紙の本
精神系の能力って実在証明が難しいね、見えないから。
2009/11/14 17:10
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
人里離れた洋館で、首なし死体が一つ。洋館自体が密室で犯人は内部の人間に限られる。さて犯人は?という状況で繰り広げられる物語はミステリーと言えるだろう。しかし、本格推理かというと、そうではないと思う。
登場人物が特殊能力を持っていて、それを使って犯人捜しをするとか、魔術や悪魔という単語が飛び交うからそう思うのかと言えば、そうではない。確かに、超常的な能力を理由にするのはアンフェアだが、それは事前にきちんと説明しておけば良いだけの話だ。色々考えた結果、これが違和感の正体かも、と思いついたのは、作中で多用される背理法だ。
背理法は、AはBではない、という仮定を置き、それでは矛盾が生じることを証明することにより、AはBである、という命題を証明する方法だ。ボクはミステリー作品をあまり良く読む方ではないが、ミステリーで探偵が使用するのは演繹法の様な気がする。つまり、AはBでありBはCであるからAはCである、という証明方法のこと。少なくとも、物語の最後に探偵が真相を披露する際には、必ず手順を踏んで説明してくれる。
この理由はおそらく、手順を踏んで説明してもらった方が直観的に納得しやすいからではないかと思う。一方で、背理法は、論理として正しいことは理解できるのだが、直観的には納得しにくい。直接的に証明したわけではないから、まだ反論の余地がある様な気がしてしまうのだろう。
おそらく、作者は本格ミステリーを書こうと思ったわけではないと思うので、こんなことを考えてしまうのはおかしい。そもそも出発点に、コペンハーゲン解釈やゲーデルの不完全性定理など、証明できないことの証明の話を持って来ているのだから、このような展開になるのが正解なのだ。ただ、このスタート地点が、ゴールにたどり着くための正しい出発位置だったのかな、ということに、少し疑問を抱いただけである。個人的には楽しいけれど。
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昔からかもしれないが、登場人物の一人が異常なまでに知識があるというのは普通の流れなのかしら?
いると物語を進めるのにというか説明に楽なのかもしれないが…
あと論証というには最後の部分がすっきりしない…
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うぐいすのキャラクターは可愛かったが、ミステリーともホラーとも言い切れず、何処と無く半端な気がして私の好みでは無かったようです。
むしろ作者の名前のほうが私には好きな罠(響き的に)
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“「ところでね、ゆずさん」
「なんだよ」
「こんな無茶ばっかりする神様を、はたしていつまでも『神様』と呼んでいてもいいものかな?」
「あ――」
……なるほど。そういうことか。
たしかに。
人間に応える神。不平等な神。
そんなものはもう神ではないのだ。神でないとすれば――
「悪魔か」
「そう。神は人間に応えない。人間に応えるのは悪魔だけ。私はそう思う」
――人間に応えるのは悪魔だけ。
科学の徒である鷲見ヶ原うぐいす。
直感素質<プレモ二である麻生丹譲。
<直感像記憶<フォトグラフィックメモリ>の素質者であり警視庁刑事部警部補でもある室火野薫。
<判別直感<ポリグラフ>の素質者であり探偵をやっている千代辺雛子。
『天頂の結社』に身を置く姫鳴椿。
魔術師と呼ばれる数学の天才的博士、霧生賽馬。
その娘の霧生那由。
そして、悪魔。
悪魔だとか素質だとかでてくるけど、内容はしっかりとしていた。
犯人は誰で誰が死んで。そしてその理由はいかに。
すべての鍵は悪魔が持っていて、悪魔は仮想ではなくたしかに現実だった。
うぐいす可愛いようぐいす。
“「だからねゆずさん。犯人を見つけようとするのなら、私たちは明確な物的証拠を探すべきだと思う」
「物的証拠?そりゃそんなもんが出てくればそれこそ楽だろうけどさ。それが出てこないからこうして苦労してるんじゃないかよ」
「そんなことないよ。私の考えが間違ってなければ、犯人は今も決定的な物証を持ってるはずだもの」
「なんだって?」
僕は目を剥いた。那由も眉をひそめる。
「物証ってなんだよそれ――あ、もしかして凶器か?」
「ううん」違うよ、とうぐいす。「それも見つけたいけど、私が言ってるのはもっと別の、隠しようもないもの」
「なんだよそれ」
そしてうぐいすが告げたのは、凶器よりもさらに物騒極まりないものだった。
「――博士の首だよ」”
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ミステリと、論理学と、ほんの少しのファンタジー
ロジカルな試行錯誤の積み重ねによる推理は既存のミステリとは一味違うもので
少々冗長ではあるものの読み応えがありました
そしてあまり前面に出てこそこないものの
この物語の根底テーマである魔術の設定も秀逸
ミステリに出てきてはいけない能力を持っている人がいたりと
それだけでも楽しめるものでした
回収されていない伏線が山のように転がっている所をみるに
このシリーズは今後も続くようですね
主人公が昔やらかした事
うぐいすが高校にやって来て主人公と親しくなるまで
生徒会長と主人公が顔見知りになった顛末
著者の過去作品『トリックスターズ』と通じるものがあり
非常に楽しみです
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出てくるトリックは、そこらで見たことがあるようなテンプレトリックです。
しかし、そこはさすがライトノベル。
それぞれ個性的な性格、特殊能力を持ったキャラクターたちが出てきて、なかなか面白い。
出てくる特殊能力も、現実にありそうな能力(1名を除いて)であくまでもストーリーを盛り上げるうえでのスパイスとして出てくる感じで特殊能力使って解決!っという超展開でないのは好印象でした。
ただ続編が1年以上出てないようで続きが出ないかもしれないのが残念
作品として近いと感じた他作品は「月見月理解の探偵殺人Ⅱ」
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奇妙な能力を持った5人と、一応一般人1人による
屋敷の人間合わせて8人が繰り広げる…ミステリー?
某青色ネコ型ロボット漫画のように、題名の人物は
主人公ではありません本、でした。
悪魔が魔術がどうのこうのと出てくるわ
証明学のような会話は出てくるわで
そこだけがどうしようも…意味は分かるのですが
すぐに忘れてしまうのは、結局頭が拒否してるから?w
結局『最初』に騙された、という感じでしょうか?
極々普通に始まる事はなかったですが、極々普通に幕は閉じました。
そういう落ち!? というよりは、そういう落ちなのか…という所へ。
面白くなくはなかったのですが、納得もできたのですが
もう説明される定義の論証だけで、いっぱいいっぱいです。
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難しい専門用語がでてくるが、分かりやすい説明があるので良い。
室火野薫について本文中に眼鏡をかけていると表記がないが、挿し絵には描かれている。
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南京錠で閉まっているのにどうやって出たのだろう
とか思わなくもないが
ライトノベル的ミステリとしてまっとうなまとまり
中身がないのでするする読める
西尾維新作品的なライトノベルというのもひとつの分野か