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劇中の映画とリンクしつつ、物語は進んでゆく訳だが……。まぁネタバレはよそう。今敏の映画みたいだけど、また別の方向性へ進んでる。物語構成が凄い。「よいこの黙示録」もおもろいし。この人のファンになったわ。
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まちがいなく傑作だとおもう。
一度目、とりあえず読んで流れと構成をつかむ。
二度目、一度目でつかんだ流れ・構成を、世界の階層を意識しながら読み込む。緻密に計算して描かれた世界の重なりに圧倒され、こちら側にもその世界がはみだして、一緒に流れているような変な感覚になる。
すごい。
一見ちょっと変わった構成の、サブカルにありがちな雰囲気青春漫画だ(その部分も楽しめる)けれど、きちんと作者の描画の意図を理解しながら読めれば、ここまで練り込まれたものを1冊の漫画として世に出せた作者に賛辞を贈るしかないのではないだろうか。
きっと20代後半の人間にはドストライク。
何度か読み終わった後、あいだあいだに挟まれる、両面真っ黒の何も描かれていないページがストロボライトのように見えてなんだか哀しいような変な感覚だった。
その死すら、間テクスト性の実践実験の延長線上なのではと、一瞬よぎってしまうくらいの作品でした。とても残念です。ご冥福をお祈りします。
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きれいにまとまった大傑作なのでは。
ヴォネガットや、「小池真理子が清少納言に影響を与えるような……」など、かなり整理されている。
セックスばかりというのもご愛敬。
いま知っておいてなんだが、作者の死は残念だ。
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『よい子の黙示録』(未完)を読んで、この作者の並々ならぬ画力とストーリーのうまさに唸って、この作品を読んでみた。
自意識過剰かつ劣等感に苛まれる主人公の、焦りやら悲しみやら苦悩やら、そういったイタイ感情を丁寧に描いている傑作。
読んでいて、なぜか、とり・みきの短編「カット・バック」を思い出して仕方なかった。
自ら作り出した幻にとらわれた主人公が、7年経ってようやく初めに立ち返れたこと。終わりがはじまりを作ったこと。随所にカット・バックの手法を使いつつ、ほろ苦いラストで主人公が自分自身に巡り合うのは感動的である。
この才能あふれる作者の早逝によって、もはや新作が読めないのが残念で仕方ない。
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現在が過去に影響を与える!
つまり、同じことでも捉え方次第で事実はかわる。
深い、深すぎる!
深い割に青春のほろ苦さが入り混じってて痛いほど感情がわかる身近さもある。
話は変わって、ブクログすげー!笑
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トーンをつかわない絵、ストロボライトのタイトルに合わせた構成、雰囲気など好きでした。
主人公、アホな大学生、はじめてできた彼女とのセックスの描写、よかった。
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とにかく、非常に緻密に作り込まれた構造のマンガで、読み返すほどに作品の奥深さを感じます。
全ての経験はテクストとして構造化されている。
そして、「林真理子が清少納言に影響を及ぼす」ように、現在のテクスト(経験)は過去のテクスト(経験)の解釈をいかようにも変えることができる。
作品の底流にあるのは、この経験の「間テクスト性」という考え方です。これを体現するための極めて実験的なマンガともいえます。
『ストロボライト』というのは断続的な速い周期で光を点しますが、人のひとつながりの経験はその一瞬一瞬のまとまったもの。
その一瞬ではつかみきれないその時の意味は、時間が経てば経つほどさまざまな解釈が可能になります。
主人公が7年経って、ようやく学生時代の恋愛に終止符を打つことができたのは、現在進行形で放たれてきたストロボライトの光を過去完了形としてとらえるに足る時間が経ち、当時と異なる解釈ができるようになったからだと表現されています。
ストロボライトを彷彿させる陰影や中扉があるのもにくい。
主人公(浜崎正)が冴えない小説家志望、ヒロイン(町田ミカ)が才能豊かな元女優という設定はお互いの立場を効果的に対比させているし、ミカの出演した映画をシンクロさせ、マンガ自体も映像のような進め方をしているので、1本の映画を見ているような気にもさせられますね。
終局で、夜行に乗って暗闇を走り続けるさまは過去の回想、回想する言葉が光となって集束していくうちに朝になって田舎の眩しい光景が見えるさまは過去からの脱出、つまり真の現在進行形であるという描き方にもなるほどなぁと思いました。
ミカのいる土地から正が帰るのも明るい時間帯です。
最後に「電車って、走ってる時にこうやって目をつぶると、どっちに進んでるのかわからなくなるよね。」と、学生時代のミカと正が目をつぶるシーンがありますが、これはひとまとまりの過去の記憶に自分なりの解釈を与え、物語の終わりを告げられた今、今度はまた別の、どちらともつかない方向へと新しい物語が始まり進んで行くということを示唆しているのかと。
気づくと、このマンガ自体が浜崎正の小説そのもの(回想録)であるというのも、にくすぎる。
本当に上手くまとめられていて、感嘆してしまいます。
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青山さんの漫画は、個人的に好きな絵柄で、ちょっとエロいシーンがあったり。
青山さんの中で、一番のお気に入りです。
大学で、自分の好きな女優がいたら、楽しいだろうなー、と想像します。
決してハッピーエンドではなかったですが、いろいろ考えさせられる作品でした。
青山さんのご冥福をお祈りいたします。
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小説家が夜行列車の中、ノートPCで原稿を書きつつ過去を回想する。
果たして彼が辿り着くのは……?
これ以上ストーリーを説明すると即ネタバレしそうな感じ。
このくらいのアイディアは多くの作家が捻り出していそうで、
それだけでは感銘を受けるに足りない。
基本、メタフィクション系のネタは好きなんだけどなぁ。
画風が好みに合う人、
主人公の性格に感情移入できる人にとっては、
凄く面白い作品なのだろうけど、残念ながら、驚きの点も、
胸を締め付けられるようなグッと来る感覚にしても、
私にとっては今一つだった。
――と言いつつ、
時間を空けて読み直したら印象が変わるかもしれないけど。
取りあえず、☆が少ないのは
主人公の「学生時代」の言動にイラつく部分が多いから。
何はともあれ、青山氏のご冥福をお祈りいたします。
合掌。
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付き合っている彼氏や彼女から、自分のことを「好き」と言われた時に、相手の自分への「好きになり方」に違和感を感じることがあるとしたら、それは自分が見て欲しいところを透過され、相手が自分の上に勝手に投影している自分の像のようなものを見ているような感じになる時だろうか? 好きな相手にこそ自分が評価されたいところを評価して欲しいという気持ち、相手に自分の都合のいい相手の像を投影してしまう気持ち。彼女との関係に挫折する主人公の姿を通して、ありのままに相手のことを見るということの難しさという、難しいテーマをとりあげた意欲作。明暗を意識した美しい映像的な画や、キャラクターの微妙な感情が表れた表情に、ついつい読み進むのを止めて一コマに見入ってしまう。
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物語好きの物語好きによる物語好きのための本。小説家志望の学生が、人気急上昇若手女優と付き合えるミラクルがサラッと起きるところから話が始まる。で、しょーもない男の葛藤で破局。未練タラタラ、以上、という感じ。絵は好き。結局付き合うことになる実和子がかわいい。
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前、読んだ漫画を
もう一度、読み直してみる巻 Vol.10
町田ミカさんも良いが・・・実和子が好きだなー。 久々に読み直したがこの漫画のストーリーもすごいな… またしても衝撃を受けました。
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何度も読み返したい作品なのだが、読み返すたびに辛くなってどんどん読むペースが遅くなる。1回目はさらっと読んだのにね。「帰って」のコマがお気に入り。
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逆方向の電車に乗ってた主人公が、向かう方向の電車に乗れるようになるって話やねんけど、なんでここまで感動してしまうんかわからんくらい感動した
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ストーリーも絵も非常にリアルで面白い作品だった。間テクスト性という言葉が作中に出てくるが、過去の回想として進行していく物語の中で主人公を取り巻く感情が変化していくのが面白かった。1冊で完結する物語なだけに展開がテキパキ進んでいく。カットや絵にも色々な工夫が読み取れて良かった。