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経済学者、貧困問題に取り組む人(湯浅誠氏)、格差を論じた人(赤木氏)との対談を通じて、「経済成長」が今の日本にどれだけ必要か?というのを論じた一冊。
資源の制約を完全にクリアしたならば、経済成長=右肩上がりというのは絶対的な解である、というのはこの本を読んで納得する部分である。
しかし現実世界では、資源はやはり有限なものではないかと思うので、ここでいくら経済成長こそ日本の特効薬ともてはやされても、それは実現してはいけない解のように思えた。
また、実質この本の主張のメインである飯田泰之氏が、やや上から目線的に対談を仕切って、さも「経済学は偉い」という印象を与えていることに不快感を感じなくもない。
経済学をいかに世の中で活かすかを考えると、この本のアプローチは至極まっとうなものなのだと思うが、今ある世界が求めているのは果たしてそれだろうか、という疑問が残った。
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「経済学」が、技術であり道具であるとの主張に目ウロコでした。
刺激的な話が多く、「新自由主義」なるものの幻想。ケインズとハイエクの親和性。再分配の話。等々。また、所謂論壇に欠けているもの。メディアの無能など、まことに盛りだくさんで面白かった。
また、自分も全く同感なのは、政治家が票にならない若年層を向いた政策をするはずがないという事。このままでは日本は滅びるね。
一番いいのは、少子化対策をしっかりやって人口を増やすこと。でも、これが難しい。「経済学」的には処方箋を示せるのだろうか。それが嫌なら、移民を受け入れしかないかな。
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貧困問題の解決を経済学の視点からアプローチ
飯田泰之と他参加者との対談という形式
対談=話し言葉なので読みやすい
飯田泰之(経済学者)×岡田 靖(経済学者)
…高度成長時代のまとめ タメになります
飯田泰之(経済学者)×赤木智弘(「『丸山眞男』をひっぱたきたい 31歳フリーター。希望は、戦争。」の著者)
…赤木氏は発言も少なく 飯田氏の主張にやや取り込まれた感じ(あまり反対する要素がなかったのかな)
飯田泰之(経済学者)×湯浅誠(「年越し派遣村」の主催者)
…湯浅氏は飯田氏の提案に理解を示しつつ その方法では世間の理解を得られないから 自分はあえて(世間の認知を得やすい)回りくどい方法を取っていると発言 さすが歴戦の活動家といった感じ
飯田氏の貧困問題の解決に対する提案は次のとおり
・人間はほっといても年2%程度生産効率がUPするので 成長しないと人がその分人が余ってしまう
・全員が2%づつ貧しくなるのではなく、特定の人(ロスジェネ)にしわ寄せ(貧困)が行っているのが現在の状態
・解決策は、年2%程度で穏やかに経済成長すること
・賃金に比例して支給額の増える「擬似ベーシックインカム」の導入 =政治時に受け入れやすい育児に対する給付から初めて徐々に最低所得手当的なものにする=>子供手当て?
・財源は社会保障費の配分見直し=>公共事業(事実上の社会保障費支給)を廃止 =仕分け?
※飯田氏は時々民主党の政策を連想させる発言をする…民主党の関係者?
※リフレ派の「経済成長で全て解決」という論理に対して、池田信夫は「経済成長はそんなに簡単なものじゃない」と反論
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同じことを繰り返せば効率が上がるので成長率もあがる。当然ながら経済成長は何もしなくても上がるが、その上昇率が重要。
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GDPのG、つまりGROSSには、資本減耗が加味されていない。一人当たり実質GDP額が420万円だとすると、これは生産活動による額だが、年収はここから減価償却を1割減らし、370万円が平均という事になる。これは計算を単純化した図式であって、GDPは、本来付加価値、つまり仕入れと売りの差益である。差益は、給与と内部留保になり、経済成長しても、企業が儲けるだけで、賃金が上がらない事もある。
中盤、経済学を切り口にっていう事で期待したが、湯浅誠や赤木智弘の人選によるものか、貧困を如何に減らすかという格差是正に対する政策論が目立つ。この手の話の究極は、自己責任論をどのように設定するかだ。
マクロ経済学の主流、新古典派とニューケインジアンに分け、新古典派をハイエクとフリードマンとする整理を飯田は無用とする。この主張、理解しがたかったが、より、広義に捉えただけの論点だろう。
ガーシェンクロン仮説という言葉を覚えた。経済的後発性の話だ。
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何が言いたいのかわからなかった。あとがきを読むと、経済成長って必要だ、らしい。そりゃそうだろう。左翼ボケした人向けの本なのだろうか?
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この本によると、経済成長が止まると、その場合でも経済の効率化は止まらないため、毎年2%の人が職を失うらしい。この2%の人たちに新たな職を生み出すには2%の新天地が必要であり、それは経済成長2%によってのみ達成できる。そうしないとニートや、低所得者問題はなくならない、というのが本書の主張。で、どうすりゃいいんでしょう?
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若干刊行から時が立ってしまったが、今だに現状把握になくてはならない一冊。貧困側と経済学者とのまともな対談は期待してもなかなか実のあるものにはしにくそうだが、コーディネーターの手腕か、うまく噛み合っている。
以下注目点
・70年代のはじめに先進国のキャッチアップが終わりと地方の余剰労働力の供給が途絶えた。
・好景気になるとダメな企業が淘汰される。高給が出せる優秀な企業に人を取られてしまうから。
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[関連リンク]
本読みHPブログ: 今年読んだ本から(2009): http://hon-yomi-hp.seesaa.net/article/135548764.html
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意欲的な対談集。
個人的には、内容というよりも、
やったことに意義ありと感じる。
赤木智弘氏、湯浅誠氏の反応が一々興味深い。
ともあれ、がんばっている若手の存在に刺激を受ける。