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みんなのレビュー3件

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紙の本

恋敵の登場もはっきりしない狗斗の態度がもどかしい

2009/08/07 00:54

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:DSK - この投稿者のレビュー一覧を見る

今回は恋敵の登場により「うかうかしてられないよ、狗斗クン」という内容……かと思いきや、もっと根本的な要因により何とももどかしい内容だった。いわゆる『学園編』と言える展開なので【組織】もハルも登場しない本巻は、恭子に真正面からアタックする転校生【四宮】と、その幼馴染み【五月】の物語である。だが、本編のほとんどは狗斗の心情描写に充てられる。これが何とももどかしい。単に恋敵の登場で焦る狗斗という構図ならば判り易いのだが、狗斗の心情、つまり恭子の存在とその想いが実に曖昧というか無自覚というか、もしかしたら若さゆえの抵抗なのか、カッコつけて突き放すものの傍からみればカッコ悪いの典型なのか、いろいろと複雑な要因を交錯させた、ある意味10代の若者らしい幼さも内包した態度なのである。恭子も恭子で内心「自分を理解してくれるのは狗斗だけ」なのは判っているのに狗斗の態度に反発してボタンを掛け違えていく悪循環になっていく。ただ、恭子の想いは最初から決まっているのに狗斗の態度がどっちつかずなために自分もはっきりできないもどかしさなのに対し、狗斗は最後まで恭子との距離を測れずにいるもどかしさである。嫉妬すらも気付けない、人付き合いの下手な若者(狗斗)の不器用な言動としては非常に良く描かれていると思う。でも、これでは恭子が少し可哀想にも思えてくる。「気付いてやりなよ、狗斗クン」という感じ。これはりんにも言えることで、実は今回の行き違いを仲裁するにあたってりんが陰日向に活躍しており、ここでりんの恋愛観も披露されているのだが、この菩薩のような達観した境地には少し理屈っぽさも感じる。本来、恋愛は感情が全てだと思うので、むしろ今回のクライマックスでは、最後の最後でりんが同じようになってしまうのではと怖気を感じてしまった。タイトルが示すように、現時点では恭子の片思い的関係な2人の今後に期待したい。気心を許し合った2人ならではの日常会話の面白さとあけすけ振りからして理想のカップルとしか思えないのだから……と、言いながら、りんも捨てがたく……う~ん、悩ましい三角関係だな。

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2011/07/03 19:48

投稿元:ブクログ

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2017/02/23 22:38

投稿元:ブクログ

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