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本書は、近現代史がご専門の東京大学教授、加藤陽子氏による、栄光学園高等学校で実施した特別授業の講義録である。
日本史の近現代における各戦争、「日清戦争」「日露戦争」「第一次世界大戦」「満州事変・日中戦争」「太平洋戦争」を、それぞれ分けるのではなく一本の続きものとして高校生にもわかるようにやさしく教えてくれる。
太平洋戦争末期の悲惨な現状に、軍指導部はなぜ突入することになったのか。当時最高の頭脳であったであろう彼らが「それでも」戦争を選ばざるを得なかった理由とは何だったのだろうか?
それを見ていくには近代の戦争をひとまとまりとして見ないと理解できない。ほんの一例をあげるなら、日清戦争の影響が色濃くあらわれた日露戦争、その勝敗が太平洋戦争直前のアメリカの感情に繋がっていたりするからだ。
本書を読んでいくとそいういう「歴史のつながり」というのがよくわかる。
もちろん歴史は現在にも続いている。
本書の序章にも書いてあるのだれけど、9・11テロ後のアメリカ感情と、日中戦争当時の日本の国民感情とはまったく同じ構造だったりする。
そういう部分に気をつけて過去のあやまちをくり返さないようにする。
それこそが真に歴史を学ぶ、という姿勢だろう。
歴史を本当に学ぶために。
ぜひ一読してほしい一冊。
http://loplos.mo-blog.jp/kaburaki/2011/08/post_2ec7.html
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日本史は好きだが近代史は(学問としては)敬遠していた、というか面白みがわかなかった(わからなかった)のですが、この本は近代史をやる面白さを教えてくれます。ワクワクできる近代史本。
日本が明治維新から太平洋戦争に向かっていく道が斬新な視点で解かれていて、とても勉強になりました。
[09.10.23]
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学生時代は、歴史とか全く興味がなかったけど。
この年になってみると。
歴史は面白いな。
この本なんか、43歳の俺が読んでも面白い。
(学生向けの本です)
進学校の学生はこんなのを学生時代に読んでいるのかと思う気持ちもあれば。
読んでも、社会に出て駄目な奴は一杯いる。
勉強ってのは、格闘技の型みたいなものなのだと最近思ってまうs。
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日本人のブレーンたちがなぜ戦争を選んだのか? 中学生たちへの講義を収録。ある程度知識がないとちとつらい。
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戦争は「相手国の憲法を変える」作用をもたらす、という説の紹介から入る刺激的な導入。日清戦争以来の5局面が、外交・軍事・経済・社会・国民感情といった切り口からとても立体的に描かれていました。予想以上に読み応えありました。
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amazonでは右寄りの人が思いっきり叩いてたりするけど、実にスッキリとこの時代の流れを纏めた良書。個別の事案についてはケッ稿本が出てたりするけど、流れとして知ることができるのは結構貴重。
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語り口で書かれているのは
自分にとって読みづらいです
なので向き不向きがあるかもしれません
興味深いテーマですし
わたしたち福祉職のお客様の
生きた時代を知ることは
とても大切ですので
読んでみることをオススメします
世界恐慌のときの政策は
今の日本に通じるものがあるな
と感じました
また大平洋戦争の真珠湾攻撃でも
桶間の合戦や大阪夏の陣などの
教訓を引き合いにだしているのが
興味深いところでした
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2010年5月2日購入
経済に着眼しながら
歴史を眺めると
単なる事実の羅列でしかなかったものが
どんどんつながって見えてくる。
再読したいと思う。
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太平洋戦争になぜ、日本は突入していったのか? 著者は、汚職にまみれ民意をくみ上げられない政治状況の中、軍部が大衆から大きな支持・共感を得ていたことを背景にあげている点が印象的。結局、軍部の暴走を誰も止められなくなってしまったのだ。
軍部はともかく、この政治的なマインドはまるで、今の日本ではないか。
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資料に基づいた解釈を積み上げていく方法を子供たちが学ぶ。そうすれば、思いつき、思い込みで放言して満足しているような人、先生が、表舞台から退場してくれる世の中が来ると信じたいですね。
http://ameblo.jp/youji-kyouiku/entry-10464206267.html
http://ameblo.jp/youji-kyouiku/entry-10469566969.html
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会話式で書かれているので読みやすいけれど、近代世界史の知識がないと少し難しいかな。もう一度読みます。
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①膨大な戦死者が出たとき国家は新たな”憲法”を必要とする。
②戦争とは相手国の憲法を書き換えるもの。
これら2つの学びは大きかった。
しかしながらこの本は、戦勝国からのものの見方、教科書で習った通りのものの見方しかしていないのが残念だった。タイトルの「それでも」の内容が軽すぎるように思われる。
高校生に語るにはとりあえずこれくらいで良いのだろうか?
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ふむ。
歴史家は特殊の中に普遍を見ている。(序章中盤付近)
という言葉に、文学も同じことが言えるのじゃないかなあと考える。
第2章終盤、日露戦争前には中国から日本の陸軍士官学校へ留学生がたくさん来ていた、とあったが…これ、スゴい不思議。と思うのは私だけ?
だって、軍隊ですよ?国防のレベルとかわかってしまうじゃないですか。
何でそんなことが許されたんだろ?
だいぶ時間がかかったが読み終えた。
「なぜ」は事実の狭間にあるらしい、というのが印象。
このような背景のためにこう動いた。
この事柄があり、こういう事例に基づき、こういう事態に至った。
なるほど。これが歴史での「なぜ」ということの答えなのだなあ。
難しかったが面白かった。
時系列をもう少し整理してもう一度読みたい。
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書店で、『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』に出会いました。表紙にもあるように、東大の先生が、高校の日本史研究会の生徒に1週間講話した結果をまとめたもので、授業では知り得ない程、事細かに太平洋戦争に至る状況を幅広く扱っています。
最後の章に、結論が述べられていると思いながら、読み進みましたが、結局、結論らしき記述はありませんでした。想像するに『結論は自分で考えなさい』と先生は仰っているのだと思います。
昭和のはじめに平和思想を説いた海軍軍人の水野廣徳の言葉が引用されています。『かくの如く戦争が機械化し、工業化し、経済力化したる現代においては、軍需原料の大部分を外国に仰ぐがごとき他力本願の国防は、あたかも外国の傭兵によって国を守ると同様、戦争国家としては致命的弱点を有せるものである。極端に評すればかくの如き国は戦争をなすの資格を欠けるもので、平時にいかに盛んに海陸の軍備を張るとも、ひっきょうこれ砂上の楼閣に過ぎないのである。』と評し、外国との通商関係の維持が日本の国家としての生命であるはずならば、日本が他国に対して「国際的非理不法」を行わなければ日本の安全は保証される・・・・と述べていることを知り驚きました。
また、太平洋戦争が、日本の場合、受け身のかたちで語られることが何故多いか、説明を加えています。
そして、最後に、2005年の読売新聞の調査結果を引用し「戦争責任をめぐる問題は十分に議論されてこなかったのだという、国民の見方だったのに深い感銘を受けた。天皇を含めて当時の内閣や軍の指導者の責任を問いたいと思う姿勢と、自分がその当時生きていたら戦争に協力した立場に回ったのではないかと想像してみる二つの姿勢を持ち続ける事が一番大切な事だと思う。」と結んでいます。
マスコミや、国、県、市町村からの情報に流されず、その時代時代の本質について自分で真剣に考え、自分なりの見識を持ち、それに準じた生き方が大切だと再認識すると供に、日本人の気質は、根本的な部分では第二次戦争前と変わらないのだなーという思いを持ちました。それゆえ、私たちは同じ間違いを二度と犯してはならないのです。
日本国憲法の成立過程には米国の影響力を無視できませんが、米国人も日本人も第二次世界大戦の悲惨な結果を経験し、二度と同じ間違が起きないようにとの想いから起草され、国民に受け入れられたのです。その後の国際情勢で解釈が揺れる事がありました。日本国憲法は確かに『理想』的な要素を持つことは否めませんが、第二次世界大戦を経験した人々により起草、支持されて成立したものですから、その思いを持ち続け、日本国憲法の精神を大切にし、平和な国造り、世界造りへの努力が必要なのでしょう。
一読する事をお勧めできる一冊です。
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すごく面白かった。知的興奮に満ち溢れた本。日本近代史についての知識があまりなかったので読むのに時間が掛かったが、それだけの価値はあった。
冷静に語られることがとても少ない「近代日本の戦争」という話題を、最後まで事実と学問の成果に基づいて語りきっており、圧巻。