速さ・大局的発想に加え、新たな現実の正確な認識、社内各部門への説明、市場とお金の流れの分析の能力が求められ、それを会社の生き残りに結び付けられることが重要
・プロジェクトの継続と中断は、必要な追加投資とリターンに基づく。以前の投資額や思い入れは排除する
・自社を競争相手と差別化するファクターは何かを考えれば、何をアウトソースするかの答えはおのずと出る
・リーダーは、「何が可能か」というビジョンに目を向けさせ、実現のための行動を取るよう、勇気づける
・リーダーは、経済環境について説得力と現実性のある計画をもって、問題が解決可能であることを示す
・バリューチェーンにおける生産、販売、研究開発部門の役割を理解し、何をすべきかを考える
●取組み
・異なったシナリオの下で、事業目標や資源配分はどのように変わるかを考える
・規模縮小は、プロセス簡略化とマネジメント階層の削減につながる
・売り上げが落ちると予測されている場合、研究開発費や一般管理費の比率も見直す必要がある
・現場で注意深く観察すれば、示唆に富んだ微妙な情報を活字情報より先に得ることが可能である
・現実を見なければ、R&D部門をうまく導けない。消費者と話をすることも忘れてはならない
・顧客、サプライヤーの両者との連携により、市場の不安定性を吸収できる